発達障害の子どもの中には、絵が上手に描けない子がいます。我が家の小5の長男も、発達障害ADHD傾向があり、絵が下手ではないのですが芸術的なのか何と言って褒めたらよいか分からないくらい独特な絵を描いていました。しかし、現在は絵が大好きで、だいぶ上手になりましたので褒めるコツをお伝えします。
発達科学コミュニケーション
リサーチャー 高嶋ともこ
【目次】
監修者:吉野加容子
発達科学コミュニケーション創始者/パステル総研主宰/発達科学ラボ代表
脳科学をベースに、発達障害・発達グレーゾーンの子どもの発達支援を専門とする。広島大学教育学部卒業後、東京学芸大学大学院修士課程、慶應義塾大学大学院博士課程で学び、民間企業での脳科学研究、医療機関での発達支援、大学での教育に従事。
15年以上にわたり発達に悩む親子と向き合う中で、「子どもの発達を本当に伸ばすのは、家庭での365日の関わりである」という結論にたどり着く。
病院や学校だけでは支援が届きにくい発達グレーゾーンの子どもたちに対して、家庭で再現できる支援を確立するため、脳科学・教育学・心理学を融合した独自メソッド「発達科学コミュニケーション」を開発。
これまでに数多くの親子の変化を生み出し、“ママが変われば子どもが変わる”という発達支援の新しい当たり前を広げている。
著書に『発達障害とグレーゾーン 子どもの未来を変えるお母さんの教室』『脳を育てる親の話し方』『脳が喜ぶ子育て』など。
1.作品展で感じた不安と気づき。5歳で絵が描けない?
発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)の子どもが描いた絵が下手な時に、なんて声をかけていいか困ってしまうことはありませんか?
我が家にも、小学5年生の発達障害ADHD傾向の子どもがいます。幼少期は、絵が上手ではありませんでした。
例えば、人物の絵は、耳が内側についていたり、人の首がなかったり、肩から手が出ていたり、足がなかったり…このような絵を描いていました。

特に記憶に残っていることは、息子が幼稚園の時の作品展です。1年間、制作した絵や作品がたくさん飾ってあります。
比べてはいけないと頭では分かっていても、飾られている我が子の絵と他の子どもの絵を比べてしまっていました…。
特に、大きな絵だと独特な絵が余計に目立ち5歳になっても絵が描けないと毎年ショックを受けていました。
息子には、「何を描いたの?」と聞き、息子の答えに「そうなんだね。」と答えることくらいしかできず息子になんて声をかけてあげればいいか分からずにいたんです。
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2.ADHDで絵が下手に見えるのはなぜ?5歳でも描けない理由
「5歳で絵が描けない」「ADHDで絵が下手かもしれない」と感じる背景には、発達の流れと脳の特性が関係します。
できないのではなく、まだ育っている途中の力があるだけ。以下のポイントを知ると、見方がガラッと変わります。
◆ 眼と手のチームワークが弱い
見た情報を手の動きに結びつけるのが難しく、線を思い通りに引けなかったり、形をなぞるのが苦手に見えます。ADHDタイプでは注意が揺れやすく、同じ線を継続して描くこと自体が負担になることも。
◆ イメージがつかみにくい
「うさぎを描いて」と言われても、頭の中でうさぎの形を鮮明に思い浮かべにくい子がいます。イメージがぼやけると、絵に落とし込むことが難しくなります。
◆ 指示が抽象的だと迷う
「バナナを描こう」だけだと、一本?房?皮はむく?など条件が定まらず手が止まりがち。描く対象を具体化すると一歩踏み出せます。
◆ 見本を見ても“同じに”できない
形・色・立体の情報処理が追いつかず、見本と自分の手元のズレが大きくなります。ここでも「同じに描くこと」がゴールだと自信を失いやすいです。
◆ 5歳でも描けない?この時期の“つまずきポイント”
- ストーリーや背景を描きたいのに、人物や物の配置が難しい
- 全体と部分のバランスが取りにくく、誇張や省略が増える
- 枚数を重ねるより「短時間で次の遊びへ」になりやすい(ADHD)
結論:「絵が下手」ではなく、脳の育ち方と特性の表れ。具体化と成功体験の積み上げで、必ず前進します。
いずれにせよ、発達障害ADHDの子どもが絵が苦手で上手に描けないのは、脳の発達が未熟な部分があり、脳の発達がアンバランスであることが原因なのです。
弱い部分を少しずつ伸ばせば、絵が苦手で下手だとしても上手に描けるようになるので、安心してくださいね。
3.お母さんの声かけで上達する!絵を褒めるポイントはコレ!
まずは“嫌いにさせない”が最優先。「上手さ」より「楽しさ」と「できた実感」を積み重ねましょう。次の褒め方は、ADHD傾向や5歳のつまずきにも効きます。
勉強も同じですが、嫌いにさえならなければ、後からいくらでも上達させることができます。
今絵が苦手だとしても周りの大人が嫌いにならないような声かけを意識していくことを1番大事にしてください。嫌いにだけにはならないように、あたたかく見守ってあげましょう。
また、絵に限らず、どんなことに対しても言えることですが、褒めることは、完璧に上手にできたときだけではありません。
発達障害ADHDの子どもは、上手くいかないことが多いです。上手くいくまで待って、褒めようと思っていると、褒めるタイミングを逃してしまいます。
褒め逃すことないように途中でも褒めること・肯定することで子どもが発達するチャンスになると考えてくださいね。
自信がつくと、自分で創意工夫することができるようになり、より上手に描くにはどうしたらいいか自分で考えていくことができるようになります。
苦手なことでも、お母さんの声かけ次第で上達したり好きになったりプラスになっていきますよ。
それでは、お子さんが描いた絵を褒める・肯定するポイントをお伝えします。
◆部分的に褒める
「この色が素敵だね!」や「この線がまっすぐだね!」「このお花が綺麗に描けたね!」とお子さんが、描いた絵の中で上手だった部分を見つけて褒めます。
◆興味や関心を示す
「これは、何を描いたの?」「これはどうしてこの色にしたの?」とお母さんが興味や関心があることをお子さんに聞いてみます。お母さんに興味を持ってもらえると、子どもは認めてもらったと感じます。
◆絵から感じた感情を話す
「楽しそうだね!」「ユーモアがあって好きだよ!」「お母さん、この絵が好きだよ!」などお母さんが感じたことを伝えます。
◆完成までの過程を褒める
「最後まで一生懸命描いたね!」「姿勢良く描いているね!」など絵を描いた過程のことを褒めます。
いかがでしたか。今、絵が下手だったり、絵を描くことが苦手な発達障害ADHD傾向の子どもも大人の声かけの次第で、またやってみようとチャレンジする力がつき、その積み重ねが自信になります。
さて、現在の息子はと言うと、絵を描くことが大好きで、だいぶ上手に絵を描けるようになりました。人物の絵は、首や腕、足もある通常の人の絵が描けるようになりました。
好きなアニメのキャラクターを描くことが好きで、より上手く描くには、どうしたら良いか自分で創意工夫をして描いています。
図工の成績で「よくできている」という1番良い評価をもらってくることもありますし、私が思わず感動してしまうような素敵な絵を描いたりすることもあります。
苦手なものほど、お母さんがたくさん肯定的な声かけをしてあげてくださいね。嫌いにさえならなければ、後からいくらでも上達することができますよ。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 5歳になっても絵が描けないのは発達障害の特徴ですか?
5歳になっても絵がうまく描けないと、不安になる親御さんは少なくありません。発達障害や発達グレーゾーンの子は、目と手の協調運動やイメージする力、情報整理の苦手さなどから、絵が苦手に見える場合があります。すぐに「才能がない」と決めつけず、発達の特性として見ていくことも大切です。
Q2.ADHDの子どもが絵を描きたがらないのはなぜですか?
ADHD傾向のある子は、細かい作業への集中が続きにくかったり、「思ったように描けない」と感じやすかったりすることがあります。また、抽象的な指示ではイメージしづらく、「何を描けばいいか分からない」と困っている場合もあります。苦手さの背景を理解し、安心して取り組める関わりが大切です。
Q3.絵が苦手な子にはどんな声かけをするといいですか?
絵が苦手な子には、「上手・下手」で評価するよりも、「描こうとしたこと」や「工夫した部分」に注目して声をかけることが大切です。「この色いいね」「最後まで描けたね」など、過程や挑戦を認めることで、自信につながり、少しずつ描くことへの苦手意識がやわらいでいくことがあります。
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執筆者:高嶋ともこ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)