発達障害の子の日記が書けない原因と書き方サポート4選

発達障害の子どもが宿題の日記や絵日記に書くことがないと言って困っていませんか?実は日記がスムーズに書けない原因には発達障害の「苦手」が大きく関係していることも。日記が書けない子にオススメの「書き方」サポート法を、タイプ別に紹介していきます。
 

【目次】

 

1.宿題の日記や絵日記が「書けない!」「書くことがない!」という小学生に悩んでいませんか? 

 
 
小学生になると宿題で出ることの多い日記・絵日記。
 
 
長期休みは、毎日一行日記があるなんていう学校も…!
 
 
そんなとき、子どもが「書くことがない!」と言って全然宿題が進まない。
 
 
様子で机の前で固まっている。なんていうことがありませんか?
 
 
「うちの子はなんでスムーズに書けないのだろう…?」と悩んでいるお母さんも多いですよね。
 
 
 
 
そこで今回は、子どもがなかなか日記を書けない理由と、そのサポート法をご紹介します!
 
 
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2.発達に特性のある子が日記に苦戦するワケ

 
 
宿題として出る日記や絵日記は、ドリルやワークのように答えがなく、取り組むときにどう書こうか考えるところから始める必要があります。
 
 
日記だと毎日つけるように指示がある場合もありますし、絵日記だと文章だけではなく絵も描かなければいけません。
 
 
つまり、一口に日記・絵日記といってもやらなければいけないことがたくさん含まれているのです。
 
 
さらにこの「やらなければいけないこと」の多くが発達障害・グレーゾーンの子どもにとって苦手な分野に当てはまります。
 
 
例えば根気のいる作業が苦手な子どもは毎日コツコツ取り組むというところで、不器用傾向のある子どもは絵を描くところでつまずいてしまう可能性があります。
 
 
このように子どもの苦手が何なのかによって、日記や絵日記が書けない理由は異なります。当然、対応すべき方法も変わってくるのです。
 
 
つまり、発達障害の小学生にスムーズに宿題の日記・絵日記に取り組ませるためには、子どもの苦手を理解して、お母さんがそれに合った対応をしてあげることが必要なんです。
 
 
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3.苦手タイプ別!発達障害の子に効果的な「書き方」サポート法

 
 
ここでは日記が書けない発達障害の子にオススメのサポート法を、タイプ別に紹介していきます。
 
 
日記が書けない子どものタイプは主に、
 
 
①何について書けばいいのか分からない
 
②どう書いたらいいのか分からない
 
③毎日コツコツ書けない
 
④絵を描くことが苦手
 
 
の4つです。
 
 
まずすべてのタイプに共通して、日記の宿題が出ることがわかったらお母さんにしてほしいことがあります。
 
 
それは毎日子どもが遊んでいる様子を何枚かスマホで撮影しておくようにするということです。
 
 
 
 
基本的に日記は「過去にあった出来事を思い出しながら書く」という作業ですよね。
 
 
思い出すためには、そのときの状況をよく観察して覚えておくことが必要です。
 
 
ところが発達障害の子どもの場合、
 
 
・見る力や聞く力が弱いために、十分に観察できない
 
・短い時間でも記憶することが苦手
 
 
というタイプも多く、その日にあった出来事とは言え、なかなか思い出せないことがよくあるんです。
 
 
だから、宿題の日記を書こうとしても「書くことがない!」というようになってしまうのです
 
 
さらに、発達障害の子どもは言葉で聞くよりも、視覚的な情報の方が理解しやすい傾向があります。
 
 
ですから、写真を見せることで日記を書く作業がぐっとスムーズになるのです。
 
 
では順に見ていきましょう。
 
 

◆タイプ①何について書けばいいのか分からない

 
 
これは宿題の日記が書けない発達障害の子どもが一番最初にぶつかる課題ですよね。
 
 
宿題の日記や絵日記はドリル類とは異なり答えがないため、テーマを決めるのが自由という点が子どもにとっては苦手ポイントになってしまうこともあります。
 
 
自分でどんどん自由に発想を展開していくことが好きな注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプの子どもにとっては「テーマが自由」という課題は得意分野です。
 
 
しかし、ルール化されていることの方が得意な自閉症スペクトラム(ASD)タイプの子どもには「テーマが自由」という課題は苦手な分野になります。
 
 
そこでお母さんにやってほしいことは、テーマを見つけるヒントを出してあげることです。
 
 
ここで大事なのはお母さんが楽しい雰囲気を作ってあげること
 
 
発達障害の子どもは苦手なことに取り組むときには、大人の何倍ものエネルギーを必要とします。反対に子どもが「おもしろそう!」と思えば一気にスイッチが入ります。
 
 
写真を見せながら、
 
 
「今日は公園で○○を見つけたよね!」
 
「おうちで○○して遊んだよね!」
 
「○○食べたよね!」
 
 
など子どもがワクワクできるように話してあげましょう。
 
 
また、絵日記の場合は夏休みなど長期休暇に出ることが多く、枚数も少ないですよね。
 
 
あらかじめ旅行などイベントと合わせて取り組むことを決めておくと、書くテーマで困ることがなくなりますよ。
 
 
 
 

◆タイプ②どう書いたらいいのか分からない

 
 
テーマが決まった次の段階です。「書くことは決まったけど、どうやって文章をかけばいいのか分からない」という状態ですね。
 
 
ADHDタイプの子どもは自分の好きなテーマを設定することさえできれば後は自分でスラスラ書いていくことが多いです。
 
 
一方、自分でスムーズに日記が書けない子どもには、テーマを決める手順と同じで、写真を見せながらお母さんがヒントをどんどん出してあげることが必要です。
 
 
ここで1つ注意が必要です。学校では日記を書く際に「必ずそのときの自分の気持ちを書くように」という指導が入る場合があります。
 
 
ASDタイプの子どもは人の話に調子を合わせたり共感するということが苦手な傾向があるため、自分の感想を持つということが難しい場合があります。
 
 
さらにこだわりが強いと「とりあえず楽しかったって書けばいいじゃない」などの親のアドバイスをすんなり受け入れてくれないこともあります。
 
 
ここでお母さんが対応を間違うと、子どもは文章を書くこと自体を嫌いになる可能性があります。
 
 
ですから日記が書けない子どもには
 
 
・感想を持つのが苦手
 
・アウトプットするのに時間がかかる
 
 
という点を頭に置いて、とにかく子どもを待ってあげてほしいのです。
 
 
子どもが話し出したり書き始める前は、脳が発達するとても大事な時間です。ですからお母さんは、絶対に急かさないでくださいね。
 
 
また、文章は5W1Hと言って「いつ」「誰が」「何を」「どこで」「なぜ」「どのように」で書くのが基本ですよね。
 
 
実はこの中で難しいのは「なぜ」「どのように」の部分です。
 
 
なぜなら、他の3つは事実をそのまま書けばいいのに対して、「なぜ」「どのように」は子どもの思考力が必要になってくるからです。
 
 
お母さんが「どこがおもしろかった?」「そっか、なんで面白かったの?」などと丁寧に話を聞いてあげながら、子どもが自分で納得できるような言葉を見つける手伝いをしてあげることが大切ですよ。
 
 
書き終わったら、「自分でちゃんと書けたね!頑張ったね!」と子どもが宿題の日記に取り組めたことをたくさん褒めてあげてくださいね。
 
 
 
 

◆タイプ③毎日コツコツ書けない

 
 
発達障害の子どもは毎日コツコツやるのではなく、気が向いたときに一気に取り組む傾向があります。
 
 
これは見通しを持って行動したり、計画を立てることが苦手だからです。
 
 
お母さんから見れば毎日コツコツやってほしいという気持ちがあるかとは思いますが、「まとめてでもやればいいや」くらいの気持ちで見守ってあげてください。
 
 
ただ、まとめてやるのもなかなかスムーズにいかない場合はお母さんの工夫が必要です。
 
 
例えば週に1回取り組む日を決めておくと、まとめて取り組む量も1週間分で済むため、夏休みの最終日に慌てるということもなくなります。
 
 
「1週間分の出来事を思い出すのが大変」という問題は写真を毎日撮ることで解決できますよ。
 
 
 
 

◆タイプ④絵を描くのが苦手

 
 
これは絵日記の場合に関係してきます。ここでもあらかじめ撮影した写真を活用してください。
 
 
ASDタイプの子どもは不器用な傾向があるため、絵を描くことが苦手な場合が多くあります。
 
一方、ADHDタイプの場合は絵を描くこと自体は苦手でなくても、丁寧に作業することが苦手であるため、雑な仕上がりになってしまうことがあります。
 
 
両方のタイプに共通してお母さんにやってほしいことは子どもの絵にダメ出しをすることは絶対にしないで、できているところをどんどん褒めてあげてほしいということです。
 
 
学校によっては「色鉛筆で丁寧に色を塗るように」なんて指示が出される場合もありますが、これを受けて子どもに「もっと丁寧に描きなさい!」なんて言うのは絶対にNG!
 
 
発達障害・グレーゾーンの子どもはダメ出しされたら、ますますやる気をなくして絵日記に取り組むのを嫌がるようになるだけです。
 
 
できていない部分はスルーして、
 
 
「この部分、難しいのによく描けたね!」
 
「ここ、丁寧に色塗りできたね!」
 
 
子どもが丁寧に取り組めている部分をどんどん褒めてあげてください。
 
 
子どもは褒められると自信がつくため、だんだん自分から丁寧に取り組もうとするようになっていくんですよ。
 
 
また絵だけでなく、文字も同じです。詳しくはこちらの記事で紹介していますのでぜひ読んでみてくださいね。
 
 
 
 
いかがでしたか?
 
 
発達障害の子どもが宿題の日記が書けないことには、様々な脳の特性が関係しています。
 
 
しかしお母さんが適切な対応をすれば、子どもの思考力や伝える力を伸ばし、自信をつけるチャンスになります。
 
 
お子さんに合ったサポートをして、楽しく日記・絵日記に取り組ませてあげてくださいね!
 
 
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またどんな宿題にも使える、子どものやる気を引き出す秘策はこちらでお伝えしていますよ。
 
 
 
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執筆者:森あや
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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