「子どもが忘れ物が多い」とお悩みの発達障害・ADHDの小学生のママ。つい口出ししてしまう…。でもママが声かけを少し工夫するだけで、ぐっと改善します!さらには先輩ママが実際に実践した忘れ物対策のうち、5つの効果的なテクニックを紹介します。
【目次】
1.発達障害・ADHD傾向の小学生の子どもが「忘れ物が多い」には理由あり!
2.子どもの忘れ物対策には「声かけ」がGOOD!その理由とは?
3.先輩ママが実際に実践した忘れ物対策!5つの効果的なテクニック
1.発達障害・ADHD傾向の小学生の子どもが「忘れ物が多い」には理由あり!
忘れ物の多さが目立つ、発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプの子ども。
特に小学生になると、保育園や幼稚園時代と違って、毎日学校に持っていかなければならない・持って帰ってくる持ち物が増えます。
例えば、こんなことありませんか?
「教科書とノートは準備していたけど、ドリル忘れている!」
「体操着を持っていくの忘れた!」
「連絡帳?書いてないよ!」
「宿題のプリントを持って帰ってきていない!」
などなど。
さらに、筆箱を見ても、明らかに中身が足りません。鉛筆や消しゴムがないことも日常茶飯事。
だから予備はすぐに空っぽ。いくら買い足しても、追いつきません。
ママとしても「今日は忘れ物していないよね?」「何か足りないんじゃ…」と毎日ハラハラして、気になりますよね。

こうした忘れ物の主な原因は、発達障害ADHDタイプにある「不注意」の特性によるもの。この特性が、忘れ物の多さに影響します。
ママと一緒に登校前の準備をシッカリしても、登校後は、自分自身で持ち物の管理をしなければなりません。
しかし発達の「不注意」の特性を持つ子どもには、これがとても難しいことなのです。
登校後の子どもたちの行動を想像してみてください。
・下駄箱で靴をはき替え、教室に移動する
・ランドセルを開け、教科書やノートは机の中へ
・宿題は提出用の箱へ
さらには、ここ数年は、感染症対策として、朝の登校時に、検温表や健康観察のプリントなどの提出がある学校もありますよね。
また、授業が始まると、教科で使う教科書やノートや資料などを机から出したり、ロッカーに取りに行くなど、準備のための一連の行動が伴います。
これらに加えて、日直当番や給食当番があったり…。特別な教材を購入する際には、集金袋の持ち帰りなどもあり、学校内での子どもの行動は、ママが想像している以上に複雑です。
こういった行動一つひとつに「不注意」の特性が作用し、教材を忘れる、連絡帳の書き忘れ、鉛筆・消しゴムの紛失、ノートなどの忘れ物が起きてしまいます。
子どもによっては、「何を」「どんなときに」「どう使うべきか」を理解していない可能性もあります。
こういったことを踏まえて、忘れ物を防ぐ対策を考えてみましょう。
2.子どもの忘れ物対策には「声かけ」がGOOD!その理由とは?
「忘れ物に気づいて、困れば、自然に学習するのでは?」と思うママもいるかもしれません。
でも、発達障害・ADHD傾向の子どもはそうもいかないのです!
なぜなら、発達障害・ADHD傾向の特性を持つ子どもは、忘れ物だけでなく日常のあらゆる状況で、困りごとを抱えています。
自分自身で困りごとを改善する余裕はないのです。
そこでママが、子どものの困りごとにいち早く気づいて、1日でも早く、1つでも多くの困りごとを減らしてあげる必要があります!
そのために、今日からできる忘れ物対策は、ズバリ「声かけ」です!
必要な持ち物、当番などがあるときは、こまめに声かけをして、忘れていたことを思い出させてあげましょう。
例えば「今日の宿題は、漢字プリントだっけ~?」と宿題について、さりげなく思い出させてあげたり、「明日は体育があります!何が必要でしょうか~?」とクイズ形式にして、子どもに答えてもらうなどです。

ここでは、ママがイライラしながら注意するような声かけはしないのが大切です!
子どもが楽しめるように、歌やリズムなどをまじえて声かけをするのもオススメです。
ただし、一度思い出しても、また忘れてしまうことがあります。それでも、忘れたことを責めずに根気強く穏やかに伝えましょう。
そして、鉛筆や消しゴムの予備は十分に用意し、筆箱の中身が足りなければ、補充してあげましょう。
物を無くさないようにしてもらいところですが、「消しゴムが無いよ!どうしよう!」という困り感を減らしてあげる方が先です。
また、体操服なども手に入る機会があれば、家用に予備を持っておくのも1つの対策ですね。
そして忘れ物をしなかった日はたくさん褒めてあげることが大切です!
褒めてあげることで、子どもの「忘れ物せずにできた!」を実感させて、子どもの自信をつけていってあげてくださいね。
3.先輩ママが実際に実践した忘れ物対策!5つの効果的なテクニック
声かけをして、子どもをサポートする。それだけでは足りない、もっと具体的な忘れ物対策のアイデアが欲しい!
そんなときは、ADHD傾向の発達障害やグレーゾーンのお子さんがいらっしゃる先輩ママの知恵や経験が役に立つ場合があります。
先輩ママが実際に試したことのある、これは役に立ったという子どもの忘れ物対策のアイデアを5つ紹介します。
◆①持ち物リストを玄関ドアにかけておく
発達障害の特性のある子どもは、目で見た情報の方が理解しやすい、という特徴があります。
「玄関のリストを見てね」と声かけをプラスすると、忘れ物を減らす効果が上がりますよ。
◆②ファイルケースを使って、教科ごとに棚を仕切る
発達障害の子どもは、整理整頓が苦手な子どもが多いです。
教科ごとに場所を区切ってあげると、出し入れがしやすくなります。子どもも、自分で整理整頓できる力がつきます。
◆③学校で使う「お道具箱」を透明タイプにチェンジ
お道具箱が不透明で、中身の見えないタイプだと「物が見えない=物の存在を忘れる」ことになります。
学校の先生と相談して、可能であれば中身の見える、透明タイプのお道具箱に変えてみましょう。
30cm定規がまっすぐに入るサイズがオススメです。ただし、学校の机に対応するかどうか、事前に確認してくださいね。

◆④教科ごとに、色を決めて目印をつけたり、各教科のセットを写真に撮り、時間割に合わせて掲示する
教科ごとに色を決めて、教科書やノート、時間割表にマスキングテープやペンで印をつけます。
国語なら赤、算数なら青…という風に決めておくと、文字が読みづらいお子さんにも分かりやすいです。
また、発達障害・ADHDタイプの子どもに多いのが、文字より写真の方が記憶に残りやすいという特性があります。
写真と実物を見比べてそろえると、絵合わせのような感覚で準備ができます。
◆⑤プリントや宿題専用のクリアファイルを使う
プリントや宿題を、授業で使う教科書やノートと一緒に入れておくと、すぐに見つけることができずに、提出を忘れてしまいます。
専用のクリアファイルを用意し、すぐに見つけられるようにマスキングテープで目立たせたり、紐を通してすぐに取り出せるように工夫します。
子どもと一緒に作ると、持ち物管理の意識も高まります!
いかがでしたか?ADHDタイプの発達障害傾向の子どもの忘れ物は、ママにとって悩みの種ですよね。
しかし「忘れ物はしてしまうもの」とママが心の準備をして対策すれば、子どもの発達とともに、忘れ物も減っていきます。
できることから実践してみて、我が子に合う忘れ物対策を見つけていきましょう!
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執筆者:渡辺 みゆき
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)