気が散りやすい発達障害の子どもの「お着替え問題」に効く分解テクとは?

発達障害の子が「着替えが遅い」ことで悩んでいませんか?気が散りやすいADHDの子どもにとって、着替えをサッと終わらせるのは至難の業。ひとつのことに集中力を切らさず、最後までやり通すのが苦手なADHDキッズには分解テクがおすすめです。
 

【目次】

 

1.気が散りやすい発達障害の子どもの「着替えが遅い」にイライラ!

 
 
朝やお風呂の時など、子どもの「着替えが遅い」と悩んだ事はありませんか?
 
 
発達障害グレーゾーンのお子さんに限らず、子育てをしていれば誰もが一度は悩んだことがあるのではないでしょうか。
 
 
1分もあればすぐに終わることなのに「なんでサッと着替えられないの?」と、不思議でしょうがないですよね。
 
 
我が家の発達障害グレーゾーンの息子も、毎日の着替えにとっても時間がかかります。
 
 
目の前にある「おもちゃ」「絵本」それから「テレビの音」「お兄ちゃんの話し声」。
 
 
とにかく目に入ったもの、耳に入ったことが気になり、あっちにフラフラ〜、こっちにフラフラ〜。
 
 
 
 
「あっ!それねー僕知ってるよ!」と放っておくと、いちいち脱線して着替えの中断がとーっても長いです。
 
 
最初は優しく「着替えようね~」と声をかけていたのに、気がつけば「早くして!」ときつい口調になってしまうことも。
 
 
お休みの日ならまだしも、平日の朝の急いでいるときにいつまでも着替えが進まないと、イライラしてしまいますよね。
 
 
同じことを何度も注意しているのに良くならない、繰り返してしまうのには理由がありました。
 
 
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2.発達障害ADHDの子どもの着替えが遅いのはなぜ?

 
 
発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプのお子さんは特に、ひとつのことに集中できず気が散りやすい特性があります。
 
 
例えば、着替えをしている最中に他のことが気になってしまい、着替えの途中で他のことをし始めてしまう…。
 
 
ここにはいくつかの理由があります。
 
 

◆①注意を維持するのが苦手

 
 
発達障害ADHDタイプの特徴の一つ「不注意」は、注意力が散漫で、物事に集中しにくく、忘れっぽい状態を指します。
 
 
そのため、
 
・やりかけのまま放ってしまうことが多く
・周囲に気を取られやすく、
・何をしていたのかさえ忘れてしまう
 
ことがあるからです。
 
 
 こういった困りごとは脳の特性からくるもので、親のしつけとは関係ありません。
 
 
 行動を抑える脳の機能が弱いため、気になったことに衝動的に行動してしまうのです。
 
 
 気が散るものを周りに置かない、見えなくするなど、環境調整で対処することもできます。
 
 
 
 

◆②ワーキングメモリが低い

 
 
そして集中力が続かないケースには、ワーキングメモリの弱さが隠れていることも。
 
 
ワーキングメモリとは作業記憶とも言われ、作業をするために必要な記憶です。
 
 
着替えを完了させるにも手順があります。パジャマを着たままズボンは履けないですよね。
 
 
料理や掃除、計算など、何かする時には「あれをして、次はこれをして」と頭の中で作業をなぞりながら行動します。
 
 
ワーキングメモリが弱いと、情報を整理して覚え、実行に移すことが難しくなります。
 
 
ちょっとした刺激が気になり集中力が切れ、着替えの最中に違うことをしてしまうのです。
 
 
ではそんな気が散りやすい子どもが、サッと着替えられる方法をご紹介しますね。
 
 
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3.気が散りやすい発達障害の子どもがサッと着替える「分解テク」とは?

 
 
子どもが着替えをしていて、ズボンを脱いでストップ右足通して、ストップ…。
 
 
テレビに目がいったり、きょうだいがしていることが気になったり…。なかなか着替えが進まない…。
 
 
気が散りやすいADHDの子は、「着替えてね〜」というざっくりとした声かけではうまくいきません。
 
 
途中で注意が他に向いてしまい行動が進まず脱線してばかり。
 
 
こういうときは、今してほしい行動をひとつずつ分解して伝え、迷わず動ける工夫が必要です。
 
 
そうすることで、「はっ!」と気づき、着替えを再スタートできます。
 
 
 
 
お着替えの場面では、
 
「上と下どっちから脱ぐ?」「上から!いいね!」
 
「もう脱いだの、早い!着るのはシャツが先?それともズボン?」
 
「ズボン何秒で履けるかな?よーい、ドン!」
 
「最後は靴下!右足から?左足から?」
 
 
このような感じで 行動を具体的に「分解」して、ひとつひとつ伝えます。
 
 
子どもが注意をそらさず、最後まで楽しんで行動できる声かけを工夫してみてくださいね。
 
 
ポイントは伝えたことが行動にうつせたら、そのたびに褒めることです。
 
「ズボン履けたね!」
 
「シャツ変えれたね!」
 
「着替えできたね!」
 
ひとつひとつ褒めていくと、「僕、脱いだ服、カゴまで持っていけるよ!」と、プラスアルファのことにも気づき行動してくれるようになっちゃいますよ!
 
 
ママも、子どもも笑顔で「お着替え」を完了して、楽しく一日をスタートしてくださいね!
 
 
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執筆者:広瀬 裕子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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