発達障害・アスペルガータイプの子どもが一方的にしゃべり続けてしまうのには理由があります。しゃべらせない対応ではなく思う存分に語らせる対応をとることで会話のキャッチボールが上手になるヒントをお伝えします。 |
【目次】
1.発達障害・アスペルガータイプの子どもの話し方に疲れてしまう
2.発達障害の子がしゃべり続けてしまう理由
3.マシンガントークはコミュニケーションを伸ばす第一歩!
◆①ママやパパも我が子の世界観に飛び込む!
◆②興味の方向に合わせた外出を家族で楽しむ
1.発達障害・アスペルガータイプの子どもの話し方に疲れてしまう
「あのね」「それでね」「ちょっと聞いてる!?」
なんて言いながら相手の反応は気にせず話し続けるお子さん、いますよね。
興味のあることにまっしぐら!
発達障害・アスペルガータイプのお子さんは、電車、車、恐竜、昆虫、ファッション、工作などなど、自分の興味のあることにはとことん向かっていけます。
興味のあることを話してくれるのは親としてはとても微笑ましく思えるのですが、発達障害・アスペルガータイプのお子さんの場合、しゃべり続けてしまうことで聞いている側にはちょっと負担に感じてしまうんです。
その特徴としては、
・抑揚がなく言葉のスピードやトーンが常に一定
・表情やジェスチャーが乏しい
・空気を読めない発言が多い
・話の内容が細かくこだわりがある
・内容がくどく要点が見えない
・興味があることに対して一方的にしゃべり続け、相手の話を聞かない
・言葉選びが独特
このような独特なしゃべり方のため話が頭に入ってきませんが、子どもはスイッチが突然入ると、熱の入った語りが一方的に始まりずっとしゃべり続けます。
中には深い知識をもっていて、難しい専門用語なども用いて話してくれますが、小難しい話自体におもしろ味を感じず興味を持って聞くことができないですよね。
我が子がそうだとしたら、同じような話を毎日、延々と聞かされることになります。
「また始まった…」
と思いつつ、適当に流している…なんてことはありませんか。
どうやってもこのような話し方が治らず、さすがに疲れてしまいました…。
2.発達障害の子がしゃべり続けてしまう理由
発達障害のアスペルガータイプのお子さんがこのような話し方になってしまうのには、理由があります。
それは、よく言われる、こだわりが強いといわれることと、その裏側。
自分のこだわりの世界の外側にある、一般的な話、テーマのない雑談には興味が持ちにくい、もしくは難しさを感じてしまう側面があるのです。
そのため、会話場面で相手の話していることを自分の中にうまく取り込んで応答したり、相手の話を「うん、うん」とフォローすることが苦手な傾向にあります。
つまり、相手の立場に立って物事を捉えたり話を聞くということが苦手なのです。
その上、自分の興味を大事にしていたり、自分の話の内容にこだわりをもっているわけですから、自分の内面ばかりに意識が向き、相手の言葉や反応を受け取れなくなってしまっているんですね。
そうすると、幼稚園で周りが友達との会話を楽しむような年頃になってきても、逆に会話が弾まなかったり、すれ違ったりする経験を積んでしまいます。
場合によっては、一方的なおしゃべりが続くとどうしてもおしゃべりを中断させてしまうこともあります。
話を途中でやめさせられると子どもにとっては「否定された」と感じてしまい自己肯定が下がってしまい、話嫌いになってしまう…ということもあります。
自信を失い、友達付き合いに楽しさを見出せなくなってしまっていることに気付かず、対応を怠ってしまうとそのまま思春期へと入りより対応が難しくなっていきます。
3.マシンガントークはコミュニケーションを伸ばす第一歩!
では、どのような対応を家庭でしていけばいいのか。
その方向性は、マシンガントークできるぐらいにこだわりのある、興味の深さを伸ばしていこうということです。
具体的には2つ対応があります。
◆①ママやパパも我が子の世界観に飛び込む!
まずは我が子の話を興味をもってよく聞いてあげてください。
具体的には、相槌を打ったり、言葉を繰り返してあげたり、メモをしながら聞いたり。
「あなたの話に興味津々ですよ」という態度を前面に出しましょう。
お子さんの話がマニアック過ぎて、よく話がわからない…ということがあったら、ぜひお子さんにわかるまで質問してください。
大好きな世界観の話ならば、相手にわかりやすく伝えようという気持ちが持ちやすいです。
ぜひ、人に好きなことを語る満足感をたっぷりと味わわせてあげてください。
その満足感が心の安全基地となり、幼稚園や学校で、友達との会話がうまくいかなくても、気持ちを立て直すことにつながります。
◆②興味の方向に合わせた外出を家族で楽しむ
もし、我が子の好きなものに触れに出かけるとなると、ただ興味のある世界に没頭しているだけにはなりません。
出かけるための準備、経路、必要なものの準備などを考え一緒にするだけでも、いつもとは違う脳の部分を刺激し、ポジティブなコミュニケーションにも繋がります。
目的は自分の興味の方向に向かっているわけですから、ワクワクする気持ちでママとの応答を楽しむことにつながると思います。
家庭でのコミュニケーションのきっかけが増えれば増えるほど、今、我が子が興味をもっていること、楽しんでいることをベースに、楽しい会話を広げるチャンスがあります。
発達障害・アスペルガータイプのこだわりは最大の強みに変えられる!と信じて、ぜひ意識してみてください。
執筆者:原しおり
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)