小学生のお子さんが漢字や九九を覚えられなくて、お困りのことありませんか?1日たった5分で息子のワーキングメモリーを伸ばすことができた、親子で楽しく遊べる方法を4つをご紹介します。
【目次】
1.小学生の息子が漢字や九九を覚えられない
2.記憶とワーキングメモリーとは
3.言語性ワーキングメモリーを鍛える遊び
◆言葉遊び
◆3択クイズ
4. 視空間ワーキングメモリーを鍛える遊び
◆後だしじゃんけん
◆神経衰弱
2.記憶とワーキングメモリーとは
3.言語性ワーキングメモリーを鍛える遊び
◆言葉遊び
◆3択クイズ
4. 視空間ワーキングメモリーを鍛える遊び
◆後だしじゃんけん
◆神経衰弱
1.小学生の息子が漢字や九九を覚えられない
現在、小学生の息子は1年生です。
就学前の知能検査(WISC-Ⅳ)ではワーキングメモリーは88と平均よりやや低めでした。
言語と知覚推理の値も高く、幼稚園では一斉指示も聞け集団行動もスムーズだったため、就学後の学習もあまり心配していませんでした。
しかし就学後、ひらがなやカタカナの書き間違いや、習ったけれど覚えられていない漢字がいくつかあることに気がつきました。
言葉を理解し、見る力があっても、ワーキングメモリーに弱さがあると学習への影響があるということがわかりました。
また、2歳年上の兄が九九の勉強をしているそばで、同じように九九を覚えようと唱えていましたが、なかなか覚えることが難しい状況でした。
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2.記憶とワーキングメモリーとは
記憶とワーキングメモリーについて詳しくお伝えしていきます。
記憶には主に
覚える:目や耳から入った新しい情報を「覚える」
思い出す:すでに覚えている情報を「思い出す」
の2種類があります。
また、ワーキングメモリーは作業記憶ともいわれ、一時的に頭の中に入ってきた情報を、目的に合わせて処理する能力のことです。
わかりやすくいうと、記憶力は1・2・3と耳から聞いた(目から見た)ことを、そのまま1・2・3と覚える能力のことです。
ワーキングメモリーは覚えた1・2・3の数字を使って、例えば
・反対から3・2・1と言う
・真ん中の数字だけを抜いて1・3と言う
・1・2・3を順番に足す
という頭の中で処理する能力のことです。
情報の入り口によって、
言語性ワーキングメモリー:耳から聞いた情報を一時的に覚えて処理する能力
視空間ワーキングメモリー:目から見た情報を一時的に覚えて処理する能力
と分類されます。
小学生で学習する九九は「いんいちがいち」と言葉にしながら耳で聞いて覚えていくため、言語性ワーキングメモリーの力を使います。
一方、漢字は、目で見て形を捉えて書けるように記憶するため、視空間ワーキングメモリーの力を使います。
そのため、小学生のお子さんが九九を覚えることが難しいときは言語性ワーキングメモリーを、漢字を覚えることが難しいときは視空間ワーキングメモリーを鍛える遊びをしていくと良いです。
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3.言語性ワーキングメモリーを鍛える遊び
◆言葉遊び
お母さんがお題の単語を逆さにして子どもに伝え、何の言葉かあててもらいます。
最初は、身近にある単語で
「『しあ』を反対に言うとな〜んだ?」「あし!」
「『アド』を反対に言うとな〜んだ?」「ドア!」
など簡単な2文字の単語から始めてみて、レベルに合わせて徐々に文字の数を増やしていきます。
単語を一時的に頭の中で覚えてから逆さにするので、遊びながらワーキングメモリーを鍛えることができます。
子どもの好きな乗り物、生き物、キャラクターの単語などなんでも応用ができます。
ポケモン好きな息子には「リノルサを反対から言うとだ〜れだ?」「サルノリ!」などとやりとりをすると、「次は?」「もっと出して!」と楽しく遊んでくれました。
また、単語から1文字抜く言葉遊びもおすすめです。
例えば「『サルノリ』から『ノ』をとるとな〜んだ?」「サルリ!」と答えます。
慣れてきたら、子どもが逆さ言葉のお題を出してお母さんが答えるという遊びもいいですね。
◆3択クイズ
子どもの興味のあるお題でクイズを出し、答えを3択から選んでもらいます。
息子の場合はここでも大好きなポケモンに絡ませ
「今から3択クイズを出します。この中でみずタイプは誰でしょう?1サルノリ2メッソン3ピケチュウ」
と伝えると「2メッソン!」と答えてくれます。
なぜ3択がいいかというと、クイズの内容と3択の単語を一度頭の中に留めておき、自分の知っている知識を思い出しながら、その3択から選ぶからです。
そのため、「思い出す」という記憶のトレーニングと、頭の中に留めておいた単語を選ぶという「ワーキングメモリー」のトレーニングになります。
度々、クイズを出していると、そのうち息子からも3択クイズを出してくれるようになりました。
クイズを自分で作ることは、
「(持っている知識を)思い出す」
「(どんなクイズにしようか)考える」
「(考えたクイズを)覚えておく」
「(相手に伝わるようにわかりやすく)伝える」
というたくさんの脳の機能を使うので、最高のトレーニングになります。
楽しいということがより脳の活性化につながるので、子どもの好きなことに関連づけ、親子で楽しく行うことが一番大事です。
そして、頭で考えることと体を動かすことを同時に行うと、さらに効果を高めるため、お散歩しながら、お料理しながらなどの「〜しながら」の言葉遊びやクイズをしてみてくださいね。
4. 視空間ワーキングメモリーを鍛える遊び
◆後だしじゃんけん
「後出しじゃんけん じゃんけんポン」の掛け声に合わせて、お母さんがじゃんけんを出したら、子どもがそのじゃんけんに対してあいこ(または勝つ、負ける)になるじゃんけんを出します。
最初は、同じものであるあいこから始めるとわかりやすいですね。
目で見たじゃんけんの形を一時的に頭の中に記憶し、それに応じたじゃんけんの形を考えて自分の手を動かすため、ワーキングメモリーが鍛えられます。
スムーズに出せるようになったら、次は相手のじゃんけんに勝つじゃんけんを出します。
慣れてきたら、最後は負けるじゃんけんを出します。
普段のじゃんけんでは勝つことを意識しているので、その逆の負けるじゃんけんを出すときは息子も少し考えて出しています。
この考えている時間に、脳が活性化し、ワーキングメモリーが鍛えられます。
テンポを早くしながら何度もじゃんけんを繰り返したり、また「勝ってね」「負けてね」など の指示を次々に変えていくことで、より難しくなるのでおすすめです。
◆神経衰弱
トランプ遊びの一つの神経衰弱では、勝つためには、めくったカードの位置とそこに書かれている数字を覚えておく必要があります。
そして、次に自分がめくるときには、そこに書かれている見えない数字を思い出し、予測しながらそのカードをめくります。
正解することができたら、頭の中からその記憶を消します。
この作業の繰り返しが、ワーキングメモリーのトレーニングになります。
最初はトランプ4枚くらいから始めたり、トランプではなく好きなキャラクターのカード数枚を裏返して「ピカチュウはどこに隠れているかな〜?」などとクイズにすることから始めてみるのもいいですね。
このときの声かけとしては
「よく数字を覚えていたね」
「よくカードの場所を覚えていたね」
「よくカードを見ていたね」
と意識的に伝えることがコツです。
子どもは「自分はカードをよく見ることができた」と気づき、次から注意深くカードを見ることができます。
また「自分は数字や場所を覚えておくことができた」と気づき、意識的に覚えることにもつながります。
これが子どもの成功体験になります。
そして、この声かけを繰り返すことで、最初はなかなか覚えておくことができなかった息子も数ヶ月後にはめくった数字や位置を8割くらい覚えることができるようになりました。
自分の覚えておく力に自信を持つことができ、漢字を覚えることもスムーズになりました。
小学生のお子さんが漢字や九九を覚えられなくて困っているときは、親子で楽しく遊びながら、ワーキングメモリーを伸ばしてあげてくださいね。
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執筆者:菅野 美香
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)