1.修学旅行のアンケートに「行きたいが悩んでいる」に丸をした不登校の息子。
「修学旅行、後悔したくないから行きたい」と言ってくれた時、内心とてもうれしかったんです。
半面、完全不登校になって半年。
好きなことでの外出はできるようになってきたものの、参加するには乗り越えなければならない多くの課題があり、心配しかありませんでした。
小学生の時、最初は「行きたくない」と言っていた修学旅行も先生方のサポートのおかげで行くことができ「行って良かった!楽しかった」と思えた経験がありました。
今回の「後悔したくない」という思いは小学校の成功体験があったからだと思いました。
何とか息子の思いを実現させてあげたい。
不安要素満載の中、どうやったら安心して参加できるのか?

Nicotto講座で一緒に学んでいる不登校の先輩ママの修学旅行の参加の仕方を参考に、「こんな方法もあるよ」と息子に伝え、息子の気持ちを聞きながら、学校と相談するところから始めました。
「学校が怖い、先生が怖い」「友達が苦手…」
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2.「修学旅行に行かせてあげたい!」…でも息子に残っているたくさんの困りごと
特別支援級に在籍している息子には不安の強さ、起立性調節障害、感覚過敏、繊細な気質等多くの発達の困りごとがありました。
そもそも集団が苦手で人が怖い起立性調節障害の息子が、みんなと同じ大型バスで移動し、一緒の食事やお風呂、朝早い出発時間…厳しいことは一目瞭然。
旅行先の京都は観光客も多いし、感覚過敏もあり、疲れやすい、体力のない息子が耐えられるとは考えにくい。
無理をして体調が悪くなり、迎えに行くことになるのではないか?
ドタキャンする可能性もある、行けなかったらメチャクチャ落ち込むだろう。
GoogleMeetで授業にも参加し始めていたけれど、ミュートで画面offでの参加。会話はチャット。
先生とは月に数回、放課後プリントを取りに行く程度、話はできていたがクラスの子とは会っていない。
急に行ってコミュニケーションは取れるのか?受け入れてもらえるのか?
家族では少しずつ外出を繰りかえし、遠出の旅行もできるようになったけれど…乗り越えなければならない課題はたくさんありました。
▼子どもが変わったのは
“安心して関われるようになった”からでした

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3.行っても行かなくても「良い思い出」にしよう!絶対に失敗体験にしたくない
Nicotto!講座で、あき子先生から、修学旅行は「行っても行かなくてもOK」、どんな結果になっても「絶対に失敗体験にしないこと」「良い思い出にすること」と聞いていました。
上手くいかなかった経験が「やっぱり駄目だった」というネガティブな記憶を増殖させてしまうとせっかく行動し始めたのに次の行動がまたストップしてしまう。
だからこそ、行く行かないにかかわらず、どんな結果でも、
「良い思い出」=「ポジティブな記憶」
として終えることが大切。
それが次の行動につながる土台になる。
実は以前楽しみにしていた電車旅行を当日の朝の腹痛でキャンセルしたことがありました。
ようやく外出もできるようになり、心待ちにしていた電車旅行だったので、行けなかった息子はとても落ち込みました。
だからこそ「後悔したくない」という息子の願いを叶えて、「行って良かった、楽しかった」の良い思い出を残してあげたかったんです。
こだわりの強い息子の旅行先はいつも一緒(横浜)です。
修学旅行先は関西なのでいつもと違う場所、新しい場所を知る機会になるとも思いました。
不登校の息子にとってハードルの高い修学旅行を失敗体験にしないために、「どうやって行かせるか?」ではなく「どうしたら成功体験にできるのか?」
この視点に変えて、成功体験にするための作戦を考えることにしました。

4.自分で決めた修学旅行が「僕、成長してるよね!」につながった
◆「これならできそう」と思える参加の形に
修学旅行を前に緊張する息子に、まずは笑顔で優しくゆっくり話し、息子のできていることを認める関わりを心掛けました。
息子の気持ちを聞きながら学校と相談し、母が同行して現地集合・現地解散、班行動の日に半日だけ参加することに。宿泊は別のホテルにしました。
母が近くにいて、少人数で半日だけ。それなら「できそう」と見通しが持てた様子でした。
◆大好きな電車をきっかけに、息子が旅の計画を担当
学校の行程以外は、息子に計画を任せることにしました。
大好きな電車で移動でき、初めて新幹線にも乗れる。「関西は分からない」と言いつつ、息子は率先して調べ始めました。

外に出るのが怖かった息子ですが、大好きな電車なら外出もできるようになっていきました^^
いつもは「ママ決めて~」が多かった息子が、私の希望も聞きながら、乗り換えや混雑、料金、所要時間を比較。出発時間や旅費まで考えてくれたのです。
「そこまで深く考えて決めているんだね」
調べて考える姿に、認めてあげたいことがたくさん見つかりました。
完成した2泊3日の計画を、先生にも自慢げに説明する息子。自分で調べたことが、初めての場所への安心にもつながったようでした。
◆不安があっても大丈夫。参加できてもできなくても母はどっしり構えて伴走する
参加前夜、息子は「団体行動できるかな?」と不安を口にしました。
「緊張するよね。母は近くにいるからね。どうしても無理なら、不参加と連絡すればいいよ」
当日の朝も「メンタルいまいち」と言っていましたが、気持ちを受け止め、「今日は何線の何の電車に乗るの?」と聞いてみました。
電車の話をするうちに、息子も準備を始め、時間通りに出発できました。
みんなと合流し、金閣寺や二条城へ。母のそばにいながらも、話しかけられると会話ができ、最初は入れなかった集合写真にも、先生の声かけをきっかけに自分から入ることができました!
その夜、息子から思いがけない言葉が出ました。
「今までネガティブだったけど、急にポジティブスイッチ入った、僕成長してるよね!」
みんなと一緒に過ごせたこと。そして、自分で考えた旅を実現できたこと。その両方が、息子の自信になったのだと思います。
私も、
「君のおかげで楽しかった」
「君がいればどこにでも行けるね」
と伝えることができました。
不安に合わせて参加の形を工夫し、得意なことは本人に任せる。そうして作った息子なりの修学旅行は、「また京都に来ようね!」と話せる思い出になりました!
読んでくださった方の中には「修学旅行、不登校のうちの子には、難しいかも」と感じたママもいるかもしれません。
最初から、みんなと同じように参加することを目指さなくても大丈夫です。お子さんが何に不安を感じているのかを聞きながら、もし本当は行きたそうなら「これならできそう」と思える形を一緒に探してみませんか?
参加する時間や、誰と一緒に行くか。今は参加を見送ることも含めて、自分で選べる部分はあります。
ママがすべて決める前に、不登校の子どもの気持ちを聞いてみる。その小さなやり取りが、「自分で考えて決められた」という自信を育む一歩になるのだと思います。
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執筆者:三原 すずか
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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