暴力的な子がスッと落ち着く!小学校の高学年からでもできる3つの対応とは?

小学校の高学年の子どもが、物を投げるなど暴力的な子になり対応に困っていませんか?暴力的な子のときは「怒り」で発達が未熟な「感情の脳」が暴れています。小学校の高学年からでもできるたった3つの対応で、ニコニコ笑顔を取り戻すことができますよ!

暴力的な子になる小学校の高学年の子どもが怖いママ

我が家には、小学校5年生の自閉症スペクトラム(ASD)グレーゾーンの息子がいます。

息子は、幼いころから相手の気持ちの共感や理解をすることが苦手でした。

小学校に入学してからも、静かにしないといけない場面でおしゃべりが止まりません。

行動の切り替えが下手で、やりたくないことは絶対にやりません。

屁理屈をこねてやりたいことだけをします。

そんな息子を私は自分勝手だと思い、いつも叱っていました。

「帰ってきたらうがい、手洗いをしなさい!」
「よく噛んで食べなさい!」
「家庭学習、何もしてないじゃない!」
「なんですぐに物をなくすの⁉大事にしなさい!」
「明日の学校の準備はしたの?」
「しゃべってばかりいないで、私の話を聴いて!」

息子は小学校4年生から集団行動ができなくなり、冬から完全に不登校になりました。

不登校前から思い通りいかないと癇癪をおこしていました。

不登校後から、癇癪は次第にエスカレートし、暴力的な子になっていきました。

物を投げる。

ハーバリウムや食器、タブレットを床にたたきつけて壊す。

食べていた食事を床にぶちまける。

奇声をあげて狂ったように私やパパをサンダルで叩く。

包丁の刃を向けてくる、などなど…。 

息子の暴力を取っ組み合いで抑え込むこともありました。

何をきっかけに暴力的な子になるのか…。

どのように対応したら息子の暴力は落ち着くのか…。

息子の暴力がこのままもっともっとひどくなっていったらどうしよう…。

私は不安と恐怖で一杯の毎日でした。

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「暴力的な子」になる子どもの脳で起きていること

 ASDグレーの子どもは、生まれつきの個性や特性(一次障害)に対して、息子のように幼い頃から叱られてきて自信をなくしていることが多いです

叱られ体験失敗体験の積み重ねから、不登校やひきこりなどの問題を起こす状態を二次障害と言います。

二次障害の一つとして、「暴力的な子」になることもあります。

脳は大きく2つに分けることができ、内側に本能的な脳があり、ここに「感情の脳」「記憶の脳」があります。

ASDグレーの子は、内側の本能的な脳の発達が遅れやすいと言われています。

外側には理性的な脳があり、「聞く」「見る」「理解する」「考える」などの脳があります。

「考える」脳は発達障害の影響を最も受けにくく、ASDグレーの子でも「考える」脳はよく育つと言われています。

しかし、「考える」脳が早熟な場合、過度に自己主張が強くなり反抗性の二次障害である「暴力的な子」になりやすくなります。

そして、暴力的な子になっているときは、「怒り」で発達が遅れがちな内側の本能的な脳で「感情の脳」が暴れている状態です。

外側の理性的な脳も含め、脳全体がハイジャックされています。

外側の理性的な脳に「聞く」領域があるので、暴力的な子になっているときは、お母さんがいくら叱っても暴力を止めるお母さんの声は聞こえていません。

叱っても諭しても、むしろ、「また、やってしまった!」「また、叱られた!」とますます自信を失うだけです。

暴力的な子にならないためには、脳に声が届く落ち着いているときに、3つの対応することが大切です。

小学校の高学年は、この3つの対応によって、暴力的な子になることを防ぐことが十分に可能な時期です。


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暴力的な子に小学校の高学年からでもできるたった3つの対応

小学校の高学年からでもできる対応とは次の3つです。

対応1.当たり前の行動を実況中継で伝える。

対応2.行動を始めたときに一番褒める。

対応3.できていない行動や困った行動は見て見ぬフリ。

では、具体的に見ていきましょう!

対応1.当たり前の行動を実況中継で伝える。

「実況中継」いま目の前の子どもがしている行動に注目して、見たままを言葉にする対応です。

今できている当たり前の行動に注目します。

大げさな行動でなくていいのです。

「起きてきたんだね」
「ご飯たべてるね」
「歯磨きするんだ」
「着替えるんだね」

と実況中継のようにシンプルに伝えます。

明るく笑顔で実況中継をしましょう。

子どもは、ママやパパが自分に注目し認めてくれていると感じられます。

これは、褒められているのと同じです。

実況中継の時に、ただ単に「偉いね」「すごいね」「かっこいいね」などの褒める言葉だけを伝えることは控えます。

何の行動が褒められているのかわからないからです。

伝えるとしたら、行動とセットで「一人で起きてきたんだ!すごいじゃん」などと伝えるようにしましょう。

対応2.行動を始めたときに一番褒める

行動を始めたときに一番褒めましょう。

始めなくても「やろうとしたら」褒めていいのです。

やってはいけないことは、100%できたときにだけ褒めることです。

“完璧にできたことが大事”という裏メッセージが伝わってしまうからです。

また、100%できたことを待っていると、最後までやり抜くことが難しいASDグレーの子どもでは、褒めるチャンスを逃してしまいます。

例えば、「わぁ!〇〇くん、お風呂に入るんだ!」と行動を始めるときに、高めのテンションで驚いたり、喜んだり、OKサインなどを出してあげましょう。

対応3. できていない行動や困った行動は見て見ぬフリ

朝起きてこない、学校に行かない、テレビやYou Tubeばかりをみている、着替えない、癇癪を起こしているなど、できてない行動や困った行動はスルーします。

ママはイライラオーラを出さずにひたすら気づかないフリをして、普段どおり機嫌よく過ごしましょう。

そして、行動を始めたり、困った行動をやめたら、すかさず対応1です。

「着替えるんだね!」「ご飯食べるんだ」と始めた行動に注目してあげましょう。

我が家はこの3つの対応で、暴力的な子だった息子の激しい暴力が3ヶ月ほどで落ち着きました。

ニコニコとした笑顔のかわいい男の子になりました。

暴力的な子の対応に困っているお母さん。

小学校の高学年からでもできる対応3つを実践してみませんか?

暴力的な子が次第に落ち着き、家庭に笑顔を取り戻すことができますよ。

執筆者:川上陽子
(New Mammy★Schoolリサーチャー)

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