不登校中のゲームやネットに制限はいらない!?子どもの自主性を育てるゲーム&ネット活用のコツ

思春期で不登校中のお子さんにゲームやネット依存症にならないように長時間の使用はルールや制限を設けているご家庭もあると思います。ゲーム=悪と厳しい制限をするよりも、ゲームやネットの制限をなくして、不登校中に自主性を育てるコツをお伝えします!
 

1.不登校中のゲーム・ネットは自主的にやめられる!?

お子さんが不登校で、家でダラダラ、ゲームやネットばかりしていて、このままで将来どうなるのかと、頭を悩ませている親御さん多いと思います。

特にゲームについては、悪いイメージがつきものですよね。

長時間やっていると、依存症になってしまうかも、目も悪くなるし、昼夜逆転も心配とか…

また、実際にゲームをしている子どもに何か話しかけても無視、そして言うことを聞かないので、余計にゲームを悪者扱い(笑)

大人から見ると心配なことが多く、厳しく注意したり、制限を設けたりしているおうちもあると思います。

高学年や中学生になると、親には反抗的、こちらが何か言えば無視、イライラしたことがあると物に当たるなど、だんだん手に負えなくなってくる。

「ゲームやネットを自分からやめられるようになってほしい!」

そんなときには、大人の私たちが少し視点を変えて、ゲームやネットを制限しないで自主的にやめられるようになる大人の対応を考えてみましょう!

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2.厳しい制限と思春期の知恵とのいたちごっこ

わが家の、中学3年生の息子は、注意欠陥多動性障害(ADHD)の特性が強い傾向があります。

そのため、好きな事にはのめり込みやすく、なかなか自分から次の行動に移すことができません。

小学生の頃、ゲームやネットがやめられない問題は、ずーっと悩みの種でした。

ゲームよりも外で元気に遊んでほしい!ゲームをする時間を勉強してほしい!

そんな希望があったので「ゲーム=悪」と思い込んでいた私は、なくなってしまえばいいとも思っていたほどです。

なので、ゲームは1日○分、動画も〇分など制限をかけて厳しく管理していましたが、この制限が有効だったのは、低学年くらいまで。

高学年くらいになった頃には、ルールや制限を超えることをやらかしてくれる。

そこでさらに、厳しい制限を設け、それを破る息子と毎日がいたちごっこのようでした。

こんなことを繰り返していたら、親子関係が悪化の一途をたどり…

そして息子は、中学生になり学校で友だちとうまくいかないストレス、勉強についていけないストレスにより、ストレスのはけ口をゲームやネットの世界に求めてのめり込み、ついに不登校になりました。

不登校になると、基本的に子どもはほぼ1日家で、ゲームやネットをするようになり、私も「時間を守ってない!」とイライラ。

しかし、私が出かけた時など、1日中ゲームをやってないかなと監視しているのは無理です。

いままでのように、厳しい時間制限をしていても変わらず、自分も子どももイライラするのは精神的に限界を感じてもいました。

そこで「一度、ゲームやネットのことで、制限をやめてみよう」と思ったのです。

3.わが家はこの対策をして思い切って制限をやめてみた 

制限をやめようと考えを変えてみたものの、ゲームやネットのネガティブな面の心配はありました。

・視力低下
・脳が疲労して集中力がなくなる
・姿勢が悪くなる
・課金やネットショッピングを勝手にしないか
・やるべきことをやらない(勉強をしない、塾に行きたがらないなど)
・生活リズムが乱れる
・知らない人と繋がる危険

などなど。

わが家では、心配な点を次のように対策しました。

・机やいすをゲームや動画を見やすい画面の高さに変更をするなど、環境を息子と一緒に調整
・勝手にアプリをダウンロードできないようにする

また特に、欲しいものがあるとなかなか我慢できない息子が一番危険だと思ったのは、ゲームの課金と買い物です。

ゲーム課金に関しては、禁止ではなく、金銭感覚も身につけてほしいと思い、お小遣いの範囲で課金OKとしました。

勝手に買い物をできないようにするため、子どもの携帯ではクレジットカード情報が残るのでカード決済などはしないように大人が気を付けました。

そして

「なにか困ったこと、心配なことがあったら相談すること」

と子どもに話して、子ども自身に使い方を任せることに。

このように親が考えと息子への対応を変えると、親が自分を理解してくれた!と思うのか、会話が続くようになりました。

さらに会話をしながら対策を一緒に考えたことで、親子関係はぐっと良くなっています。

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4.制限しない代わりにやることはこれ!

私自身のゲーム=悪の考えを変えていけたのは、ゲームやネット(動画)には活用できるところがたくさんあるとわかったからです。

特に不登校中は、ネットがあることでyoutubeの動画や、ゲーム感覚の勉強アプリでも勉強ができますし、オンラインゲームで学校の友だちと繋がりコミュニケーションを取って、学校の情報をもらったり、コミュニケーションを自然と学んでいます。

このようにゲームやネット(動画)は、発達の特性があって、学校に行くのがつらい子どもたちの助けになっていたりもします。

そうはいっても、ただ制限をなくすだけではなく、代わりにやってほしいことがあるのです。

◆会話をすること

思春期の年齢なら当たり前にできることでも声をかける、1日に数分でもゲームや動画について会話すること。

「食器片づけてくれてるんだ~」「ありがとう」
「今日はゲームの調子はどう?」「いいね!」
「どんな動画を見ているの?」
など

どんなことでもいいので、否定しない会話をすることを心がけてください。

息子は否定しない会話を続けたこと、いつでもゲームができるという安心を手に入れたことで、気持ちに余裕ができたようで、イライラすることがなくなりました。

◆心配や不安を手放す

「ゲームやネットをやめなさい!」といわないと、「やめないのでは?」という心配や不安を手放す代わりに、子どもを信じてみること。

もし、困ったことが出てきたら、その都度話し合えば、ほとんどのことは解決できます。

息子は行きしぶっていた塾も、私が「今日は塾だよ」と声をかけておくと、自分からゲームを終わらせて、時間を見て出かけて行きますし、塾の宿題も空いた時間にやっています。

そして1日ゲームやネットばかりでしたが、乗り換えアプリで調べてから好きな電車を見に出かけたり、友だちと遊びに行ったり。

このように、学校に行っていた時にはできなかった、自分でその日1日のやることを考えて決めて、調べて行動することで、自主性が育ってきていることを感じます。

世の中に、ゲームやネットが浸透してしまった今。

これらのツールがなくなることはないと思います。

子どもたちは、今のようなゲームやネットの世界で生きていかなければなりません。

この2つを使いこなせるようになっていれば、将来仕事で困ることはないのではないかと思うのです。

使いこなせるようになるには、実践が一番!

時間の制限をしないことで、もちろん失敗も成功もありますが、失敗から学び、成功体験から自信をつけるこの繰り返しで活用できるようになります。

学校をお休みしている時はたくさん実践する時間がありますね。

不登校中は制限をするよりも、ゲームやネットをうまく活用して、お子さんの自主性を育てることを考えてみてもいいかもしれませんよ!

執筆者:渡辺くるり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)

学校をお休みしているときは毎日の親子のコミュニケーションを大切に!
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