発達障害の幼児を持つお母さん、おうちでできそうな発達支援プログラムの情報が容易に手に入る時代になりました。アレンジ次第でもっと発達の効果が高まるのがおうち発達支援の特徴です。この記事ではシールを使った目と手の連携トレーニングをご紹介します。 |
【目次】
1.数字が大好きな発達障害の息子のために。ビジョントレーニングにトライした過去
2.幼児へのおうち発達支援の特徴~大変?楽しい?効果的?~
3.アレンジしたら効果倍増!ビジョントレーンング×目と手の連携トレーニング
1.数字が大好きな発達障害の息子のために。ビジョントレーニングにトライした過去
私には発達障害・自閉症スペクトラムと診断された息子がいます。息子が発達の指摘を受け、診断がおりたのは今から3年前。息子が幼稚園に入園してすぐのことでした。
発達の指摘を受けてから、1か月後に診断が下りるというジェットコースターのような体験。ここまで早いのもなかなか珍しいケースではないでしょうか。
今の日本では、発達の指摘を受けてから、実際に初診や検査・診断にたどり着くには、年単位の月日が必要な場合もあります。そう考えると、息子はとても幸運でした。
ただ、あまりにも期間が短かった上に、私自身は育てにくさを感じていなかったため、息子の困りごとはおろか、得意なことも苦手なことも分からない、まったくゼロの状態で発達支援を始めることになったのです。
そんな手探りの状況からスタートした発達支援ですが、息子が数字好きということがすぐに分かりました。
発達障害・自閉症スペクトラムの特性として、文字や数字、記号に特別な関心を示すことがあり、息子にも当てはまったのです。
息子に数字をたくさん触れさせたい!ということで始めたのが、ビジョントレーニングでした。
この記事では、おうちでビジョントレー二ングを進める中で、一般的な教材からどんどんアレンジを加えていった経験をお伝えします。
アレンジを加えたことで、息子はもっと楽しく、発達の効果的にも一般的なビジョントレーニングの効果以上のものを得ることができました。
どんなアレンジを加えていったのか?について解説します。
トレーニングをする前には必ずこちらをお読みくださいね。トレーニングを取り組むにあたっての姿勢やお母さんの考え方についてまとめています。
2.幼児へのおうち発達支援の特徴~大変?楽しい?効果的?~
数字好きな息子が取り組んでいたビジョントレーニングは、目の眼球の運動を目的として、一般的に数字がランダムに書かれたシートから特定の数字を選び出したり、1から順番に探していくトレーニングです。
正直なところ、当時は息子の目の動き方がよくないなんて一切考えていませんでした。
このシート、1から50まで載ってる!と、あくまでも数字に触れる目的でした。
その後、発達科学コミュニケーションを学ぶなかで、ビジョントレーニングがたくさんのもののなかから必要なものを見つけ出す、探索機能を強化することを知りました。
詳しくはこちらの記事で解説しています。パステル総研オリジナルの教材も無料でダウンロードしていただけます!数字に興味がある子も、ない子も楽しく取り組める教材です。
ただ数字が好きで始めたトレーニングが、こんなにも発達に効果的だったなんて!と驚きとうれしさでいっぱいになりました。
数字が大好きな息子、毎日楽しく取り組んでいたのですが、私にとっては大変なことも。
ビジョントレーニングの教材はたくさんありますが、当時息子が取り組めたのは数字を探すものだけ。あっという間に消費してしまいます。
夜な夜なネットサーフィンを繰り返し、ダウンロードできそうなウェブサイトをチェック。プリンタで印刷する前に力尽き、翌日息子が幼稚園から帰ってくるギリギリで思い出して印刷…というバタバタの生活を送っていました。
ただでさえ、仕事に家事に子育てにフル回転…正直なところ時間的にも体力的にも厳しいときがありました。
発達障害・グレーゾーンで特に幼児のお子さんを育てているお母さんは、皆さん同じなのではないでしょうか?
仕事に家事に子育てに加えて、療育や習い事の送り迎えもあります。でも、まだ幼児だからもっと伸びるはず!もっとなにかしてあげたい!とおうちで頑張っていらっしゃる方も多いでしょう。
当時を思い返すと、私のおうち発達支援の特徴は
・毎日探す時間が短くなっていく。子どもの発達が目で見て分かる
・子どもが嬉しそうで私もうれしくなる
というポジティブな面と、
・準備が大変
・時間がない
というネガティブな面の両方ありました。
効果を感じていたので継続したい一方、準備さえなければ…としんどく思うことが増えていきました。
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3.アレンジしたら効果倍増!ビジョントレーンング×目と手の連携トレーニング
どうにか準備から逃れたい私は、試行錯誤の末、とっておきの方法を編み出しました!
もうネットサーフィンしなくていい!印刷もいらない!と思ったとき、すごく楽になりました。
◆①白い紙と数字のシールとえんぴつを準備
真っ白な紙と、事務用の数字のシールを準備します。シールはどんな大きさでもいいですし、何番まで数字が印刷されているものでも構いません。数字のシールはたくさん種類があります。
お子さんの好きな色で、これぐらいならできそうだな、と思う数字の量のものを選んでください。えんぴつはお子さんが書きやすいものなら何でも構いません。マジックやクレヨンでもOKです。
◆②子どもにランダムに貼ってもらう
お子さんに紙に数字のシールを貼ってもらいます。ランダムであればランダムであるほどいいのですが、息子の場合1から順に一列に並べてしまいました。これだと、次にしたいことができなくなってしまいます。
そこで、私がシールをランダムにはがして息子に渡して、1から順にならないようにしたり、「2は1の右横、3は2の左上、4は3の右下」と指示を出して、その通りに貼ってもらうことにしました。
これだと完全にランダムになりますし、左右上下・斜め上・斜め下の位置関係を習得するのにとても役立ちました。
◆③点つなぎをする
ランダムに貼った数字のシールを1から順に点つなぎしてもらいます。ビジョントレーニングで特定の数字を探し出すことに慣れている子ならスムーズにできます。
点つなぎは数字を探し出す探索機能にアプローチするだけでなく、探し出した場所まで正確にえんぴつを進めなければなりません。このような、目と手が連携する動きは、発達的にとても重要なんです。
専門用語で「目と手の協応」といい、文字を書くなどの学習面だけでなく、掃除や洗濯物たたみといった日常生活のほとんどが目と手の協応で成り立っているぐらい重要なんですよ。
点つなぎは文字を書く前段階として有効ですし、お手伝いをお願いしてもなかなか動かない子でも点つなぎなら「これぐらいやるよ!」と言ってやってくれる可能性が高いです。
慣れてきたら、1から順にではなく、最後から逆につなぐのもおすすめですよ!
息子は年少さんの秋ごろに集中的にこれをやっていました。どんどん数を増やして、1~50の逆つなぎまでできるようになりましたよ!
このように、最初は一般的なビジョントレーニングからスタートした息子ですが、アレンジを加えることによって、
・シールを貼ったりはがしたりする指先のトレーニング
・位置関係の習得
・えんぴつの使い方の習得
・探索機能のアップ
・目と手の連携トレーニング
と、5つの要素を持ったトレーニングにバージョンアップすることができました。
これも、私がいかに楽に、息子がいかに楽しくできるか?と考えて試行錯誤した結果です。
情報社会の今、おうちでできる発達のトレーニングはいくらでも簡単に手に入ります。
お子さんが楽しめそうなものをそっくりそのまま取り組んでもいいのですが、アレンジを加えることによって、どんどん楽に、どんどん楽しく、どんどん効果的になっていきます。
もし、今おうちで発達支援に取り組んでいて、準備がしんどいなと思っていらっしゃるお母さんがいましたら、準備段階から子どもが取り組めないか?とラクする方法を考えていきましょう!
一方で、アレコレ時間をかけてやるのは大変、という方もいらっしゃると思います。目と手の連携を集中的にやりたい!という方は、パステル総研オリジナル教材がありますのでお試しくださいね。
執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)