子どもの不安感や攻撃性に悩んだ時の処方箋!アタッチメントを形成し直そう

 

アタッチメントってご存知ですか?子どもの不安感の強さや攻撃性を心配するママは多いですね。発達障害かどうかに関わらずに使えて、親子の関係が深まることで、子どもが落ち着きを取り戻し、サクサク行動するようになる簡単な対応をお伝えします。
 

【目次】

 

1.「アタッチメント」とは

 
 
発達障害・グレーゾーンの子どもの中には、衝動的に手が出るなどの攻撃性が高くなったり、気分が沈み込むような状況になる子がいます。
 
 
これは脳の特性上、不安を感じやすい、ネガティブな記憶が残りやすいということが理由です。
 
 
 
 
そんな不安感の強い発達障害・グレーゾーンの子どもへの対応は色々ありますが、今回は、「アタッチメント」についてお伝えしたいと思います。
 
 
「アタッチメント」という言葉をご存知でしょうか。様々な使われ方をしますが、心理学では心の深い結びつき」「愛着形成」のことを言います。
 
 
赤ちゃんは泣くことで、お腹が空いた、おむつが不快、眠たい、などの要求を伝えます。赤ちゃんが泣くとミルクをあげて、おむつを替える、眠りにつくまで抱っこをする…。
 
 
赤ちゃんの要求にお母さんは四六時中応えます。そういった要求を受け入れてもらえた、愛されているという感覚が、ママ(養育者)との信頼関係へとつながります。
 
 
それが愛着形成、「アタッチメント」です。
 
 
赤ちゃんが家族の顔を見て笑ったり、姿が見えずに泣いたりするのは「アタッチメント」が形成された証とされています。
 
 
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2.発達障害の子はアタッチメント形成不足になりがち

 
 
人間を除く哺乳類動物は生まれて来たらすぐに自分で立ち上がり、おっぱいを探して吸いに行くなど、生きるための行動を自分でできる状態で生まれて来ます。
 
 
生まれた瞬間に自分が頼るべき存在を認識しているのです。
 
 
ところが、人間は生まれてから自分でミルクを飲むことも、歩くこともできません。
 
 
本来は他の哺乳類動物同様に歩けるくらいまでお腹にいてもよいのですが、人間が二足歩行へと進化したたために、骨盤が小さくなり、早めに生まれてくるようになったと言われています。
 
 
早めに生まれてきた分、生きるための行動を自分でできるようになるまで、養育者にしっかり世話をしてもらう必要が出てきます。そこで、「アタッチメント」を築くことで、世話を受けられるようになっているともいわれています。
 
 
 
 
しかしながら、発達障害・グレーゾーンの子どもの中で、特に社会性に困難さを抱える「自閉症スペクトラム(ASD)」傾向がある子どもは、アタッチメント形成が不足しているケースがあります。
 
 
私には6歳になったばかりの自閉症スペクトラムの息子がいます。
 
 
母としての悩みが一番大きかったのは息子が3〜4歳のときでした。なかなか言うことを聞かない、反抗的な態度でこちらの指示に従わないから、叱るばかり。イライラが止まらない…そんな毎日を送っていました。
 
 
 
 
自閉症スペクトラムの傾向があるお子さんは、スキンシップを嫌がる子がいたり、人への興味が薄いという特性が見られるため、意図せずお母さんの関わりが減ってしまう、ということもあるためです。
 
 
元々、脳の特性から不安な気持ちを抱えやすく、また攻撃性が高くなりやすい傾向があることはお伝えしましたが、その上アタッチメント形成が不十分であるとしたら…
 
 
そのこと自体を数値で測ることはできません。
 
 
障害の有無に関わらず、子どもの成長に少しでも不安を感じているのであれば、アタッチメント形成をやり直す、という視点を取り入れてみて欲しいのです。
 
 
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3.超簡単!アタッチメント形成をやり直す方法

 
 
生まれてからもうすでに数年たっている子どもに対して、どのようにアタッチメント形成していけば良いのでしょうか。
 
 
実は、簡単にできる方法が2つあるんです。それは、肯定的な親子の会話スキンシップ。簡単ですが、最も重要な要素と言えます。
 
 

◆①無条件に子どものすべてを肯定する対応へシフト 

 
 
子どもとの関係を深めることが発達を加速させます。そのための一歩が無条件に子どものすべてを肯定することに徹することです。
 
 
数年前、反抗されて叱ってばかりの悪循環を何とかしたくて、私は対応を180度変えてみようと試みることにしました。ほとんどのことには目をつぶり、とにかく褒めて肯定する、これを徹底的にやったんです。
 
 
そうすると、1か月ほどで彼は驚くほど変化しました。あれほどやりたがらなかった着替えなどの身支度を自らするようになったのです。
 
 
これがアタッチメントが形成し直され、子どもとの関係が深まった第一歩でした。
 
 
息子は落ち着きを取り戻し、成長が加速するのを実感したのです。
 
 

◆②スキンシップと楽しい会話 

 
 
スキンシップの効果についてですが、肌と肌が触れ合うことで、脳の中に『オキシトシン』というホルモンが分泌されます。
 
 
これは一体何かというと、 ストレスに打ち勝つことができる、 愛と幸せに満ち溢れた魔法のようなエネルギーです。
 
 
肌と肌の直接的な触れ合いによる皮膚刺激から、こんな素敵なホルモンが分泌されるんです!
 
 
これだけでもスキンシップの効果は大きいですよね。
 
 
我が家では、朝起きたときと寝る前に積極的にスキンシップを取るようにしています。
 
 
まずは朝。一日の始まりとなりますので、とっても大事な時間。
 
 
息子が起きたときには、どんなに急いでいて忙しくてもにっこり笑顔で「おはよう」と言うようにしています。
 
 
「早く起きて!」「何時だと思ってるの!」
 
 
こう言いたくなるのをぐっと我慢し、にっこり笑顔です。
 
 
ちょっとした声がけの工夫も取り入れるとさらに効果大!朝目覚めてイライラしているお母さんの顔を見ると、気分は良くないですよね。
 
 
そして、スキンシップ。「朝のぎゅー」を儀式にしています。
 
 
次に夜。夜も一日の記憶を良いものに上書きする絶好のチャンス。ここでも会話を大切にします。
 
 
寝る前に腕枕をしながら絵本を読みます。
 
 
明かりを消した後も腕枕のまま、今日あった楽しい出来事を話しながら、また明日も楽しいことたくさんあるよね、と会話をしながら、背中をゆっくりさすったり、トントンしたりしながらスキンシップをとります。
 
 
息子が眠りにつくまで体をぴったりくっつけて、手のひらは体のどこかに触れています。そうすると安心して眠りについてくれます。
 
 
6歳になると1人で寝る子も多いとは思いますが、まだスキンシップを積極的に取りやすい時期ですね。
 
 
しかし、小学生でも高学年くらいになってくると、あからさまなスキンシップは難しくなってきます。
 
 
本人も嫌がることもありますよね。その場合には、適度に、さりげない少しのスキンシップでも充分に効果があります。
 
 
例えば、朝見送るときに「行ってらっしゃい!」とポンっと背中をたたいて送り出す。何か嬉しいことがあったら「やったね!」とハイタッチ。
 
 
そんな風に日常の中でさりげなく、でも十分なんです。親子の関係性において安心感を生み出すことができます。
 
 
スキンシップが苦手なお子さんには、予告してから手先や肩を触るなど、本人が嫌がらないところから始めてみてくださいね。
 
 
 
 
肯定的な親子の会話とスキンシップ。たったこれだけで自分は愛されているという感覚が強まり、そのことで安心感と自信が生まれます。繰り返しになりますが、障害の有無に関わらず、アタッチメントは全ての子どもに必要なものです。
 
 
難しく考える必要はありません。簡単シンプル!効果も早い!やってみる価値大です。
 
 
発達障害・グレーゾーンの子どもの対応に悩まれているママには、ぜひ「アタッチメント形成をやり直す」という視点で子どもに対応して欲しいな、と思っています。
 
 
ぜひ一緒に、親子の会話とスキンシップで子どもの成長を加速させましょう!
 
 
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執筆者:瀬名香織
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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