
発達障害ADHDの年少の息子は、絵が苦手です。絵が描けないというわけではないのですが独特な絵を描きます。息子を傷つけずにどう褒めたら良いのでしょうか。やっぱり発達障害の特性だから仕方がないのでしょうか?
年少・男の子のママ

発達障害の子どもの中には、絵が上手に描けない子がいます。特性で手先の不器用さやイメージの苦手さなどが重なり、同年代の子と比べて「描けない」「下手」に見えることもあります。
この記事では、幼児期の絵の発達段階をわかりやすく説明しつつ、絵が苦手に見える原因や、家庭でできる具体的な工夫をまとめました。原因を理解することで、ママの不安が和らぎ、子どもに前向きに関われるヒントになりますよ。
発達科学コミュニケーション
リサーチャー 高嶋ともこ
【目次】
1.3歳で絵が描けないのは普通?幼児の発達の流れを知ろう
2.絵が下手なのは発達障害?3歳で描けない子に多い原因とは
3.家庭でできる!3歳幼児が絵を描けないときの工夫4つ
1.3歳で絵が描けないのは普通?幼児の発達の流れを知ろう
子どもの絵には、成長に応じた自然な発達のステップがあります。
その流れを知っているだけで「遅れている」と必要以上に不安になることを防げますよ。
・2歳ごろ:ぐるぐる期
ペンを握って線や丸をぐるぐる描く時期。描くことそのものを楽しんでいます。
・3歳ごろ:顔と足が出てくる期
顔の丸に目や口が描かれ、そこから足が生えた「顔だけの人」が登場します。まだ胴体や腕は省略されがち。
・4歳ごろ:体や手足も描けるようになる期
顔に加えて胴体や腕、足が描かれ、人らしさが増します。「家族」や「動物」など複数の要素も出てきます。
・5歳ごろ:物語を描ける期
家族や友達と遊ぶ様子など、ストーリー性のある絵を描けるように。大きさやバランスも整ってきます。
つまり、3歳で顔しか描けない、丸や線ばかりでも自然な流れ。
個人差も大きく、発達凸凹の子はさらに「描きにくさ」を感じる要因が発達特性から出てきてしまうこともあります。
2.絵が下手なのは発達障害?3歳で描けない子に多い原因とは
◆眼と手のチームワーク力が弱い
◆イメージすることが苦手
◆具体的に描くものが分からない
◆見本を見ながら描くとき、眼から入った情報を脳で認識する力が弱い

3.家庭でできる!3歳幼児が絵を描けないときの工夫4つ
子どもが少しずつ絵を楽しめるようになるために、家庭で取り入れられる工夫を紹介します。
①簡単な形から始める
丸や線を描けただけでも褒める。「丸が描けたね」「線が長く描けたね」と声をかけましょう。
②過程をほめる
「色をたくさん選んだね」「最後まで描けたね」と、結果より努力や工夫に注目。
③絵を飾って“見える化”する
冷蔵庫や壁に貼るだけで「大事にされている」と感じ、自信につながります。
④絵以外の表現を広げる
粘土やブロック、塗り絵なども立派な表現活動。絵にこだわらず幅広く経験させてみましょう。

絵が描けない発達障害に関するよくある質問(FAQ)
Q1:3歳で絵が描けないのは発達障害?
A1:必ずしもそうではありません。発達の流れや特性によって個人差は大きいです。3歳はまだまだ未発達なところがあってもいたって問題ありませんが、そのことを周囲の大人が不安に思いすぎると逆に絵を毛嫌いしたり、かえって絵を描かなくなる可能性もあります。
Q2:顔しか描けないのは問題?
A2:4歳ごろに体や手足が出てくることが多いので、焦らず今できていることを大切にしてください。幼児期はまず人の顔を認識する力が大きいです。
Q3:家庭でやってはいけないことは?
- A3:他の子と比べることや、「なんでできないの?」と責めることはやめましょう。挑戦を認める声かけが大切です。
Q4:好きな遊びを伸ばすと絵も上達しますか?
- A4:はい。ブロックや粘土などで「形をつくる感覚」を育てると、絵にも変化が表れる場合があります。形をうまくとらえる力がつくことが絵にも影響してきますよ。
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)