【香川県 受験情報】発達障害・グレーゾーンの中学生のママ必読!受験前に知っておきたい内申点の取り扱い

2月には高校入試を控える発達障害・グレーゾーンの中学生を持つお母さん、受験制度について十分理解していますか?この記事を読めば、受験で注意するべき内申点の取り扱いと、通知表を持ち帰ってきたときの子どもへの声かけがわかります!
 

【目次】

 

1.通知表=内申点!あなたの県は内申点重視型?当日一発勝負型?

 
 
もう12月、期末テストや面談は終わりましたか?終業式の日まで残りわずかという学校も多いと思います。
 
 
学期の終わりと言えば…そう!通知表ですよね。
 
 
この通知表、発達障害・グレーゾーンの中学生にとっても悩みのタネですよね。なんといっても、高校受験に関わってきます!
 
 
高校受験は、一般的に当日の入試の結果と、「内申点」と呼ばれる通知表を基にした中学時代の成績で評価されます。
 
 
実はこの内申点が、高校受験の際は超クセモノなんです!
 
 
それは、時代によっても都道府県によっても、内申点の評価が全く異なるから。これは本当に気を付けて把握しておかないと、お子さんの高校選択に大きな影響があります。
 
 
 
 
高校受験は、内申点重視型の県と当日一発勝負型の県があります。
 
 

◆①内申点重視型

 
 
内申点重視型県は、中学1年生の通知表から評価対象になる県もあります。つまり、中学校入学当初から一生懸命勉強して、結果を残してきた子が評価されます。
 
 
反対に、特に男子にありがちな、「部活を引退してからエンジンがかかった」というタイプの子はかなり不利になります。
 
 
特に中学時代に都道府県をまたぐ引越しをする場合は注意が必要です。
 
 
私の大学時代の友人は、中学校3年生の1学期に当日一発勝負型の県から内申点重視型の県に引っ越ししたのですが、転校早々先生方から「内申点が足りないから公立校はキビシイですね」と言われてしまったそうです。
 
 

◆②当日一発勝負型

 
 
当日一発勝負型の県は、文字通り、本番の入試のテスト結果を重視して評価されます。後からの追い上げができるのはいいのですが、中学校1,2年生の頑張りがあまり評価されないのは疑問が残ります。
 
 
内申点の提出は求められているのに、それがどう評価されるのか、受験生である中学生ひとりひとりが理解しているとは思えません。
 
 

2.発達障害グレーゾーンの中学生にとって有利なのはどっち?

 
 
発達障害グレーゾーンの中学生は、発達特性によって、なかなか周囲に評価してもらえないケースがあります。
 
 
例えば、不注意性がある子は授業中にぼーっとしたり、他のことに気を取られたりしがち。それが「授業をちゃんと聞いていない」と授業態度の項目でマイナスになってしまいます。
 
 
また忘れ物が多いと提出物も期限内に提出できず、これもマイナス。
 
 
こういう状況で「テストでは点が取れます!」ならいいんですが、目を覆いたくなる点数なんです…という方がすごく多いんです。
 
 
特に中学校に入学すると教科担任制になります。小学校のときのように、担任の先生による手厚いケアは期待しづらくなってしまいます。
 
 
すべての教科の先生がお子さんに合ったサポートをしてくれるとは限りませんし、先生間の情報共有も不十分かもしれません。
 
 
こういった状況が続いてしまうと、子ども本人はがんばっているのになかなか評価されず、自信を失ってしまうのです。
 
 
こんな発達障害グレーゾーンの中学生でも、あるとき急にスイッチが入るときがあります。
 
 
特に、発達科学コミュニケーションを学んだお母さんが、お子さんに対する声かけを変えたことで、お子さんが自信を取り戻して勉強や学校生活も頑張るようになったケースはたくさんあります。
 
 
ということを踏まえると、発達障害グレーゾーンの中学生は、あとから追い上げが効く、当日一発勝負型の方が有利だということになります。
 
 
私の大学時代の友人も、転校早々「内申点が少ないから公立はキビシイ」と言われて、とてもショックだったと言っていました。
 
 
当たり前ですよね?まだ4月で、受験まであと1年近くある状況です。彼女自身もしっかりやる気はあるのに「厳しいです」なんて…「もうどうでもいい」と思ってもおかしくない状況ですよね。
 
 
 
 

3.内申点重視型の落とし穴

 
 
一方で、内申点重視型にもいい面はあります。
 
 
1年生からコツコツがんばってきた子が評価されます。それ自体はとても大切なことです。中学3年間が評価対象になるので、不公平感も少ないと思います。
 
 
でも、受験勉強という観点からみると、内申点を稼ぐために、本来の学習とはかけ離れたやり方をしなければならないケースが多々あります。
 
 
日本の学校教育は積み重ね型。学習で一度つまづいてしまうと、そこまで戻らなければしっかりとした学力がつかないような構成になっています。
 
 
1年生からコツコツがんばってきた子はいいのですが、問題になるのは後から追い上げたいタイプの子です。
 
 
本来であれば、1つずつ学習を積み重ねて、確実に知識を身に着けていくのに、内申点を確保するためには、今学習している分野もおろそかにはできません。
 
 
内申点は各学期の定期テストの結果が大きく反映されるからです。
 
 
本来の学力を身に着ける積み重ね型の学習と、内申点を確保するために定期テストで点数を取るための学習、2本立てで行う必要があるのです。
 
 
私は大学時代、内申点重視型の県の学習塾でアルバイトしていました。
 
 
今思えば学習障害だったのかもしれないと思うのですが、中学3年生の秋になってもアルファベットが全部書けない子がいました。
 
 
その子の場合、アルファベットの小文字を勉強しながら、テストの点数をとるために教科書をひたすら丸暗記させるしかありませんでした。
 
 
丸暗記と言いつつも、アルファベットが身についていない状態での暗記。かなり非効率的ですし、子どもの負担も大きい。なのに結果にはあまり結びつかない。
 
 
これで本来の学力が身に付くのか?もちろんNoですよね!
 
 
 
 

4.内申制度は時代で変わる~現在の香川県~

 
 
文科省が教育指導要領を改定するように、都道府県それぞれの入試要項は時代とともに変化しています。
 
 
「私の時はこうだったから~」というのが、全く通用しなくなっていることもあるんです!
 
 
教育は人材育成です。時代が変わるにつれて、社会が求めている人材も変わっていきます。教育指導要領や入試要項の変更はその最たるものだと思います。
 
 
私は18歳まで香川県で育ちました。当時の香川県は超「当日一発勝負型」。内申点は入試の点数がボーダーラインで並んだときにしか使われない、というのが、受験生・親・学校の共通認識でした。
 
 
実際にはそんなことはなかったと思いますが、中学校の先生から「内申点がないと大変だぞ!」なんて言われたことはありませんでした。
 
 
反対に「本番までまだ時間はあるぞ!まだまだいけるぞ!」という雰囲気があったように感じます。
 
 
実際、1月の最後の実力テストの結果を待ってから、志望校を最終確定させる子がたくさんいました。みんな最後の追い上げで、志望校をランクアップさせていたのです。
 
 
そんな香川県は、いつの間にか当日一発勝負型から内申点重視型に変わっていました。今の入試要項はこんな風になっています。
 
 

◆令和2年の香川県高校入学試験情報

 
 
※5教科:英・国・数・理・社
※9教科:英・国・数・理・社・音楽・美術・技術家庭科・体育
 
 
●当日の学力検査
1)5教科各50点満点のテストを実施、合計250点満点
2)全員に面接
 
 
●内申点の算出方法
1)中学1年生の9教科それぞれの5段階評価の数字を合算
2)中学2年生の9教科それぞれの5段階評価の数字を合算
3)中学3年生の5教科の5段階評価の数字を2倍して合算
4)中学3年生の実技4科目の5段階評価の数字を4倍して合算
1)~4)をすべて合算して、220点満点
 
 
となっています。
 
 
・内申点が合計220点
・中学1年生から内申点の対象になること
・中学3年生は入試で扱われない実技が4倍になること
 
 
が大きな特徴と言えます。
 
 
中学1年生からしっかり努力して結果が残せる子
受験で必要ではない科目も手を抜かずにできる子
 
 
コツコツまじめなタイプの人材が求められているのではないかと思います。このあたりは、本来の県民性に合っています。
 
 
ただ、発達障害グレーゾーンは、ひらめきや短期的な爆発力があるタイプが多いです。正直なところ、なかなか厳しくなっているなと感じました。
 
 
内申点最大220点が加算されるのです。入試が満点取れても、内申点が足りない、という状況は容易に起こりえます。
 
 
中学生の親御さんは、こういう変化をしっかりと理解したうえで、お子さんと進路の話をする必要があります。
 
 
 
 

5.1ばかりの通知表でも子どものやる気を呼び起こせる!

 
 
内申点にかかわる通知表が、高校受験でとても重要だということは事実です。
 
 
もうすぐお子さんが通知表を持って帰ってきます。もし、1や2がずらっと並んでいたらどうしますか?
 
 
一番大切なのは、通知表の結果が悪かったからといってお母さんが怒らない、ということです。
 
 
通知表は数字で評価されています。子どもも通知表を見れば、結果が良かったか悪かったかは分かります。傷口に塩を塗るようなことは絶対にNGです!
 
 
特に発達障害・グレーゾーンの子どもはネガティブな記憶がなかなか払しょくできず、不安感につながることがあります。
 
 
怒るのもダメ、かといって励ますのも注意。相手は中学生ですから、プライドもあります。だからといって、スルーするのも違います。
 
 
2学期を頑張って過ごして、3学期・受験へとやる気を持って過ごすには、お母さんの声かけがとても重要です。
 
 
お母さんはダメ出しではなく、通知表からよかったポイントをしっかりと子どもに伝えて、自信とやる気を引き出すことに注力してください。
 
 
え~!?うちの子の通知表、褒めるところなんてありませんけど…という方、2学期の評定しか見ていないとうことはありませんか?
 
 
まずは1学期と比較して伸びている点を探して褒めてあげましょう!評定そのものが伸びていなくても、細かい評価の部分で伸びていることもあると思います。
 
 
評定も細かい評価の部分も全然伸びていない…という場合でも大丈夫です。
 
 
2学期は1学期に比べて学習内容は一気に難しくなります。そんな状況で、1学期と同じ評定をキープできているってすごいですよね!
 
 
「2学期って○○が難しかったのによく頑張ったね」と褒めてあげることができます。
 
 
また、評定を評価ではなく「理解度」ととらえたらどうでしょうか?評定が1だった子は、2学期の学習内容についての理解度は1。つまり残り4の伸びしろがあるのです!
 
 
テストも同じです。100点満点のテストで90点とれることはすばらしいことですが、残り10点分しか伸びしろがありません。
 
 
反対にテストが10点なら90点分の伸びしろがあるのです!
 
 
子どもが「評定が1だったから勉強ができない。どうせやってもダメなんだ!」と否定的に捉えてしまっては勉強に対するやる気は起こりません。
 
 
そうではなく、この先の大きな伸びしろの存在を教えてあげることで、やる気を引き出していきましょう!
 
 
また、通知表はついつい評定の数字に着目してしまいますが、評定だけ見るのは絶対にNGです。
 
 
2学期は行事がたくさんありましたから、1つ1つの行事にどんなふうに関わったのかも評価のポイントです。実際に社会に出たら、学校の勉強がモノをいう場面なんてほとんどありません。
 
 
1つの行事を仲間と協力して取り組んで成功させる、コミュニケーション能力や調整能力の方がずっと大切で、社会に出てから役立つ力です。
 
 
むしろ、発達障害・グレーゾーンの子どもの苦手分野でもありますから、特にしっかりほめてあげたいですね!
 
 
担任の先生からのコメントを参考に、
 
「体育祭の準備ですごく忙しそうだったけど本当に頑張ったんだね。先生も~~~って褒めてくれてるよ!」
 
こんな風に家庭での様子とからめて褒めてあげると、お母さんも学校の先生も自分の頑張りをしっかり見てくれていることが分かって自信になります。
 
 
たかが通知表、されど通知表。子どもがやる気を持って3学期を迎えられるような声かけをしていきましょうね!
 
 
通知表についての声かけは、こちらも参考にしてくださいね!
 
 
 
 
–香川県高校入試情報–
香川県教育委員会
【ホームページ】https://www.pref.kagawa.lg.jp/kenkyoui/koko/examination02.html
 
 
執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
 
 
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