計画性がない・段取りが苦手な発達障害・ADHDの子どもたち。宿題がなかなか終わらない、支度が進まないと悩んでいるお母さんは多いですよね。計画力や段取り力は大人になってからも大切なスキル。そこで今回は子どもの「段取り力」を育てるためのコツをお伝えします。
【目次】
1.計画性がない!段取りよく行動できない!子どもに悩んでいませんか
2.発達障害・ADHDの子どもが段取りが苦手な理由とは?
3.段取り力を伸ばすための3つのステップ
◆ステップ1:ゴールを決める
◆ステップ2:スケジュールを決める
◆ステップ3:わからないことは自分で調べる
1.計画性がない!段取りよく行動できない!子どもに悩んでいませんか。
こんなお悩みありませんか?
・いつまでたっても宿題を始めない
・時間になっているのに準備をしない
こんな風に、発達障害の子どもは計画を立てて行動をすることが苦手ですよね。
我が家には発達障害・注意欠陥多動症(ADHD)傾向の息子がいます。
息子もこれまで
・学校に行く時間なのにいつまでも食事が終わらない
・お風呂の時間なのに遊ぶのをやめない
・出かける時間なのに準備を始めない
など、毎日のことなのにいつまでたっても、次のことを考えて行動できないことに悩んでいました。
そんな息子を見ると私はいつも「時間に余裕をもって行動しなさい!」「次の行動を考えて計画を持って行動しなさい!」と必死に注意していました。
このままでは、大人になって仕事をしても、時間管理がうまくできず段取りよく仕事ができないのではないかと心配していました。
しかし、私がいくらガミガミ言っても、段取りよく行動できるどころか、子どもがイライラしたり怒ったりして余計に行動が進まないこともしばしばありました。
実は計画力や段取り力の苦手さは、発達障害・ADHDの様々な特性が関係しています。
ですからいくら叱っても、子どもは段取りよく行動することができないのです。
2.発達障害・ADHDの子どもが計画や段取りが苦手な理由とは?
発達障害・ADHD傾向の子どもが計画力・段取り力が身に付かない理由は、脳の特性が関係しています。
◆時間の見通しが持てない
子どもはまだ時間を意識して行動していないことが多く、時間の見通しが持てません。
自分が何にどのくらい時間がかかるかを把握することができていません。
◆不注意がある
今やっていることに集中し過ぎていることもあります。
そのために注意を切り替えて次の行動にうつることが苦手です。
◆気持ちの切り替えが苦手
今の状況を理解して、自分の気持ちを切り替えるのが苦手です。
「あとでやろう」と自分の気持ちを優先して先延ばしにしてしまいがちです。
◆取りかかりにエネルギーが必要
大人も同じですが嫌なことに取り掛かる時ってエネルギーが必要ですよね。
子どもは特に宿題や学校など嫌なことに取り掛かる時は、相当なエネルギーが必要となります。
このように、様々な理由で計画性を持ったり、段取りよく行動することに苦手さがあります。
ですから、いきなり「計画を立てて、段取りよく行動しよう!」と言っても子どもにとってはハードルが高く、お母さんもできない子どもにストレスを感じてしまうのです。
3.計画力・段取り力を伸ばすための3つのステップ
計画力・段取り力を育てるために「長期休みの宿題を計画を立ててやってみよう!」と取り組んでいませんか?
このやり方は間違っています…子どもが楽しくないことを使って、計画力や段取り力を高めようとしても子どもにとってはハードルがものすごく高くなります。
おすすめなのは、子どもの好きなことや得意なことに絡めて実践することです。
計画力・段取り力が苦手な子どもにしてほしいことは、自分で考えて行動ができた!という経験をたくさんさせること。
我が家の場合は、大好きな「海に行くプラン」を立てることで計画力・段取り力がアップできました。
具体的な3ステップをご紹介します!
◆ステップ1:ゴールを決める
まずこの旅のゴールを設定します。ゴールは子ども自身で決めてもらいます。
難しくなくて大丈夫です。我が家では「家族で海に行って楽しむ!」 というゴールを設定しました。
◆ステップ2:スケジュールを決める
次に、ゴールに到達するための旅の計画を作っていきます。
・どこの海に行くか
・何時に出て何時に到着予定か
・お昼は何を作るのか
・準備物は何?
・買い物は何?
・天候は大丈夫か
・誰がいつ準備するのか
決めることがたくさんあるので、紙に書き出していきました。
◆ステップ3:わからないことは自分で調べる
計画を作る過程でわからないことがでてくると思います。
例えば今回だと、「当日の天気予報は?」「海の家に浮き輪などがあるのか、食事はあるのか、何時まで営業なのか」わからないことは自分で調べていくという過程が大事です。
考えたり自分で調べても分らないことは、どうすれば解決できるのか?と考えます。
このように考える行動が大事です。
息子はわからないことはネットで調べました。
それでもわからないことは、私に聞いてきました。
それでもわからない時は、私が「どうする?」と聞くと、行く先の「海の家に電話で聞いてみる」と考えて電話をしました。
最後まで親子で一緒に段取りを考えることができました。
いかがでしたか?
まずは楽しいイベントの中で取り組むことで計画力・段取り力を鍛えることができます。
すると、本来やらなきゃいけない嫌なこと=宿題などにも発揮できてきます。
この順番で力を伸ばしていってほしいと思います。
旅の楽しさとか初体験の好奇心がどんどん湧いてくる中で、苦手なことを楽しいことも一緒に取り組むことがおススメです!
これまであまりやったことがない挑戦にぜひトライしてみてくださいね。
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執筆者:石井花保里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)