起きてもいないことを不安がる・予期不安が強い子どもの心を強くする対策

 

お子さんが起きてもいないことを不安がったり、きっとこうなる、だからダメだと思い込んでいることはありませんか?先のことに希望を持てなくて、見ていて可哀想になってしまいます。不安が強い子の予期不安を和らげる方法をお伝えします。
 

【目次】

1.起きてもいないことを不安がる娘
2.どうしてネガティブな想像ばかりするの?
3.様子見NG!強い予期不安を放置することで起きる問題
4.予期不安をやわらげるお家対応
◆お家では休むことに徹する
◆予期不安の愚痴に付き合う

 
 

1.起きてもいないことを不安がる娘

 
 
私の娘は小学6年生、小5の秋から不登校です。
 
 
診断はついていませんが、不安が強く、先生やお友達の言葉に敏感に反応するタイプです。
 
 
忘れ物のことで何度か注意を受けることが続くと、「また先生に怒られる」とビクビクしています。
 
 
このような起きてもいないことの不安を「予期不安」と言います。
 
 
そんな娘なので、「こんな事を言ったら、こう言い返されるのでは」「どうせ先生は勝手に誤解するんだ」など、起きてもいないことを想像しては不安げな発言を繰り返します。
 
 
 
あまりに不安や心配ばかりするので、可哀想になるくらいです。
 
 
先生のことだけではなく、友達に対しても「こんなこと言われるのでは?」と不安がっていました。
 
 
のびのびとできない学校生活は、娘にとって窮屈でしかないのでは?と親としては心が痛む想いでした。
 
 
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2.どうして予期不安が強いの?

 
 
どうして予期不安が強くなるのでしょう?
 
 
発達障害グレーゾーンのお子さんは思考に偏りがあることが多く、0か100かの極端な発想をしがちです。
 
 
自分の想像だけで、こうしたらこうなるだろうと自己完結します。
 
 
しかもその思考がマイナス思考なことが多いのです。
 
 
これは、脳の特性が原因です。
 
 
 
不安が強いお子さんは、感情に関わる「扁桃体」の機能が活発です。
 
 
脳は元々、不安の感情を取り込みやすい仕組みになっています。
 
 
これは、生まれながらに備わった機能で、不安=危険と認知し、危険から身を守ることで生存することを優先して生き延びてきているからです。
 
 
発達障害グレーゾーンのお子さんは、集団生活で叱られたり、周りと合わせて行動したりすることに苦手を持っています。
 
 
そのため、毎日の学校でうまくいかないことの経験を積むことで、より扁桃体にマイナス思考が定着しやすくなっているのです。
 
 

3.様子見NG!強い予期不安を放置することで起きる問題

 
 
このように失敗体験の強いお子さんを、対応なしで様子を見ているだけではいけないのです。
 
 
失敗の経験ばかりを積んでいくと、ストレスの蓄積により無気力になっていきます。
 
 
子どもは学校で毎日、新しいことを学び、新しい経験を積む環境にいます。
 
 
それなのに無気力になってしまうと、毎日の新しいことへの取り組みがしんどくて仕方なくなります。
 
 
 
その結果、登校渋りや不登校になる。
 
 
昨今、不登校の子どもが急激に増え続けているのも、こういった発達の特性を持った子どもへの対応が見落とされ、子ども達が先に疲れ切ってしまうからなのです。
 
 
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4.予期不安を和らげるお家対応

 
 
毎日の集団生活で蓄積されたマイナス思考は、段階を踏んで少しずつ和らげていきましょう。
 
 
お母さんは焦らずじっくり向き合ってくださいね。
 
 

◆お家では休むことに徹する

 
 
家ではお子さんを徹底的に休ませましょう。勉強も宿題もやらなくてOK。
 
 
習い事はお子さんが行きたいのであれば気分転換になります。
 
 
特に運動は体に刺激を与え、思考がスッキリするので良いと思います。
 
 
習い事によってお子さんが嫌がるのであれば、しばらくお休みしてもいいでしょう。
 
 
学校の先生にも事前に了解を得て、勉強や集団活動において、無理のない環境をセッティングしてあげましょう。 
 
具体的には一時的に宿題の量を減らしてもらったり、集団活動が苦手な子には見学などで対応できるか相談してみるといいですね。
 
 

◆予期不安の愚痴に付き合う

 
 
 お子さんの不安ばかりの愚痴には、このようなパターンでのみ対応してください。
 
 
 「〇〇ちゃんは、そう思うんだね」
 「それで?」「それで?」
 「〇〇ちゃんはどうしたい?」
 
 
 子どもの発言をさえぎったり、お母さんの意見や気持ちを言うことはNGです。
 
 
 聞くに徹する、これです。
 
 
 ついため息をついてしまったり、「大丈夫だって」と励ましたくなりますが、ここはお子さんのため、と我慢してください。
 
 
 
 お母さんは味方なんだという姿勢を貫きましょう。
 
 
 まずはお子さんの心身の休養とストレスを吐き出させることが大事です。
 
 
 ストレスの度合によりますが、目安4ヶ月だと思って始めてみてください。
 
 
 また発達科学コミュニケーションでは、脳に記憶される褒めの型があります。
 
 
 ただ褒めているだけでは、予期不安でいっぱいの脳はポジティブに変換されません。
 
 
 脳が喜ぶ褒め方も並行して実践できれば、お子さんの変化も倍速で良くなるでしょう。
 
 
 ぜひお子さんの未来のためにも、お母さんには「子育てを学ぶ」という新しい挑戦をおススメします。
 
 
 
 
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執筆者:北川明希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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