1.発達グレーっ子が行動に移せないのは脳の特性⁉
親は様々な体験を積んで欲しいのになかなか行動に移せないお子さんにイライラモヤモヤ…こんなお悩みありませんか?
子どもが行動できない背景には不安と恐怖の感情が潜んでいます。
不安と恐怖に関係するのは脳の中の『扁桃体』と『海馬』と言われ、この2つの器官はとっても仲良し。
扁桃体は不安や恐怖を感じると活性化しその情報を海馬に伝え、海馬が記憶として脳に保存します。
過去に不安や恐怖で嫌だな、と思った同じような体験があると、情報を記憶している海馬が扁桃体に伝え、扁桃体はネガティブな感情には行動しないほうが安全だよ、とストップをかけるので、脳は行動しない、という選択をします。
特に発達グレーっ子やHSC(人一倍敏感な子ども)タイプは不安や恐怖により反応しやすく、やりたい気持ちはあるけどやっぱり無理…という結果もよく出てしまいます。
これは脳の特性なので、荒治療のように無理やり強制するより、不安が強い子には安心できる環境で背中を押すような声かけが大切になってきます。
自信を育む上で大切なのは自己肯定感や自己効力感と言われています。
自己肯定感とは『ありのままの自分を肯定する』ことですが、できても、できなくても、自分を受け入れるチカラであり、自己肯定感だけだと現状に満足していれば行動しない、という可能性も考えられます。
それに対し、自己効力感とは『自分はできる!と信じられるチカラ』であり、自己肯定感よりは知名度は少ないですが、自己効力感が強い方が実際に挑戦することができると言われています。
不安から生じる自信のなさは、自己効力感をアップさせることで解決することができますよ。
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2.野球部に入りたいけど、不安が強くて入れなかった息子
我が家には吃音・HSC・視線恐怖のある小6の息子がいます。
息子は小1から野球がしたい気持ちがありましたが、当時入部できるのは2年生以上。
2年生に進級して野球体験会に行ったものの、その後吃音が悪化してクラスで話せなくなったり、からかわれたりしたことで、視線恐怖で人前に出られなくなり、完全不登校になりました。
不登校当初は『僕のことは忘れて欲しい。生きている価値がない』と抑うつ状態になりましたが、時間と共に徐々に気持ちが前向きになり、野球をしたい気持ちが出てきました。
最初はプラスチックのおもちゃのバットとゴムボールで打つことメインの野球を行い、4年生になって金属バットを購入し、ゴムボールで打つ練習をしていました。
5年生進級時に『野球部に入りたい。野球体験会に行ってみたい』と言うので、車で野球体験会に向かうも、グランドにいる野球部員を見た瞬間、車の助手席の下に隠れてしまい、駐車場に着いても車から降りることができません。
グランドを車でグルグル回ってはみたものの助手席の下に隠れたままの息子を見て、家に帰りましたが、悔し泣きをし落ち込んでいる息子。
そこで『明日からお母さんと野球をしよう!』と提案し、翌日から毎日ママ練習が始まることになったのです。
3.安心できるママ練習で自分は出来る!と自信アップ
私が息子に自己効力感を授けることを第一目標に始めたママ練習についてご紹介しますね!
◆練習は慣れた環境で簡単にできることから
体験会に行けなかった翌日から始まったママ練習。場所は近所にある閉園した保育所グランドで、メンバーは当時小5の息子と小4の弟と毎日遊びに来てくれる弟の同級生のA君、私の4人です。
ルールは私がピッチャー、子ども達がバッターで打ったらベースを回って点を取りに行く、というオリジナルルール。
とにかく打ったらひたすら走る!を繰り返す毎日。日を追うごとに上手になり、特に息子は特大ホームランを打ち、土手の下に飛んだボールがなくなることもありました。
◆小さな成功、努力を褒める!
私自身の声掛けで、息子に自己効力感を授けることを意識していました。
『どんどん打てるようになってるよ。次はもっと飛ばせるわ!』
『毎日野球をしている成果が出ているね。野球部でもいけそうだよ』
と、やればできる!と息子がわかり、自信につながるような言葉かけを意識して行いました。
年下の2人からも『すげー。飛ばしすぎ』と言われ、息子の中で自信がついていきました。
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4.5年越しに野球部に入った息子の変化・成長
6年生に進級した息子はやはり野球部に入りたい気持ちが強く、1年前とは別人のように体験会にスムーズに行けました。
3回の体験会もとても面白かったようで『早く野球がしたいなぁ』と心待ちにするほどでしたが、実際に入部を決める時期が来ると急に不安になってきました。
息子は『野球部に入りたいけど、言葉の詰まりがあるし…野球は声を出さないといけないスポーツだし、どうしよう』と葛藤していましたが、最終的に野球がしたい気持ちが勝り、自分で入部する事を決めました。
初回は不安が強く、車から降りることができず帰宅しましたが、2回目から野球部の練習に参加し、徐々に慣れていきました。
息子は『お母さんとやった野球の成果が出ているわ』と自分は野球部の中でも結構打てるし、足が速い方だ、と自覚する事ができ、よりうまくなるために自主練や筋トレに励むようになりました。
野球部に入部して1か月、人前に出られなかった息子が野球の2軍の試合で初めてフル出場し、3打数2安打2打点2盗塁と素晴らしい結果を残せ、息子も充実感と達成感に溢れた表情でとても嬉しそうでした。
保護者の方にも『大活躍でしょ~。すごいね』と賞賛を受け、不登校になってから家族中心の小さな世界で生きてきた息子が、野球部という新たな居場所で自分を認めて貰える経験が増えていったのです。
学校では変わらず人に見られないように会議室登校で、生徒と交流する事はないのですが、野球部では休むことなく、イキイキと活動する事ができ、17人の部員と一緒に楽しい時間を過ごすことができています。
野球部の中で培った経験を頼りに「やったことがないけど、きっとできる!」という自己効力感が芽生え、野球部の焼肉懇親会やホテルの会食も『行く!』と即答でき、人前に出られなかった息子の大きな成長を感じました。
好きこそ全て!好きのパワーは無限大!
大好きな野球がしたい、というひたむきな気持ちが、吃音や視線恐怖のハンディキャップを乗り越え、集団の中に入って新たなチャレンジや取り組む意欲がどんどん湧いてきました。
不安の強いお子さんでも大丈夫!
信頼できる人たちに囲まれ、安心安全が保障された場で息子はチカラをフルに発揮できることを示してくれました。
まずは安心できるお家の環境で、親子のコミュニケーションを通して沢山の自信を育んでいってくださいね!
執筆者名:みしまひかり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
▼不安が強く、自信のないお子さんでも親子のコミュニケーションで自信を授ける方法をこちらで発信しています!