発達障害・グレーゾーンの子どもは、特別なトレーニングではなく、お母さんと毎日楽しくおしゃべりして遊ぶことで、使える言葉を増やしたり注意力や集中力をつけたりことができます。おうちにある絵本で、みるみる子どもの脳が発達する遊びを紹介します。 |
【目次】
1.発達障害・グレーゾーンの子どもは、困っています
発達障害・グレーゾーンの子どもは、いろいろな困りごとを抱えています。
たとえば、学校の授業に集中できません。机や椅子をガタガタさせてしまいます。周りの友だちに話しかけ遊び出してしまいます。窓の外など他のことに気を取られてしまいます。
誰かに何かを質問されてもうまく答えられません。人の話を聞いているように見えても、ボーッとしてしまいます。人の話を理解できないことが多いので、先生の質問にもうまく答えられません。
まじめに授業を受けていないように見えて注意されることが多く、自信をなくしてしまいます。
また、自分の気持ちを上手に言葉で表現できません。そのために気持ちがもやもやして、癇癪を起こしてしまいます。
嫌だということは言葉で言えなくて、暴言を吐いたり暴力を振るったりしてしまうのです。こうして、上手に言葉を使えないために、お友だちとのトラブルも増えてしまいます。
2.集中力と注意力を上げて、使える言葉を増やしたい!
発達障害・グレーゾーン の子どもの困りごとはたくさんあります。
でも、言葉が上手に使えるようになると、克服できるものがたくさんあります。
たとえば、自分の辛い気持ちを上手に言葉で伝えられれば、癇癪を起こさなくて済みます。
イライラを抑え切れずに暴言を吐いたり友だちに手が出てしまったり、ものに当たってしまいますが、使える言葉が多くなれば、自分の気持ちも説明しやすくなるし、物事の理解も深まります。
人と関わることの苦手さも、言葉が上手に使えるようになれば、乗り越えられることがたくさんありますね。
集中できるようになったら、人の話をじっくり聞けるようになります。注意力が高まれば、落とし物なども少なくなり、ついうっかりという失敗が減っていくのです。
言葉の学習や集中力・注意力をあげるトレーニングをどこかで受けるのも良いでしょう。
でも、どんなに優れたトレーニングでも、週に1回や月に1回などでは足りません。子どもの脳の発達には、トレーニングの「量」が必要なのです。
習い事やトレーニングの先生は、教室にいるときにしか子どもたちと関われません。でも、お母さんは、毎日子どもと一緒にいられます。ですから、お母さんがトレーニングできたら、「量」を確保できるのです。
日常生活の中でお母さんと一緒に楽しく遊びながら上手にトレーニングできたら、子どもの脳はぐんぐん発達していきます。
そこで今回はおうちでできる、絵本を使った遊びをご紹介します。
3.おうちの絵本は、子どもの脳をぐんぐん発達させてくれる優れもの!
まずはお気に入りの絵本を見ながら、お子さんとたくさんおしゃべりしてください。
どのようなことをおしゃべりするか?絵本の中のページを見て、お母さんが質問してあげるのです。
たとえば、
「(この絵の中で)黒いねこはど〜こだ?」
「お店に牛乳は何本並んでいるでしょう?」
「雲はいくつ浮かんでいるかな?」
などです。
絵本のお話を読むだけでなく、1枚の絵として楽しみます。お子さんの様子に応じて、何にするかを決めてください。
なるべく、絵の中の目立たない小さなものを見つけてもらいます。「黒いねこ」などの言葉をはっきり聞かせます。
お子さんは、お母さんが言った言葉を絵本の中から集中して探します。注意深くよく見ないと見つけられないようなものを聞いてあげてください。
子どもはおもしろがってどんどん集中します。細かく散りばめてあるものの数を数えてみるのもおもしろいですよ。
こんな風に発達障害・グレーゾーンの子どもは、お母さんがひと工夫することでどんどん使える言葉を増やすことができます。
お母さんが上手に質問してあげることで、お母さんの言葉を絵の中の絵と照らし合わせて覚えていきます。
お母さんも絵本を見ているので、「何を質問していいか」迷いません。
お母さんと一緒にたくさん遊ぶことで、どんどんお子さんの脳が発達してきます。絵本は小さい子のためだけのものではありません。小学生だってお母さんと一緒に楽しんで良いでのす。
とても簡単にできる楽しい遊びです。ぜひ、やってみてくださいね。
おうちですぐにできる!子どもの脳が発達する楽しい遊びを大公開しています!
執筆者: ここのひなた
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)