ご飯やお風呂と伝えてもなかなか行動してくれない!と悩んでいませんか?発達障害の子どもは往々にして切り替えが苦手ですよね。我が家のASD・ADHD混合タイプの息子がさっと次の行動に移れるようになった、切り替え力がUPする声かけを紹介します。
【目次】
1.1日がスムースに進まない息子にイライラする毎日
・「ご飯だよ」「お風呂だよ」と声をかけてもなかなか行動してくれない
・今やっていることから次の行動に切り替えられない
・出かける時間になっても遊ぶのをやめられない
・外出先から帰ろうとしない
こんなふうに、発達障害の子どもを育てていると、時間通りに動いてくれないことが多くイライラしてしまうことが多いですよね。
我が家の4歳の息子は、発達障害・自閉スペクトラム症(ASD)・注意欠陥多動性障害(ADHD)のミックスタイプです。
以前は、
・保育園に行く時間になっても遊びがやめられない
・公園や外出先から帰ろうとすると、帰りたくなくて癇癪を起こす
・お風呂やご飯の声かけをしても、作業を途中でやめられずに始めるまでに時間がかかる
・お風呂に入ったと思ったら、遊びに夢中になってなかなか上がってこない
など、とにかく日々の生活が予定通りにスムースに進まないことにストレスを感じていました。
そんな息子を見て私は、
「このままじゃ時間を守れない子どもになってしまう!」
「保育園で集団生活が送れないのではないか?」
「やるべきことはささっとやれる人になって欲しい」
としつけに必死になっていました。
時にはきつく叱ったり、時には息子のペースに合わせてみようと一緒に遊びに付き合ったりもしましたが、いざ次の行動に促そうとすると「嫌だ」と言われる毎日に疲れ切っていました。
一度息子の機嫌を損ねると気持ちの切り替えも難しく、余計に時間がかかってしまうなんてことも。
実は、発達障害の子どもが切り替えができないのは、わがままではないんです!
発達障害の様々な特性が関係しているので、解説していきますね。
2.発達障害ASD・ADHDの子どもが切り替えられない理由
発達障害の子どもの切り替えの苦手さには、ASDとADHDそれぞれの特性が関係しています。いくつか理由を紹介します。
まず、発達障害の子どもに共通して見られることが時間感覚が希薄ということです。
ほんの一例ですが、
・「あと10分だよ」と言われてその場では返事をしていても実際に10分がどのくらいなのかわかっていない
・やるべきことにどのくらい時間がかかるのか見積もりができないので、時間の逆算もできない
・見通す力が弱いので、1日の予定を理解するのも難しく、決まった時間に行動することが苦手になる
などが挙げられます。
次に、ASDの子どもの場合は、こだわりの強さや一つのことに集中し過ぎてしまう過集中の特性が挙げられます。
基本的に変化が苦手なので「やめられない」「変えられない」「始めらない」ということに繋がってきます。
最後に、ADHDの子どもは衝動性の特性が挙げられます。
ご飯やお風呂といったやるべきことはわかっていても、目に入ったものに興味がそそられてしまうので、すぐに飛びついてしまいます。
結果的に、やるべきことをやらないということになってしまいます。
発達障害の子どもに往々にして見られることですが、感情コントロールの苦手さから状況に合わせて自分のやりたい気持ちを抑えるということも難しくなってきます。
このように、さまざま特性が複雑に絡み合って切り替えができないという問題になって現れています。
ですから頭ごなしに「お風呂に入りなさい!」「さっさと今していることをやめなさい!」と言ってもなかなか子どもには伝わりません。
子どもの特性を理解した上で、上手に今していることをやめられるアシストをしていく必要があるんです。
3.切り替えられるタイミングを手渡してあげよう
では、やめることが苦手な子どもに「やめなさい」と言わずにどうやって上手に次の行動へ導くことができるでしょうか?
それは、今していることを気持ちよく終えられるように子どもの気分を高めてあげることです。
ポイントは、今していることを終えるために、子どもが選びたくなるような選択肢を提示してあげること。
例えば、我が家ではよく、子どもが達成したくなる目標設定をしてキリよくゲームをやめられるようにアシストしています。
「お風呂入る前に頑張ってラスボスまで倒して見ない?」「それかコインを5個ゲットするまで頑張る?」
というようにお風呂に誘う前にワンクッション入れるイメージです!
そうすると子どもは俄然やる気になります。
目標達成するまでは子どものそばに寄り添いながら、達成できたときにハグをしたりハイタッチをしたりして、喜びを一緒に分かち合うと子どもも嬉しくなります。
ここまでしたら終わりにする!と自分で選んでいるので、お母さんに指示されるよりもスッと終えることができます。
最初の方は「あともう1回!」と言ってすんなりやめられないこともあるかもしれません。
しかし、時間や回数を守れなかったとしてもちゃんとやめることができたら「自分でやめられたね!」と褒めてあげましょう。
”あなたは自分でやめられるんだよ!”とお子さんに良い記憶をすり込んでいくイメージでしっかり言葉にしてあげてください。
だんだん自分でコントロールできるようになっていきますよ。ぜひ、お母さんんもお子さんも気持ちよく行動できる声かけにしてみませんか。
切り替え力UPが叶う声かけ術はこちら
執筆者:中井春菜
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)