夏休み明けの時期、子どもの登校しぶりや不登校に困っていませんか?発達障害・グレーゾーンの子の登校しぶり、不登校対策とは?!子どもにとっての最適な対応とはどんな方法でしょうか? |
【目次】
【アンケート概要】
・調査期間:2019年5月5日〜5月13日
・調査方法:インターネット調査
・対象 :発達科学コミュニケーショントレーナーまたはリサーチャー 42名
1.発達障害やグレーゾーンの子どもが不登校になったら?お母さんの困りごとや悩みごととは
Q.お子さんの行きしぶりについて困りごとや悩みごとがありましたら教えてください。
小学生以上のお子さんで、現在もしくは以前、登校しぶり・不登校を経験したことのあるお母さんに、困りごとや悩みごとを自由に回答して頂きました。その中から多数聞かれた意見を順位づけしてみました。
その他に、家にずっといるので、外とのコミュニケーションが少ない、運動不足が心配などの声がありました。
2.夏休み明けの登校しぶり、親はどう対応すべき?対応方法をご紹介します!
ランキングごとに対策方法をお伝えしていきます!
“学校に行くのは、本当にしんどくて苦痛なんだろうなーと思う。でも、それを変える手立てがなかなか、みつからない。” (小学校中学年、男子)
“理由が1つ2つではないのでなかなかクリアにできない。小さいことが積もっていった結果、もう行きたくないとなるので、こうしたから行けるね、とはなかなかならない” (小学校高学年、男子)
“行きしぶりのとき、脚や頭の痛さを訴える。本人としては実際痛みを感じているのだとは思うが、どうすることもできないのに何とかしてと言われる” (小学校高学年、女子)
“本人的には、みんなと同じように学校に行きたい(けど行けない)状態だったので、居場所がなかったのが辛かったです。
他の子どもたちがとても楽しそうに過ごしているのに、なぜうちの子だけこうなんだろうと、苦しむ姿を見て、私も苦しかったです。子どもに何が起きているのかも分からず、不安でしょうがなかったです”(小学校中学年、女子)
子どもが辛そうにしている姿を見るのはお母さんとしては、とても辛いことですね。子どもがどんなことで悩んでいるのか、何か助けてあげられることはないのか?と悩みますね。
発達障害の子はその特性から、褒められる機会が少なかったり、叱責されたりする機会が多く自信を失いがちです。家庭で自信を回復してあげることがとても大切になります。
発達障害の子どもの場合は、自分の気持ちを言葉でうまく表現できず、悩みごとをうまく話せないことがあります。
お母さんが子どものSOSサインを見逃さず、気持ちを受け止めてあげてください。お母さんはありのままを認め、味方だということを子どもに伝えましょう。
子どものSOSとして、有名なものを以下に挙げます。
しかし、これに囚われずに、お子さんをしっかり観察してあげてください。注目すべきは、 「夏休み前もしくは休み中と、夏休み明けとで、様子が変わったところはないか」です。
子どものSOSサイン例
●急激に元気がなくなる(頭痛、腹痛を訴えるなど)
●食欲がなくなる
●突然、泣き出すことが増える
●イラだちやすくなる
●きょうだいをいじめ始める
●学校の準備を何度も確認する(または長時間に及ぶ)
●部屋にこもる
“子どもが「行きたくない」と訴えたときに、私の方に「またか…」という失望や焦りができてしまい、受容的な対応ができない。どうしても、「学校くらいは行ってほしい」「行ってないと不安」という思いがある。”(小学校低学年、男子)
“行きしぶりや学校を休んだ場合、親としての気持ちがザワザワして落ち着かず、信じたくても未知な不安から信じられない気持ちを抱いていたので、それをクリアする方法を知りたいです。” (小学校中学年、男子)
“癖にならないか心配です”(小学校中学年、男子)
“休ませる場合は皆さんどういう基準をもって休ませると判断を下しているのか知りたい” (小学校低学年、男子)
子どもが学校に行きしぶったとき、子どもの将来が不安になったり、このまま学校に戻れなくなるのではないかと心配になったりしますよね。
しかし、学校に行けない子どもに対して、親が力づくで無理やり行かせようとしても、問題は解決しません。
それどころか、事態を悪化させたり長引かせたりして、親自身も消耗します。発達障害のお子さんは色々なストレスを抱えている場合が多いからです。
ここはひとつ、お子さんとの関わり方や将来への考え方を改めて考え直すチャンスと捉えてみましょう。
休みたくなるほど我慢していたお子さんが、学校に行けるようになったとして、それがゴールでしょうか。
もちろん、学校の中でしか学べないこともあるでしょう。しかし、現代の日本は、「学校に行っていないと社会性や一般常識が身につかないか」というと、必ずしもそうではありません。
知識、経験、仲間を得る場所は、学校だけではないのです。「学校に行く・行かない」ということよりも「将来、社会で自立できる人になる」ために、どういう道(選択肢)を作り出せるか?を考えることが大切です。
芸能人や成功者の中にも、発達障害やグレーゾーンと言われている人は多くいます。つまり、発達障害の特性があっても「好き」を伸ばして、いくらでも自立する道があるということです。
我が子の将来ですから、心配や不安に思うのも当然です。しかし、そこで悲観するのはナンセンス!どういう特性の人がどういう仕事に就いているのか、調べてみるのもアリです。
ちょっと特徴はあるけれど、人よりゆっくりかもだけれど、工夫したり、試行錯誤して、ワクワク生きていける道を一緒に探せるとイイですね。
“発達の特性が、欠点として注意されることが多く、自己肯定感が下がりやすい” (小学校低学年、男子)
“特性がゆえ(注意がそれる、出し抜けに話しはじめる、待てないなど)理解のない担任に叱責されることが重なると行きしぶるのではないかと懸念している” (小学校低学年、男子)
“起立性調整障害について、しっかりと診断をしてくれる病院がない。………結局ただの「サボリ病」としてとらえられる。一般の内科でも、学校でも、正しい判断ができるようになってほしい” (中学校、男子)
“ 友達とのトラブルがある。本人もだんだん全て話したがらない” (小学校中学年、男子)
定型発達のお子さんにとっては「問題」でない学校の環境が、発達障害を持つお子さんにとっては過ごしにくく、環境が原因で登校しぶりや不登校になることもあります。
学校の先生に理解を得ることで、環境が改善される場合もあります。お母さんが動き出すことで、改善されることもありますので、こちらを参考にしてくださいね。
“仕事をしているときに、突然の学校を休みたいという希望に対応できず、子どもを怒ってしまったり、自分も悩む” (小学校中学年、男子)
“自分が仕事を多くは休めなかったので、余裕をもって対応してあげられないこと (小学校低学年、女子)
“朝、登校直前のタイミングで、急にグズッたり、癇癪を起こすことが多い。出社前で私自身に時間がないときは、十分な対応ができない場合もあり、モヤモヤしながら出社しています。もう少し早い段階で気持ちを聞ける方法を探しています”(小学校低学年、女子)
朝に急な登校しぶりや不登校があっても、お母さんはなかなか仕事を休めません。お子さんへの対応に余裕がなくなり、お母さん自身がイライラしてしまうことがありますね。
お母さんのストレスをうまく解消していくことが大切になります。無理をせず、ときには第三者を頼るなどして、自分のケアも心がけてくださいね。
実際のその場になったら、対処法と言っても難しいところですが、開き直って職場の同僚や上司に相談してみるのも良いでしょう。
もちろん、「子どものことで大変だから、周りの人たち理解してよ!」という態度ではダメですが、日頃一生懸命仕事に取り組んでらっしゃるお母さんですから、周りの理解も得られるかもしれません。
筆者の場合は、「お母さんお仕事があるから、何時までだったら付き合えるよ」と最初から子どもに伝えて対処していました。
あらかじめ、学校に電話する時間などを考慮して少し前にリミットを設定し、その時間までに気分があがらなかったら、休ませていました。
このルールにしてからは、私自身がストレスを抱えること、仕事に遅刻することが劇的に減りました。
そのルールで運用する前は、修羅場でした。朝迎えに来てくださった学校の先生に子どもを任せて、そのまま出勤することもありました…。
お子さんに寄り添うのも大事ですが、お母さんがストレスを抱えないルールづくりも大事ですよね。お母さんの心の安定がお子さんの安心、安定につながります。
“いやだと暴言を吐いたり暴力的になる” (小学校低学年、男子)
“時間になっても起きてこない。キレて、おこる。叫ぶ。支度は全くしない” (小学校高学年、女子)
発達障害・グレーゾーンの子は、感情のコントロールや感情表現が苦手な場合があります。
自分の思い通りにならないこと、嫌なことがあったときに、どうしてもうまく表現できないため、暴力的になってしまうことがあります。また、小学校の高学年から、早い子は思春期に入ることも。
思春期の子どもは「命令や指示」が大嫌い!お母さんが家の中でできるコミュニケーションをマスターすれば、発達障害・グレーゾーンの子の暴言に手を焼かずに、毎日を過ごすことができますよ!
こちらは、「暴言、暴力、抵抗が激しい」と同率で5位となりました。
“全てがネガティブで、こちらも振り回されこちらも鬱々してくる” (小学校低学年、男子)
“前日の夜、頭が痛い、お腹が痛いというとき、だいたい翌日の朝『学校に行きたくない』とごねる。(渋っていても、だいたいは登校している)” (小学校高学年、男子)
発達障害・グレーゾーンの子どもたちは、その特性から注意されたり、叱られたりすることが多くなり、自己肯定感が下がりがちです。
まず、お母さんが子どもの特性を理解して、子どもの存在を認めてあげましょう!苦手を克服することではなく、得意分野・才能を伸ばしてあげましょう。
お母さんが毎日褒めてあげることで、お子さんの自信は回復します。
⒊ まとめ
いかがでしたか。今回はランキングにしてお母さんの困りごとをお伝えしました。
小学校、中学校という集団での生活は、発達障害やグレーゾーンの子どもにとっては重荷になったり、ストレスになったりします。
そのストレスで、発達障害やグレーゾーンの子どもの持つ可能性が潰れてしまわないように、お母さんができることがあります。
発達障害・グレーゾーンのお子さんに、お母さんができること
①子どもの特性を理解すること
②子どものありのままを認めること(褒めること)
③子どもの得意を伸ばし、将来の可能性を広げること=『居場所』を作ること
④子どもの1番の支援者になること
⑤お母さん自身が一人で抱え込まず、色々な人とコミュニケーションを取ること
お母さんが変われば子どもが変わります。子どもの今を大切にして、未来を創造していきましょう。
執筆者:深井淳子
(発達科学コミュニケーション リサーチャー)
子どもを応援できる親子のコミュニケーションを多数配信しています
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