不登校が始まったばかりのとき、多くのお母さんが自分を責めます。
「私の育て方が間違っていたのかもしれない」
「このままじゃ将来が心配」
「どうしたらまた学校に行ってくれるんだろう」・・・
そう思うのは、我が子のことを本気で思っている証拠です。けれども目の前にいる子どもは、理由も語らず、布団から出てきません。親として、どうしたらいいのかわからない。
何もできない自分に、無力感すら感じてしまうこともあるでしょう。
親としての深い信頼の表現 ネガティブ・ケイパビリティ
そんなあなたに、そっとお伝えしたい言葉があります。それが、ネガティブ・ケイパビリティ。
聞き慣れない言葉かもしれません。けれども、今のあなたにとって、とても大切な視点になるかもしれません。
ネガティブ・ケイパビリティとは、「すぐに答えが出ない状況」をそのまま受け止められる力のことです。
焦らず、急がず、「わからないままでも大丈夫」と自分に言えること。
それは、決して諦めではなく、親としての深い信頼の表現なのです。
子どもは、自分でもがいています
実は、お子さん自身も、自分の気持ちがわからず、「どうして学校に行けないのか」言葉にできないまま、心の中で静かに、だけど、必死にもがいています。
親にも先生にも分かってもらえない。そんな“違和感”が積み重なって、限界に達して、「学校に行かない」という行動でサインを出しているのかもしれません。
子どもが動き出すときに必要なのは、“自信”
子どもたちがもう一度、自分で歩き出すために必要なもの、それは、“自信”です。
では、その自信はどこから育つのでしょうか?
「自分の気持ちをわかってもらえた」成功体験の積み重ねから生まれます。その最初の経験ができる場所はやっぱり、親子の関係性なのではないでしょうか。
どう関わればわからないと思ったら、発達科学コミュニケーションという選択肢
子どもが動けないとき、親にできることは限られているように感じますよね。
ですが実は、親の関わり方を少し変えるだけで、子どもは驚くほど変わることがあるんです。
それを実践的に学べるのが、発達科学コミュニケーション(発コミュ)です。
以下の3つは、今日からできる発コミュ的アプローチです。
「気持ちを受け取る」ことを第一にする
「なぜ行けないの?」ではなく、
「今、どんな気持ち?」と聞いてあげてみてください。
行動ではなくどんなことを感じているのか受け止める、それがスタートです。
「できたこと」を見つけて伝える
たとえば、
「今日は自分からリビングに来てくれて(お母さんは)嬉しかった」
「朝ごはん、一緒に食べられて(お母さんは)嬉しいよ」
など、“できた”ことに焦点を当てて言葉にしてみてください。
子どもの行動プラスお母さんの感情!
それが、子どもの“自信の土台”になります。
特に暴言や反抗が強いお子さんは、褒められることで逆に拗ねたり反発してしまうこともあります。
だからこそ、“おだてる”のではなく、「行動+お母さんの気持ち」を伝えるのがポイントです。
「嬉しいな」「ありがとう」など、シンプルな言葉が一番届きます。
「ママ自身がホッとする時間」をつくる
発コミュでは、親の感情の安定が子どもに安心を与えると考えます。
だからと言って、根性や無理に前向きになる必要はありません。
まずは「自分が今日ホッとできることをひとつやってみる」。
それで十分、親子関係にプラスの変化が起き始めます。
“止まっている時間”にも意味がある
学校に行けないことは、「失敗」ではありません。
お子さんは、「みんなと同じ」であることに違和感を覚えて、
自分の心に正直になっているのかもしれません。
だからこそ、たとえ、親子で価値観が違っても、「そう思ったんだね」とまずは受け止めてあげてください。
今は、「土の時代」から「風の時代」へと価値観が大きく変わってきている時代。これからは従来の「正解通りに生きること」ではなく、「自分の感覚に正直に生きること」が大切にされる時代です。
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それはつまり
“止まっている今”にも、ちゃんと意味があるということ。
子どもは、ちゃんと育つ力を持っている
どうか思い出してください。
あなたのお子さんには、「育つ力」があります。
今は「止まっている」だけ。
ですが、その止まり方こそが、自分を守る選択だったのです。
ネガティブ・ケイパビリティは、
子どものSOSを受け止める、親の静かな強さ。
「答えが出ないままでも、そばにいればいい」
それが、やがて子どもがまた歩き出すための土台になります。
もし、今「何をしたらいいかわからない」と感じていたら、
今日、たったひとつでいいんです。
子どもと目を合わせて、笑いかけてみる
今日できたことを見つけて伝えてみる
自分自身に「よくやってるよ」と言ってみる
それだけで、きっと親子の関係に、小さな温もりが、また静かに戻ってくるかもしれません。
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