子どもの行動の取りかかりが遅い事でママが苛立ってしまうパターンはあるあるだと思います。特に発達障害グレーゾーンの子がいるママはその特性ゆえ一筋縄でいかないことも多いです。そんな特性を逆に生かし、やる気と行動を引き出した解決法を提案します!
【目次】
1.行動が遅い発達障害グレーゾーンの子にはこんな強みがあるんです
2.ゲームばかりで指示が届かなかった発達障害グレーゾーンの長男の場合
3.お手軽ミッションボードで発達障害グレーゾーンの子も見て行動できる子に大変身!
1.行動が遅い発達障害グレーゾーンの子にはこんな強みがあるんです
1学期も終盤に差し掛かってきましたね。
この春から新しい環境に入った子どもたちもそろそろ慣れてきた頃かと思います。
環境に慣れてきた頃から出てくるのが、早くやってほしいことに限って行動が遅いことから起こる親子バトルです。
特に発達障害グレーゾーンの子をお持ちの家庭ですと、
・何度言っても指示がなかなか伝わらない
・行動が切り替わらずイライラしてしまう
・ささっと取り掛かればすぐ終わることなのに何時間もかかってしまう
などあげればキリがないくらいの困りごとがあると思います。
実は、一見厄介に見える発達障害グレーゾーンの子の特性ですが、見方を変えるとものすごい才能に変化するんです。
以下3つにまとめて紹介しますね!
◆①面白い事や楽しい事ならとことんできる!
本人の気持ちが乗らないことは頑としてやろうともしないですが、
興味のあることなら他の事も忘れて集中する事ができます。
例えば、
・プラレールで立体交差がある複雑なコースを集中してささっと作り上げる
・大好きな高速道路のインターチェンジの名前を暗記している
などです。
どんな子どもでもこの特徴は当てはまりますが、発達障害グレーゾーンの子はその傾向がさらに強く出やすいのです。
◆②得意な能力で苦手な部分をカバーしている!
例えば、聞く力より見る力が発達している子の場合は具体的にこんな特徴をもっています。
・聞いた話はすぐ忘れてしまうが、見たものはいつまでも記憶に残っている。
・あったものがなくなっているとすぐに気がつく。
・全体に出す指示が理解できない時に周りを観察し、同じように行動を取ることができる。
どちらかの力が弱い分、もう片方の力は大人もびっくりするくらいのものを持っているんですね。
お子さんによってはこの話とは反対の聞く力が強い子もいます。
ですから!
自分の子どもを観察して、どちらの力が得意なのか?ママの観察眼が問われます。
◆③少しの頑張りで手に入るご褒美のためなら集中して頑張れる
特に注意欠陥多動性障害(ADHD)の傾向がある発達障害グレーゾーンの子だと、見たもの・聞こえたものすべてに反応してしまい、するべき時になかなか集中できません。
しかし!例外があります。
それは、目の前に欲しい物がある場合です。
手に入れるために一直線で行動し、それ以外は目に入らないし他の事も聞こえなくなります。
特性は生まれ持ったものなので、それを変えたり、完全に無くすことはできないと言われています。
ならば、逆にそれを生かして自分ですべきことをできるようになる方法はないのか?
今回はちょっとした工夫でイライラ・ガミガミから抜け出した我が家の成功談をお伝えしたいと思います。
2.ゲームばかりで指示が届かなかった発達障害グレーゾーンの長男の場合
我が家の長男は、現在小学生2年生となった発達障害グレーゾーンの子どもです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)とわずかに自閉症スペクトラム(ASD)も併せ持っています。
そんな彼が大好きなものはスマホアプリのゲーム。
私から1度借りると、やらなきゃいけないことも忘れて没頭してしまいます。
そして時間がなくなり両親のどちらかかが雷を落とす!
そんな日々が続いていました。
長男のようなADHDの傾向が強い子は、注意が逸れやすく多動や多弁で待つことや静かにしている事が苦手です。
また、
・目に入ったものや聞こえてきた音などいろんなものが気になり1点に集中できない。
・衝動的に思いついたやりたいことをやらずにはいられない。
といった脳の特性を持っています。
だから何かを済ませて欲しい時に限って、
・テレビやゲームがやめられず次のことが始められない!
・何回言っても動き出さずイライラ…ついにはガミガミ!
・早くしなさいと言わない日なんてない
なんてことになってしまっていたんです…。
長男にとってスマホゲームは
「これがあるから日々の学校生活も頑張れる」
と言っても過言でないような存在です。
取り上げてしまうのは簡単だけど、それで行動が改善するとは思えませんでした。
ならば大好きなゲームをご褒美にして、現実でも同じくゲームのように楽しめるもの。
そして、行動し始めが遅い子どもを私自身が叱らなくて済むシステムを作ろう!と考えました。
実践した結果、長男は初日から行動の取りかかりがぐーんと早くなり、
なんと!
今までの半分以下の時間でやるべきことを終えることができたのです。
3.お手軽ミッションボードで発達障害グレーゾーンの子も見て行動できる子に大変身!
長男の強みである見る力を生かして、ボードにして欲しいことを書き出すことにしました。
我が家ではこれをミッションボードと呼んでいます。
ボード作成のために用意したのは、
・100円ショップで手に入るA4サイズのホワイトボード
・黒と赤のホワイトボードマーカーが1本ずつ。
ここに例えば、朝の支度なら起きてから出発するまでに必要なことを箇条書きにします。
・朝食を残さず食べる
・着替えをする
・歯磨きをする
・熱を測ってカードに書く
などですね。
あまりに多いと子どもがやる気を失ってしまいますので、ボードに書く項目は5つくらいまでがおすすめです。
そして全て終えた時のご褒美も一緒に設定して書いておきましょう!
我が家の場合は、ミッション完了後はスマホの貸出OKにしました。
他にも、例えば大好きなおやつや夕食に好きなメニューを指定できるなど。お子さんそれぞれで嬉しいご褒美は違うと思います。
本人がやる気になれるもので、かつママが無理せず用意できるものを普段の様子や会話の中で決めていくと良いと思います。
さて、準備が整ったら
「ママ、面白い遊び思いついちゃたんだ〜♪」
と笑顔でボードを見せます。
子どもから何かの要求が出たタイミングでそれをご褒美にミッションを発動させるのもおすすめです。
いくつかある中でどの項目からやっていくかは自由です。
自分で選べる子は好きなものからチャレンジさせてあげましょう。
ここで大切なのは、行動し始めた時・やってる途中もしっかり褒めてください!
褒める言葉が思いつかない場合は、見たものをそのまま実況中継してみたり、ジェスチャーで伝えてみたりしてください。
”ママはちゃんとあなたを見てるよ”と子どもに伝わればOKです。
そして1つの項目が達成できたら、子ども本人の前で赤のボードマーカーで花丸を書きます。
行動できた事をしっかり認めてから次の項目へ進みましょう。
全て終わったら、一緒に達成できた事を喜び、できたこと頑張ったことを褒めまくってご褒美をプレゼントしましょう。
我が家でこれを2週間ほど繰り返し続けていくと、”やるべきことが終わったらあとは好きな事をしてもいいんだ!”と子ども本人が気が付くようになりました。
それからは、あれだけ取りかかりが遅いと叱ってた平日の朝や帰ってからの宿題などもボードなしで自ら行動してくれるようになりました!
ルーティン化するとそれをしないと気が済まない所も発達障害グレーゾーンの特性のひとつとしてあります。
それが今度は強みとなって発揮されるんです。
いががでしょうか?
私の経験が参考になればうれしいです。
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執筆者:すぎたなお
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)