母子登校を克服するために奮闘しているママは、子どもがどうやったら学校に行けるのか?と頭を抱えていませんか?出来ないことに目を向けた支援では解決が逆に遅くなります。母子登校キッズには自信回復のための関わりが第一優先です。その方法を紹介します。
1.母子登校といっても様々なケースがあります
「母子登校」とは文字の通りひとりで学校に行けず、ママと一緒に学校に行っている状態のことを表します。
ですがひと言で「母子登校」と言ってもケースは様々で、日課のように毎朝校門まで一緒にいき、校門でバイバイするケースもあれば、下駄箱や教室まで一緒にいき、なんとか無理やり子どもと離れるケース。
ママが校内にいないと不安なので校内のどこか(別室)や駐車場でママが待機しているケース。
廊下でママが見守っているケース。
1日中ママが授業に付き添っているケース。
1日に何度か子どもに顔を見せ安心させるために、家と学校を何度も往復するケース。
などなど、ひと言で「母子登校」と言っても状態は本当に様々です。
また子どものメンタルや環境によって、母子登校のスタイルが日々変わることも、母子登校の大きな特徴です。
なので日によって付き添う時間も、付き添う場所も、離れるタイミングも変わる!ということ。
つまり!!母子登校はママにかかる精神的、身体的、時間的負担が大きいのが特徴です。
不登校と比べて、どっちが楽か?という問題ではありませんが、私の経験上、不登校より母子登校の方が、負担がとても大きく、頑張り過ぎているママがとても多いと感じています。
完全不登校なら学校へ行くこともそう望まず、家での過ごし方を工夫しようとなると思いますが、母子登校段階だとどうやったらひとりで学校に行けるようになるだろうとその視点で子どものことを見てしまいます。
しかしそれって本当に子どものためになっているのでしょうか?
2.苦手な学校への復帰ばかりを考えていませんか?
母子登校中のママは、仕事や家事もあるのに毎日ドタバタ生活だと思います。きっと自分の思うようにならないことばかりのはずですよね。
そんな状況のとき、ママはお子さんのどんなところに目を向けていますか?
なぜ学校に一人で行けないんだろう…。
今日もまた学校には一人で行けなかった…。
家では普通にしているのにどうして学校ではうつむいた感じになるんだろう…。
と、子どものできていないところにばかり目が向いていませんか?
どうやったら学校に一人で行けるのか?を考えてしまうと、ママの頭の中は結果的には子どもと自分を引き離すことばかりを考えてしまいます。
少しずつママと離れる練習をさせようとしたり
無理やり学校に行かせてみようとしたり
集団に慣れさせようとしたり
学校へ行かせるにはどうしたらいいのだろう??という考えで行動しようとしてしまいます。
しかし、本来母子登校は短期的に改善するものでもありませんし、このようなママの行動のもとでは改善の兆しは見られにくいです。
それはなぜかと言うと、「苦手」をつつくような支援を繰り返しているからです!
子どもが苦手なことに立ち向かえるようになるにはまず脳を成長させることが鍵になります。
脳は、苦手なことを強制されると成長しにくく、得意なことや好きなことを経験すると成長しやすい、という性質があります。
なので、子どもの不安が強いからと言って、不安をなくすような訓練をしようとしても、状態は変わりにくいのです。
では、どうすればいいのか?と言うと、それは次で説明していきますね。
3.子どもが自信を取りもどす3ステップ対応
母子登校のお子さんの学校をどうするか?の前に、子どもがその問題に向き合えるようになるために子どもを心から元気にすることが先ずは大事です。
その元気はママが与えることができます!ママが次のステップを意識して取り組むと子どもはみるみる心が元気になり、元々の学校どうする?の問題にも向き合えるようになっていきます。
まずはお家で元気を育てるところからはじめてみましょう!
◆①脳が育つ順番に沿って安心のできる脳の土台をつくる
ママと離れるためには「できる!」「やれる!」という自信がないと、子どもは行動できません。つまり、安心できる脳の土台が大事です!
脳の土台ができていないのに、「あれやれ!」「これやれ!」と言われても、不安はどんどん膨らむばかり。
自信があるから、「やってみよう!」と次の一歩が踏み出せるんです。だから不安が強い子には、まずは安心のできる脳の土台をつくってあげましょう。
脳の土台づくりに必要な安心は、ひとことで言うと「スキンシップ」でつくることができます。スキンシップを多くとると安心感が生れます。
ハグをしたり頭よしよしをする。手を握る。ハイタッチをする。体をさすってあげる。一緒に寝る。一緒にお風呂に入るなど肌と肌が触れる機会が多くあると子どもの安心感は生まれます。
◆②お家で行動力を伸ばし「できた!」の自信を育てる
脳は行動しないと成長しないので行動力を上げることも大切です。なのでまずは、お家で小さな「できた」の成功体験を積み重ね、ひとりでできることを増やしていく機会をつくっていきましょう。
その時に鍵となるのがママの声かけ!!
ママが子どもにどんな声をかけるのか?が子どもの行動を促すポイントです。
また、ママの声が子どもにシッカリと届くためには「目を見て話す」ということもとても大切です。子どもの目を見てできたことを褒めてあげましょう。
例えば、朝起きてきたというシチュエーションだけでも声掛けのバリエーションは豊富にあります。
「おはよう!起きてきたね」
「一人で起きたね」
「声掛けしたら起きてくれたらね」
「〇時までに起きたね」
「眠いけど起きてきたね」
「おはようと言ってくれてありがとう、うれしいよ」
など、色んなパターンで褒めることができます。
その他にも食事のときや出かけるときなど色々な場面で小さなできたを見つけてみてくださいね。
そしてその小さなできたを見逃さずに褒めてください。
◆③子どもが持っている本来の長所や得意を伸ばす
①②の接し方をしていくと脳の土台は整えられ、そこに会話術が加わってくると子ども本来のチカラは更に育っていきます。
土台が頑丈になると子どもは自分の好きなことや得意なことに目が向くようになり、心の内にあった、本当はできるのにやらない、本当はやりたいのにできないといった今までやらなかったことに挑戦するようにもなります。
不安の強い子どもが本来持っている本当のチカラを発揮できるようになるには、身近にいるママの声かけがあってこそ引き出せるようになります。
ママが子どものやる気を引き出せるような声かけができると、不安を自信に変えて、ひとりでチャレンジする心が育ちます。
ママが言葉のバリエーションを増やし子どものやる気を引き出せるようなコミュニケーションを学び実践していくと子どもはみるみる変わっていきます。
どんな言葉をわが子にかけたら子どもがワクワクして挑戦することができるのか、ぜひお子さんに合う言葉は何かな?と探してみてくださいね。
母子登校の子どもはこの順番で脳を育てていけば、自信が勝手に育ち、ひとりでできることが増え、母子登校も卒業することができます!