なんでも触りたがる子どもに困っています。
こんなご相談が届きました。

「日曜日の夕食中、子どもが料理を手で触ったのを見て、夫が突然『何やってるねん!』と怒鳴りました。子どもは『わかった』とすぐ答えたものの、私は“あぁ、また…”と胸が痛くなりました。小さい頃からなんでも触りたがる子で、夫はそれを嫌がり、怒ることが多いんです。
私としては、感覚的に確かめたい“特性”なのかなと思うのですが、これは自然に治るものなのでしょうか?危ないものではないので構いませんが、どう対応すればよいのか悩んでいます。」

なんでも触りたがる子、お母さんとしては心配ですよね。よく言えば、好奇心旺盛さんですが、私たちの捉え方次第で自然と怒る回数も増えますし、子育てスタイルが監視型、先回り型になるんです。このタイプのお子さんを育てていると、いつの間にか過干渉タイプ子育てにどっぷりとハマってしまうので要注意。どんなふうに捉えていくといいか解説しますね。
なぜ子どもは「なんでも触ってしまう」のか?
子どもが、
✔︎料理を手で触る
✔︎外でいろんなものに触れたがる
✔︎すぐ手が出る
そんな行動には、明確な理由があります。
それは「感覚探求(Sensory Seeking)」という、“脳の発達段階”にともなう自然な行動です。
感覚探求とは? “脳の発達途中”で見られる行動
感覚探求とは、
子どもが 五感(触覚・嗅覚・味覚など)を通じて、世界を安心して理解しようとするプロセスです。
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物の温度を手で確かめたい
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ツルツル・ザラザラの質感を感じたい
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「気持ち悪い」「面白い」など体感で理解したい
こういった行動は、「好奇心」や「学びたい気持ち」の一部であり、悪いことではありません。
「なんでも触ってしまう」のをどう対応すればいいの?
✅ 危険でなければ、止めなくても大丈夫です。
子どもが落ち着いていくには、感覚を通じて「納得」する体験が必要です。
おすすめの声かけや対応は?
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「触ってみたかったんだね。どうだった?」と言語化のお手伝い
→ 温度や感触を言葉にして“体感を整理”する手助けになります。
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「触る前にママに聞いてね」と伝えて代替え案を。
→ 触る以外の方法(言葉や観察)でも納得できることを教える。
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大人が過剰に反応しないこと
→「また触った!」「やめて!」と怒鳴ると、子どもは“混乱”します。
それって治るの?自然におさまる?
感覚探求行動は成長とともに落ち着いていくケースが多いです。
ただし、以下のような場合は要注意です
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危険なものにも躊躇なく触る
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強い不快感・パニックを起こす
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感覚刺激に極端に過敏または鈍感
こうした場合は、発達科学コミュニケーションの関わりで、解消します。
具体的には、気になる感覚探求行動をしていない、好ましい行動の時の関わり方に注目を増やすのがポイントです。
モグラ叩きのように、困った行動に対処だけの方法では、困り事は解決しないことも覚えておいてくださいね。
触ること=悪ではない。「学びたい」というサインです
「なんでも触る=しつけができていない」と思われがちですが、実はそれ、お子さんが安心・納得しながら世界を理解しようとしている証拠なのです。
大人が「やめさせる」のではなく、
「どうして触りたくなったの?」と理解する関わり方をすることで、
子ども自身も少しずつ“別の選択肢”を持てるようになります。
「触っても大丈夫だよ」
「でも、こうしたらもっとわかるよ」
そう伝えてあげることが、子どもが安心できる土台を育ててくれるのです。
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