感覚過敏という特性について知っていますか?五感の捉え方が敏感で、受けた刺激に過剰に反応してしまう特性です。本人にしか分からないので他人には理解されにくい辛さがあります。今回は感覚過敏を根本から解決する親子の関わり方についてご紹介します。
【目次】
1.不登校になってから歯磨きをしてくれなくなった息子
我が家には動画大好き、自閉傾向の小学1年生の男の子がいます。
小さなころから歯ブラシを口に入れる事を嫌がって歯磨きに時間がかかっていました。
それでも「歯磨きはするもの」と分かっていたのでいやいやながらも何とか仕上げ磨きに応じてくれていました。
それが小学校入学後、ゴールデンウイーク明けに学校に行かなくなってから歯磨きは断固拒否!口を開けてくれさえしなくなったのです。
始めのうちは無理矢理に歯磨きをさせようとしていましたが、無理強いしても状況が良くなる気配はありません。歯磨きをしてくれない日が続くだけでした。
2.感覚過敏には直接対応しないが鉄則!刺激の受け皿を大きくしてあげよう
感覚過敏という言葉を知っていますか?
視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚の五感と言われる感覚の捉え方が敏感で、感覚から受ける刺激に対して過剰に反応をしてしまう事を言います。
刺激の受け取り方はひとりひとり異なります。本人にしか分からない事だからこそ、周りに理解されない辛さがあります。
それぞれの感覚に関する情報は目、耳、鼻、皮膚、口で受け取りますが、その感覚を刺激として受け取るのは脳です。
感覚過敏は刺激を受け取る脳の受け皿の容量が小さい事によって起こる特性です。
ピーマンが苦手な子に対して、ピーマンを何とか食べさせようとしても本人にとっては受け取れない刺激なので意味がありません。
ピーマンに対する拒否感をあおる結果となります。
感覚過敏には直接対応するのではなく、刺激を受け取る脳の受け皿を大きくしてあげる事が鉄則です。
3.受け皿を大きくするためにママだからできる子どもとの関わり方
やり方は簡単です。
子どもとの毎日のコミュニケーションを変えるだけ!
受け取りたくない否定の声掛けから、受け取りたい褒めの声掛けを増やすだけです。
学校に行かなくなった息子は動画へ逃げるようになりました。動画を辞めさせようとする私の否定的な態度と声掛けが増えたため、歯磨きを以前に増して嫌がるようになったと考えました。
それが発達科学コミュニケーション(発コミュ)の受講を開始して親子の関りの不等式を「肯定の注目 > 否定の注目」に変えていきました。
肯定の注目を増やす関わりをコツコツと続けて2カ月ほどで、動画を見ている息子に私の声が届くようになってきました。
動画を見ている最中にも返事をしてくれたり、動画の内容を話してくれるようになってきました。
声が届くようになった嬉しさから、子どもが反応してくれる度に「嬉しい!」という気持ちを思いっきり伝えるようにしていました。
その間、歯磨きに対しては無理強いせず夜寝る前に歯ブラシを子どものそばに置く事だけをしていました。
すると寝る前に「はい、歯ブラシ」と渡すと何の抵抗もなく自然に歯ブラシを手に取り自分で磨き始めました。
こちらが歯ブラシの準備をしていない時は「歯磨きして寝るよ。歯ブラシ持ってきて」と言うまでになりました。
コツコツと肯定の注目を増やし、子どもが受け取りたい声掛けに変える事で子どもの脳が刺激を受け取る体制に変わり、感覚過敏に対する受け皿が広がったのです。
感覚過敏は本人にしか分からない生きづらさがあります。
根本から直して困りごとを大人に持ち越さない関わりをすることが、子どもたちにとって最高の支援だと思います。
困りごとを大人に持ち越さない一生モノのコミュニケーション術について気になる方はこちら
執筆者:福原かおり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)