発達障害・グレーゾーンの子どもはその特性から困りごとを抱えがち。今年9月に実施したデータリサーチでは、98.6%のママが子どもに困りごとがあると回答。どのような困りごとがあるのか特性別、学年別に徹底調査しました! |
【目次】
1.発達障害・グレーゾーン子どもの困りごと徹底調査!98.6%の子どもが困りごとあり
2.発達障害・グレーゾーン子どもの困りごとTOP10
◆困りごとは発達タイプによる?
◆困りごとは学年による?
3.お母さんだからできること!お家でできるお子さんの困りごとへの対応
・調査期間:2023年9月8日~9月10日(3日間)
・回答者:パステル総研読者/メルマガ読者、Nicotto!塾生、発達科学コミュニケーショントレーナー・リサーチャー 計214名
・調査方法:インターネット調査
1.発達障害・グレーゾーン子どもの困りごと徹底調査!98.6%の子どもが困りごとあり
2学期も半ばを過ぎましたね。
暑い夏が終わり、少し涼しくなると大人も子どもも疲れが出る時期です。お子さんの様子はいかがですか?
発達障害・グレーゾーンの小学生の子どもたちは、それぞれの特性から日常生活でスムーズにいかないことも多くあります。
お子さんの困りごとに対して、色々と試行錯誤して取り組まれているママたちも多いでしょう。
今回パステル総研では、発達障害・グレーゾーンの子どもの保護者を対象とした、子どもの困りごとに関するデータリサーチを実施したところ、98.6%の回答者がお子さんに困りごとがあると回答しました。
2.発達障害・グレーゾーン子どもの困りごとTOP10
◆困りごとトップ10
自分の子どもに困りごとがあると、お母さんも日々苦労がおありだと思います。
「子どもに困りごと」があると言っても、切り替えができないといった様子から、こだわりがあるといった様子までさまざまです。
困りごとがあると回答された211名に、具体的にどんな困りごとがあるのか答えていただきました。
第1位は「感情のコントロールが苦手・癇癪・パニックを起こす」52.6%
発達障害・グレーゾーンのお子さんが感情のコントロールの苦手だったり、癇癪、パニックを起こすことに困っている方が一番多い結果となりました。本人だけではなく周りも巻き込まれてしまいがちなため、困りごととして目立ちやすいことも推測されます。
第2位は「好きなことだけ集中する」48.8%
この困りごとは、「好きなことだけ集中して、やるべきことをなかなかやってくれない」という状況が想像できます。何かに集中することができるのは良いことですが、「好きなことだけ」というのがポイントなのでしょう。
第3位は「切り替えができない 」48.3%
2位の好きなことには集中するのに、なかなかこちらのして欲しい行動に切り替えができない状況が想像できます。朝の支度、夜の寝る準備、宿題など時間が限られている中で、切り替えが難しいと困ってしまうことになるのではないかと想像できます。
第4位は「母がイライラしてしまう」45.0%
4位にこの困りごとが入っているのは、多くのお母さん方が発達障害・グレーゾーンのお子さんの子育てが思うようにいかずに困られていることが伺えます。
第5位 「嫌なことに取り組めない」43.6%
この困りごとは上位3位と関係する点がありそうです。嫌だと思ったら取り組めないということで感情のコントロールの苦手さも関係しそうです。嫌なことはことはやらないけれど、好きなことだけはやるという裏表の関係、好きなことややっていることから切り替えて嫌なことに取り組むことが難しいという状況では、時間的な前後の関係も想像できます。そんな中4位のママがイライラしてしまう様子が目に浮かんできます。
その他の困りごとをご紹介します。
第6位「片づけられない」43.1%
第7位「不安・緊張が高い」42.7%
第8位「Youtubeをなかなかやめられない」41.2%
第9位 「こだわり・マイルールがある」40.8%
第10位 「ゲームが長い・やめられない」「計画・ダンドリが立てられない」40.3%
「勉強をしない・嫌がる」
「宿題をしない・嫌がる」
「ネガティブ思考・嫌なことがあると長引く」
「言い返す・反抗する・暴言をいう」
「支度が遅い」
「学校に行きたがらない・登校しぶりがある」
など。
以上をまとめると、
多くの困りごとは、一見わがままややる気のなさにも見えてしまうこともありますが、発達障害・グレーゾーンのお子さんにとってはその特性から苦手なことと言えます。
対応がうまくいかないと「言い返す・反抗する・暴言をいう」「学校に行きたがらない・登校しぶりがある」「やる気がない」といった、発達障害・グレーゾーンの二次障害の症状とも取れる困りごとに発展している現状が伺えます。
◆困りごとは発達タイプによる?
さらに、それぞれの困りごとをお子さんの発達タイプ別で詳しく見てみました。
まず、回答者のお子さんの発達タイプの全体の内訳はこちらの通りです。
自閉症スペクトラム(ASD)タイプが32.7%、次いで混合タイプが28.6%、注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプが22.5%、不明が10.2%、定型発達タイプが4.1%、学習障害タイプが2.0%でした。
次にお子さんの発達タイプ別で困りごとのトップ5をご紹介します。
◆自閉症スペクトラムタイプ
自閉症スペクトラム(ASD)タイプでは、第1位「不安・緊張が高い」53.1%と、他の特性タイプの子ども達の1位とは異なる結果でした。
やはりASDタイプの特性とも言える不安が高めであることが大きな影響を与えていることが伺えます。
2位は「切り替えができない」49.0%
3位「感情のコントロールが苦手・癇癪・パニックを起こす」「好きなことだけ集中する」「こだわり・マイルールがある」44.9%でした。
「切り替えができない」と「こだわりがある」「好きなことだけ集中する」というのは、不安が高いために同じ行動・物事を好むという特性と関係している可能性が伺えます。
「感情のコントロールが苦手・癇癪・パニックを起こす」も、安心できない状況に不安が高じて癇癪やパニックを起こすことになっていることが推測されます。
◆混合タイプ
混合タイプでは、第1位「片づけられない」が67.3%でした。
他の特性では上位5位には入っていない困りごとでした。混合タイプには、じっくりと見ることやワーキングメモリなどの苦手さから「片付けられない」という困りごとが多くみられていることが伺えます。
2位は 「感情のコントロールが苦手・癇癪・パニックを起こす」「切り替えができない」「計画・ダンドリが立てられない」61.5%、
5位「好きなことだけ集中する」57.7%でした。
2位「計画・ダンドリが立てられない」も他の特性では上位5位内に入っていない困りごとでした。計画・ダンドリを立てるためには、自分はこうしたいという考える力・思考力が必要となってくるため、高度な力が育っている必要があります。
その力を混合タイプでは求められていて期待通りではないため、困りごととなって目立っていることが伺えます。
◆ADHDタイプ
ADHDタイプでは、第1位は「切り替えができない」で69.4%で7割近くのADHD子どもが抱えている困りごとだということが分かりました。
この困りごとは、また、混合タイプ、自閉症スペクトラムでも2位にランクインしており、特性タイプ別にしても共通して上位に入る困りごとといえます。
2位は「感情のコントロールが苦手・癇癪・パニックを起こす」66.6%
3位 「好きなことだけ集中する」63.8%
4位「片づけられない」58.3%
5位「母がイライラしてしまう」「嫌なことに取り組めない」55.5%
と5位まで55%以上が共通して持つ困りごととして挙げられていました。
特に「母がイライラしてしまう」が上位5位で半数以上が困っていると答えたのは、特性がわかっているのはADHDタイプだけなのも特徴的です。
◆不明・分からない
特性が不明・わからないでは、第1位は「感情のコントロールが苦手・癇癪・パニックを起こす」45.6%とどのタイプでも上位3位以内に入っていた困りごとでした。
2位は「母がイライラしてしまう」44.1%。
発達タイプが不明なことから、お子さんの行動について原因がわからずに「わがままなのではないか」「しつけができていないからではないか」など子どもか自分を責めてしまいがちでイライラにつながってしまっている可能性も推測できます。
3位は 「好きなことだけ集中する」「嫌なことに取り組めない」「不安・緊張が高い」41.2%でした。
特性が不明の場合も他のタイプと共通する困りごとが上がっていました。
◆困りごとは学年による?
次に学年別で困りごとを、見てみましょう。
◆未就学児 30名
1位は「感情のコントロールが苦手・癇癪・パニックを起こす」と未就学のお子さんの60%の困りごとでした。
未就学のお子さんの発達タイプ別の内訳は、
不明・分からない 46.7%、自閉症スペクトラムタイプ 30%、ADHDタイプ10%、混合タイプ13.3%
と、まだ診断が出ていなかったり特性が不明なお子さんが半数近く見られました。
◆低学年 90名
低学年では1位が「母がイライラしてしまう」という困りごとである点に注目したいと思います。
低学年のお子さんの発達タイプ別の内訳は、
不明・分からない33.3%、混合タイプ 27.8%、自閉症スペクトラムタイプ 18.9%、ADHDタイプ 16.66%、定型発達タイプ 2.2%、学習障害タイプ 1.1%でした。
発達タイプが不明・分からないが33.3%と多いことがわかりました。お子さんの特性がまだはっきりしていなかったり、他の発達障害・グレーゾーンの特性があるため、一筋縄ではいかない子育てへの対応に困られ、ママ自身に日々様々な感情が湧き起こり、辛い日々を送られているのではないかと危惧しています。
◆高学年 52名
高学年になると第1位に「ゲームが長い・やめられない」が上がりました。
未就学・低学年では上位に入っていた「切り替えができない」「好きなことだけ集中する」といった困りごとが、高学年になると「ゲーム」という好きなことに変わるようです。
切り替えのできにくさも「長い、止められない」という困りごととして引き継がれている様子が伺われます。
高学年のお子さんの発達タイプ別の内訳は、
自閉症スペクトラムタイプ 30.8%、不明・分からない 28.9%、ADHDタイプ 19.2%、混合タイプ19.2%、定型発達タイプ 1.9%でした。
不明・分からないは未就学では46.7%。低学年では33.3%ですが、高学年では28.9%と割合は減っています。
また高学年では、自閉症スペクトラムタイプが30.8%と不明よりも割合が多いことから、高学年では比較的特性も明らかになっていることが伺えます。
◆中学生 28名
中学生に入り、初めて「嫌なことに取り組まない」が上位に入り、「感情のコントロールが苦手・癇癪・パニックを起こす」が上位3位に入っていませんでした。
中学生になると感情面では小学生の時よりも癇癪やパニックという形での困りごとは減っている可能性もあります。それよりも学校から出る課題などで嫌なことに取り組まないという意思表示が見られている様子が伺えます。
中学生のお子さんの発達タイプ別の内訳は、
混合タイプ39.29%、ADHDタイプ25%、不明・分からない21.4%、自閉症スペクトラムタイプ 14.3%
と発達タイプが不明な割合はさらに減っています。
3.お母さんだからできること!お家でできるお子さんの困りごとへの対応
今回、アンケート結果で、発達障害・グレーゾーンの子どもに関して98.6%のママ達が困りごとがあると感じていることがあることがわかりました。
特に、感情のコントロールをすること、好きなことだけに集中して嫌なことに取り組めないこと、切り替えができないこと、母がイライラしてしまうことに課題を感じていることが明らかになりました。
発達障害・グレーゾーンの子どもたちがその特性から苦手だったり、自然と学ぶことが難しいことなのですが、一見するとわがままにも見えてしまうことなため、対応に困られている状況だと言えます。
苦手とはいえ、全く身につけることができないわけではなく、それぞれお子さんにあった方法で少しずつ伸ばしていくことができるのです!
お子さんの困りごとは、実は、お家でお母さんたコミュニケーションをとりながら対応していくことができるのです。
発達障害・グレーゾーンのお子さんにとっては、学校などの集団生活の中で学ぶよりも、安心できるお母さんとの関係から学ぶ方がより効果的といえます。
「困りごとに対して効果的な解決方法が分かる勉強会や小冊子があれば、参加したり読んだりしてみたいですか?」という質問には、58.3%が「両方やってみたい」、34.8%が「小冊子を読んでみたい」、6.9%が「勉強会に参加したい」と回答されています。
つまり100%のお母さんたちのお子さんの困りごとのために学んでみたいという想いが伝わってきました。
そこで、今回、発達障害・グレーゾーン子どもの困りごとトップ5への、お家でお母さんがコミュニケーションをしながらできる対応方法をNicotto!ライブでお伝えします!
初月は無料で参加できますので、ぜひ覗きにいらしてください!
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執筆者:山田ちあき
(発達科学コミュニケーションリサーチャー、臨床心理士)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー、臨床心理士)