注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプの発達障害、グレーゾーンの子どもは忘れ物がとても多いです。しかし、いくら注意しても、子どもの忘れ物は減りません。どうすればいいの?先輩ママはどのように対策してるの?効果があったアイデアを一挙に紹介します! |
【目次】
1.ADHDタイプの発達障害・グレーゾーンの子どもの「忘れ物」には理由があります!
2.今すぐできる忘れ物対策は「声かけ」!その理由は?
3.先輩ママはこうしている!ADHDタイプの子どもに有効なアイデアを一挙に紹介!
1.ADHDタイプの発達障害・グレーゾーンの子どもの「忘れ物」には理由があります!
忘れ物の多さが目立つ、注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプの子ども。お母さんとしても「今日は忘れ物していないよね?」と毎日ハラハラして、気になりますよね。
例えば、こんなことありませんか?
「教科書とノートは準備したけど、ドリル忘れた!」
「定規を持っていくの忘れた!」
「連絡帳?書いてないよ!」
「リコーダーの宿題があるけど、持って帰ってない!」
「金曜日なのに、体操服を学校に置きっぱなし!」
「定規を持っていくの忘れた!」
「連絡帳?書いてないよ!」
「リコーダーの宿題があるけど、持って帰ってない!」
「金曜日なのに、体操服を学校に置きっぱなし!」
などなど。
さらに、筆箱を見ても、明らかに中身が足りません。鉛筆や消しゴムがないことも日常茶飯事。だから予備はすぐに空っぽ。いくら買い足しても、追いつきません。
こうした忘れ物の主な原因は、ADHDタイプにある「不注意」の特性によるもの。この特性が、忘れ物の多さに影響します。
お母さんと一緒に登校前の準備をシッカリしても、登校後は、自分自身で持ち物の管理をします。しかし発達の「不注意」の特性を持つ子には、これがとても難しいことなのです。

登校後の子どもたちの行動を想像してみてください。
・下駄箱で靴をはき替え、教室に移動する
・ランドセルを開け、教科書やノートは机の中へ
・宿題は提出用の箱へ
・絵の具セットや習字セットなどの大きな物は、ロッカーへ
・ランドセルを開け、教科書やノートは机の中へ
・宿題は提出用の箱へ
・絵の具セットや習字セットなどの大きな物は、ロッカーへ
授業が始まると、教科で使う教科書やノート、プリント、資料などを机から出したり、ロッカーに取りに行くなど、準備のための一連の行動は想像以上に複雑です。
これらに加えて、日直当番があったり、小学校高学年になると、委員会活動も加わります。特別な教材を購入する際には、集金袋を扱います。
こういった行動一つひとつに「不注意」の特性が作用し、教材を忘れる、連絡帳の書き忘れ、鉛筆・消しゴムの紛失、教科書やノート、体操服の置き忘れなどの忘れ物が起きてしまいます。
お子さんによっては、「何を」「どんなときに」「どう使うべきか」を理解していない可能性もあります。こういったことを踏まえて、忘れ物を防ぐ方法を考えてみましょう。
2.今すぐできる忘れ物対策は「声かけ」。その理由は?
お気づきのお母さんも多いと思いますが、忘れものが多いからといって
「忘れ物に気づいて、困れば学習するでしょ?」
は、発達障害の子どもには効果はありません。発達の特性を持つ子どもは、忘れ物だけでなく日常のあらゆる状況で、困りごとを抱えています。自分で困りごとを改善する余裕はないのです。
そこでお母さんが、お子さんの困りごとにいち早く気づいて、1日でも早く、1つでも多くの困りごとを減らしてあげてください。
そのためにすぐできる忘れ物対策は、ズバリ「声かけ」。必要な持ち物、当番などがあるときは、こまめに声かけをして、忘れていたことを思い出させてあげましょう。
例えば「今日の宿題は、漢字プリントだよ」と宿題について思い出させてあげたり、「明日は体育があります。何が必要でしょうか?」とクイズ形式にして、お子さんに答えてもらうなど。お子さんが楽しめるように、歌やリズムなどをまじえて声かけをするのもオススメです。

ただし、一度思い出しても、また忘れてしまうことがあります。それでも、忘れたことを責めずに根気強く穏やかに伝えましょう。
そして、鉛筆や消しゴムの予備は十分に用意し、筆箱の中身が足りなければ、補充してあげましょう。物を無くさないようにしてもらいところですが、「消しゴムが無いよ!どうしよう!」という困り感を減らしてあげる方が先です。
また、体操服、リコーダーや鍵盤ハーモニカも手に入る機会があれば、家用に予備を持っておくのも1つの方法です。
カバンの準備も、お子さんに合わせて一緒に準備してあげるなどのサポートをしてあげてください。
もちろん、忘れ物をしなかった日はたくさん褒めてあげて、お子さんの「できた!」を実感させてあげてくださいね。
3.先輩ママはこうしている!ADHDタイプの子どもに有効なアイデアを一挙に紹介!
声かけをして、子どもをサポートする。それだけでは足りない、もっと具体的なアイデアが欲しい!
そんなときは、ADHDタイプの発達障害やグレーゾーンのお子さんがいらっしゃる先輩ママのアイデアが役に立ちます。もし身近にいらっしゃるなら、聞いてみましょう。
他にも、こんな方法が役に立った!という先輩ママのアイデアを紹介します。

・持ち物リストを玄関ドアにかけておく
発達の特性のある子は、目で見た情報の方が理解しやすい、という特徴があります。「玄関のリストを見てね」と声かけをプラスすると、効果が上がりますよ。
・ファイルケースを使って、教科ごとに棚を仕切る
発達障害の子どもは、整理整頓が苦手。教科ごとに場所を区切ってあげると、出し入れがしやすくなります。子どもも、自分で整理整頓できる力がつきます。
・学校で使う「お道具箱」を透明タイプにチェンジ
お道具箱が不透明で、中身の見えないタイプだと「物が見えない=物の存在を忘れる」ことになります。学校の先生と相談して、可能であれば中身の見える、透明タイプのお道具箱に変えてみましょう。
30cm定規がまっすぐに入るサイズがオススメです。ただし、学校の机に対応するかどうか、事前に確認してくださいね。
・教科ごとに、色を決めて目印をつける
教科ごとに色を決めて、教科書やノート、時間割表にマスキングテープやペンで印をつけます。国語なら赤、算数なら青…という風に決めておくと、文字が読みづらいお子さんにも分かりやすいですよ。
・各教科のセットを写真に撮り、時間割に合わせて掲示する。
ADHDタイプの子どもに多いのが、文字より写真の方が記憶に残りやすい、という特性。写真と実物を見比べてそろえると、絵合わせのような感覚で準備ができます。
・プリントや宿題専用のクリアファイルを使う
プリントや宿題を、授業で使う教科書やノートと一緒に入れておくと、すぐに見つけることができずに提出を忘れてしまいます。
専用のクリアファイルを用意し、すぐに見つけられるようにマスキングテープで目立たせたり、紐を通してすぐに取り出せるように工夫します。お子さんと一緒に作ると、持ち物管理の意識も高まりますよ^^
・でっかいカバンに全教科入れて持っていく!
全教科分の持ち物を持ち運ぶのは重くて大変ですが、全部持って行って、全部持って帰るのがシンプルで分かりやすい。ということで、実践されているお子さんも。「ADHDタイプの男の子あるある」…といったところでしょうか?
いかがでしたか?ADHDタイプの発達障害・グレーゾーンのお子さんの忘れ物は、お母さんにとって大きな悩みですね。しかし「忘れ物はしてしまうもの」と心の準備をして、冷静に対応すれば、お子さんの発達とともに、忘れ物も減っていきます。できることから実践してみてくださいね。
執筆者:渡辺みゆき
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)