発達障害・ADHD息子の”やらない”、”できない”にイライラしてばかりだった私
「もう5歳だよ?できるでしょ!」
「なんで?みんなはできてるのに、できないの?」
「前は出来たよね?なんでやらないの!」
発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)の息子は、4歳後半から、以前できていたこともやらない。やりたくない!が始まりました。
年少さんではできていた ”一人でお仕度”。
年中さんになってからは 一度もやろうとしませんでした。
さらに、お友だちへの暴言や暴力が始まり、ほとんどの集団活動に参加しなくなってしまいました。
先生からはいつも○○ができませんでした、△△があって困ってますと、悲しいお知らせばかり。
私は、焦りました。
きちんとしつけをしなければ!
この子の未来のために何とかしなければ!
今までできていたんだから、できるはず。
そう思い、できないことを無くそうと、できないことを一生懸命どうにかしようとしました。
その結果、 ことあるごとに、息子が泣くまで問い詰めてしまっていたんです。
もともと息子には発達障害、ADHDの特性として
・じっとしていることが苦手
・怒りっぽい
・トラブルが多い(兄弟や友達)
などの行動がみられました。
そのうえ、今までやれていたことまでもが、できなくなってしまい、
「何でこんな簡単なことができないの?」
「どうしてうちの子だけ?」
毎日、毎日、 感情的に怒っていました。
なんでこんな思いしないといけないの?
もう嫌だ…
ただ、毎日を平凡に過ごしたいだけなのに。
私はもうどうすればいいかわかりませんでした。
失敗経験や怒られる経験が積み重なることで「自分はダメな人間なんだ」と思い込み、悪循環に陥ってしまう
実は、「息子の為に!」と必死になって出来ないことをなんとかしようとしていた私の行動は、息子を良くするどころか逆効果だったんです。
ADHDの特性には、集団生活を送っていく中で、相手をイライラさせたり、怒らせたりしてしまう原因になるものがあります。
そのため、集団生活の場である、学校や園では様々なトラブルに発展してしまうことがあるのです。
例えば、
・思ったことを全て口に出してしまい、友だちとトラブルになる
・忘れ物が多く先生に注意される
・じっとしていられず、席に座れない
結果、学校や園では注意や叱責されてばかり。
わざとやっているわけではないことが理解されず、できない子、問題のある子といったレッテルを貼られることも…。
傷付きやすいという特性も持ち合わせているADHDっ子は、こんなふうに問題児扱いされ続けることで
「自分はダメな人間なんだ」
「どうせ自分なんて」
と傷つき、自信をなくしていってしまいます。
そして、それが反抗的な態度や暴力的な態度を引き起こし、非行や自傷行為など、負のループに陥っていく子どもたちも少なくありません。
私は、先生から注意を受けたことについて、帰り道でも、帰宅してからも、ずーーーーっとお説教を続けていました。
さらに、家に帰ると、
「YouTubeばっかりみない!」
「もう、早く片付けて!」
「今何する時間なの?」
などと小言を浴びせ、気を抜く隙も与えられていなかったのです。
これではいけない。 なんとかしなくては!!!!
〈できていることだけ〉に注目して自信をアップ!!
では、日々の負の蓄積で傷ついてしまい、自信をなくしてしまっている子には、どのように対応すれば良いのでしょうか?
どのような声かけをすれば、自信を取り戻し、行動できるようになるのでしょうか?
それは、褒めてあげることなんです。
これをお伝えすると、こうおっしゃるママがいます。
褒めてあげた方がいいことなんてずっと前から分かってる。だけど、できないんです。なぜなら、うちの子、褒めることがないんです…
…とっても分かります。
私も同じでした。
こんなふうに考えてみてください。
「 褒める = 肯定する = できていることを伝える 」
褒めるとなると、100点とってすごい! とか
自分でできてえらい!などのイメージがありますが、そうではなくて、今できていることをただ伝えるだけ。
できていることなら、たくさんあるはずです。
例えば、朝。
・起きてきたね
・椅子に座れたね
・ご飯食べれたね(1口でも)
・歯みがきしているね
スポーツの実況中継を思い浮かべてみてもらえると分かりやすいかもしれません。
いつも当たり前にできていることを口に出して肯定して、脳に届けるのです。
なぜ、当たり前にできていることをわざわざ伝えるのか?
それは、自信を無くしてしまった背景を考えると分かりやすいです。
本人からすると、 さぼっているわけでもない、ふざけているわけでもない、わざとではない行動も、 周りからすると、怠慢・わがまま・ふざけているように見えてしまう。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
・頻繁に注意を受ける
・周りに勘違いされやすい
・否定されることが多い
こうして、ネガティブな記憶が蓄積していくことで、「自分はダメな人間なんだ」「どうせ自分なんて」と傷つき、自信をなくしていきます。
だから、必要なのは、できていることを口に出して伝え、「ぼくにも、できていることがたくさんあるんだ!」と気付いてもらうことなのです。
すると、少しずつ、自信を取り戻し、何かにチャレンジしようとする気持ち(土台)もできてきます。
この対応を続けることで、いつも怒ってばかりいた息子は、少しずつ笑顔を取り戻しました。
そして、年長になった今では、1年以上やらなくなっていた ”一人でお仕度” も 私とバトルすることなく、当たり前のように毎日一人でするようになりました。
そしてもちろん、この当たり前にできている”一人でお仕度”にも「お仕度一人でできたね♪」と声をかけています。
いかがでしたか?
うちの子、自信を失くしてしまっているかも…と感じた方は、ぜひ、 〈できていること〉だけに注目して、肯定の声かけをしてみてくださいね。
執筆者:山田こはる
(発達科学コミュニケーション トレーナー)
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