これはイヤイヤ期?癇癪?
自分の思いどおりにならなかったとき、声を荒げて泣き叫ぶ
期待どおりにできなかったと勝手に悲観して、壁や床に頭を打ち付ける
うまくいかないと人を叩いたり蹴ったりする
…このような状態を癇癪と言います。
頻繁に癇癪を起こすお子さんを見て、これは普通のイヤイヤ期なんだろうか?
それとも、ただ一時的に癇癪を起こしているだけなのだろうか?
癇癪が強い子は発達障害と聞いたことがあるけど…?と、お子さんの姿を見てモヤモヤしていませんか?
時間が経てばイヤイヤ期はおさまるはず…と思いながら、激しい癇癪を起こす子どもを前に、どう対応したらいいのかわからず、お母さんも泣きたくなってしまいますよね。
イヤイヤ期と発達障害の見分け方の4つのポイント
イヤイヤ期と発達障害による癇癪の見分けは、大きく分けて4つあります
1.頻度と持続時間
2.トリガー(きっかけ)
3. 親や環境の対応での変化
4.癇癪の強度
癇癪の頻度と発生期間の違い
イヤイヤ期は癇癪が短期間(数か月〜半年)で収束する傾向があり、子どもが成長とともに次第に収まっていきます。
イヤイヤ期の癇癪は、通常は一過性のもので、発生する時間や場面も限られることが多いです。
これに対して、発達的な課題がある場合の癇癪は頻繁に発生し、長期化しやすい傾向があります。
日常的に続き、家庭内や園、学校でも繰り返し観察される場合には、発達支援が必要なサインかもしれません。
ここで注意したいのは、園だけで起こる、または家庭だけで起こる、という場合もあります。
これもお子さんの脳の使い方によるものなので、園や学校では起こっていないからといって安心、というわけでもないのです。
トリガー(きっかけ)の違い
イヤイヤ期は子どもが「自分でやりたい!」という自己主張の欲求や、親や大人からの指示を拒否する場面で癇癪を起こしやすいです。
発達の一環として、自立心が強くなり、「嫌!」という言葉が頻出します。
これに対して、発達的な課題がある場合の癇癪は予測不可能なトリガーで、突然癇癪を起こすことが多いです。
親や環境の対応での変化
イヤイヤ期は親や環境が少し工夫するだけで改善されることが多く、状況や対応方法によって子どもも気持ちを切り替えることができる場面が多く見られます。
これに対して、発達的な課題がある場合の癇癪は通常の対応や環境の工夫だけでは改善が難しく、感情のコントロールが非常に難しいことが多いです。
また、予測や事前の説明があっても 予想外の反応を示すことが多いのが特徴です。
癇癪の強度の違い
イヤイヤ期は自己主張が主で、泣いたり、怒ったりはしますが、数分〜数十分で収まることが多いです。
これに対して、発達的な課題がある場合の癇癪は激しい感情の爆発や、自己抑制の困難さが見られる場合が多く、1回の癇癪が非常に長引いたり、体を叩く、物を投げるなどの強い行動に繋がることもあります。
幼児期のうちに癇癪の対応をしてほしい理由
私は以前、思春期からの育てなおしのメソッドをお母さんたちにお伝えしていました。
今は、思春期の反抗暴言に対応するスキルを幼児期に持ち込み、\幼児期からの/アンガーマネジメントをお伝えしています。
なぜ\幼児期からの/アンガーマネジメントを研究開発したかというと、2つの理由があります。
1つ目は、癇癪はエスカレートしやすく、脳の使い方のクセになるからです。
怒りっぽいお子さんは、思春期になっても怒りで自分の気持ちを表現する方法を選ぶので、家庭でも外でもトラブルが起きやすい。
それを未然に防ぎたいという思いがあるからです。
2つ目は、幼児期の怒りっぽさに対応できず、様子を見ていた結果、思春期になって荒れてしまうお子さんが圧倒的に多いから!
子育ては必ず終わります。
正しい声掛けをすれば、育てにくさは必ず卒業できます。
発達障害の診断がないから、どうにか頑張る…ではなく、幼児期に対応すれば、グレーゾーンと呼ばれる困りごとは卒業できると私は考えています。
私のように、後悔をしてほしくないから、ぜひわが子のチェックから始めていきましょう!
癇癪は定着させない!が絶対です!
癇癪は脳の使い方のクセによって、癇癪の頻度も強さも変化していきます。
ですから、脳の使い方のクセを、癇癪を起こさない方向に変えてあげればいいのです。
脳は同じことを繰り返しますので、まずは癇癪が起きたときに、繰り返しにくくなる対応が必須です。
そのためには、癇癪が起きているときは、とにかくスルーします!
子どもに危険がないか、安全を確保した上で、癇癪に対して何か言ったり、止めたり…ということはしません!
大人が何か対応することで、「癇癪を起こすとママ(パパ)が反応してくれる!」と脳にとって報酬が与えられることになります。
この報酬は脳にとってクセになりますので、絶対に与えてはいけません。
ちょっと考えてみてください。
お水をこぼしたとき、
A.癇癪を起こす
B.どうしようかと考える
いかがでしょう?
いや、Bに決まってるでしょ!と思ったかもしれませんが、ここでAを選択してしまうのが脳のクセです。
そして、癇癪を起こしてしまったときに「水こぼしただけでしょ!?怒らなくてもいいでしょ!!」と大人が反応してしまうことが、脳に報酬を与えることになってしまいます。
報酬を与えたら、脳のルートはより強固になり、また次も同じルートを使う…というループを繰り返します。
報酬を与えない=大人は反応しないということ!と思って、癇癪はスルー対応していきましょう!
執筆者:桜井ともこ
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
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