【お悩み相談室】発達障害・ADHD傾向の一人っ子の相手は私だけ。父親にもっと関わってもらうにはどうしたら良いでしょうか?

平日は夫の帰りが遅いので発達障害ADHD傾向がある息子とずっと家で二人きり。一人っ子なので、家での話し相手は私だけで、趣味も偏るし話題も限られます。夫と息子が週末ぐらいは仲良くしてくれたら良いのですが、距離を感じます。どうしたら夫に、もっと息子と関わってもらえるでしょうか?

 

8歳・男の子のママ

うちの息子も発達障害、ADHD傾向があり、一人っ子です。ずっと私が息子の遊び相手・話し相手で、うちの夫は子育てに関心がありませんでした。でも今は、私よりも夫と息子は仲良しです。夫をどうやって子育てに巻き込んで行ったのか、私の取り組みをお伝えしますね!

 

発達科学コミュニケーション
リサーチャー 秋村若菜

 

【目次】

 
 

1.一人っ子の子育てで気になるのは視野が狭くなること!

 
 
息子は発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)傾向のある一人っ子。生まれてからずっと子育てが難しいけど頼れる人が周りにいない上に、夫は夜遅くまで仕事。なかなか子育てに関わってもらえませんでした。
 
 
幼児から小学校時代、平日の息子の相手は私だけでした。近所に友達はいないし親戚もいない状況だったので、私は母親役友達役きょうだい役と3つの役割をしていました。
 
 
男の子の興味あるものに目線を合わせ、がっつり遊ぶのは楽しいですが…私はすぐに疲れてしまいます。格闘ごっことかは無理で、すぐに休憩したくなりました。だったら私が相手してあげられる範囲で、となると趣味は偏りがちに
 
 
夫の役割は私にはできません。私はもっと夫に息子の相手をしてもらいたいと思っていました。
 
 
 
 

2.発達障害、ADHD傾向のある夫は子育てに興味がない⁉︎

 
 
息子は発達障害・ADHDの傾向があります。小学校低学年くらいに、衝動性・多動性は落ち着いてきましたが、それまでは子育てに手がかかる子でした。
 
 
夫は仕事が忙しく、息子と接する時間が短いです。休みの日に息子と遊ぼうとしても、ややこしい息子の相手はうまくいきません。私は息子への対応を学んでいたので、むやみに息子を怒らないよう、夫へ指示していました。
 
 
夫にとっては、息子とは楽しく遊べないし私からはダメ出しされるので、自信を失ってしまったのかもしれません。せっかくの休日、私は夫に息子と上手に関わって欲しかったのですが、夫はだんだん一人で過ごすようになりました。
 
 
 
 

3.夫を子育てに巻き込んで、子どもと仲良くなっていくプロセス

 
 
夫へ「もっと息子と遊んであげてよ」と訴えても、パソコンしたり読書ばかり。私の勝手なイメージでは、男の子はお父さんと、キャッチボールや釣り、将棋などを楽しんでもらいたかったのです。
 
 
夫がいない平日、「もっとパパと遊びたいよね」と息子と話していると、私とは違う遊び方を望んでいることが分かりました。どうやったら夫を子育てに巻き込めるか?私は息子のために、対応を工夫することにしました。
 
 
夫が関わってくれない、というネガティブな側面にフォーカスしないで、夫の良いところを探しました。夫は真面目で歴史好きの読書好き。野球も詳しいし釣りもキャンプも経験者。本当は、私には無いものをたくさん持っていることに気づきました。
 
 
私と息子に関心を持ってもらうために、先に私から、夫の関心事に関心を示しました。まずは読書について。夫が使っているカラフルな付箋、メタリックなしおり、ブックカバーのこだわりにも注目しました。
 
 
 
 
読書が苦手な私ですが、本の内容について質問したりして、読書トークを楽しみました。ある時「パパ、難しい本読んでいてかっこいいね!」と、息子が言っていたことを伝えてみました。すると夫はとても嬉しそう!
 
 
それから夫は、息子に興味を持ってもらえるよう本のチョイスを変えました。自分が今読んでいる本を息子に紹介するときは、ただ本の表紙を見せるのでなく、口頭で内容を教えてくれました
 
 
それまで知らなかったのですが、夫はストーリーを語るのが上手で、続きが気になって仕方ないように面白く話してくれるので、息子は夫の話を聴くようになりました。夫は息子に読書の楽しさを伝えようと、随分と工夫してくれました。
 
 

4.息子の趣味は、夫と共通のものばかり!

 
 
あとは息子と夫、二人にお任せです。いつの間にか息子は、夫に進められた本を何冊も読んでいました。一緒に本屋さんや文房具店へ出かけ、帰りは二人で好きなお店で外食したりと、なんだか男同士の時間を楽しんでいるようでした。
 
 
読書をキッカケに、釣りの計画を立てたり、バッティングセンターやボウリングなど、どんどん夫は息子を連れ出してくれるようになりました。息子が好きなゲームについても、もともと夫はゲーマーなので、二人にしか分からない世界ができ上がりました。
 
 
特に助かったのは、私では相手できなかった格闘ごっこをしてくれたこと!柔道をやっていてプロレス好きの夫なら息子も遠慮なく技を仕掛けにいけました。
 
 
 
 
たった一人しかいない大切な我が子。どんなに仕事が忙しくても、本当は夫も息子と仲良くしたかった。自分にできることは何だってしてあげたかったのだそうです。
 
 
手応えを感じられたようで、夫の息子への対応が格段に変わり、細やかに良いところを見つけて褒め上手に!息子も、忙しいお父さんが一緒に関わってくれることへ感謝を示します。
 
 
良い循環です。今では息子は、私の話よりも夫の言うことをよく聞くようになりました。「お父さんが言うなら分かったよ」と、夫を信頼している様子です。
 
 
こうして夫は学校のことや進路のことも積極的に関わってくれるようになり、息子はよく夫に相談しています。こうして夫に任せられることが増え、私一人が頑張らなくても良いのだと、肩の力が抜けました。
 
 
私なりにできることを無理なくやればいいと、心から感じられると、夫と息子の趣味や関心ごとを受け入れられるようになりました。お互いの違いを尊重する雰囲気で、家族それぞれ楽に過ごせるようになりました。
 
 
夫へ工夫して働きかけたことで、息子の視野が狭くなるのでは?という心配は、もうとっくに吹き飛んでいました。
 
 
今の時期、一人っ子家庭だとお母さんとの時間が多くて煮詰まってしまうこともあると思います。お父さんも子育てチームの一員。
 
 
ぜひ旦那さんに関心を示して、子育てに協力してもらってくださいね!現状を変えるキッカケとして参考になったら嬉しいです。
 
 
先が見えない不安の中、お母さんの役割はたくさんありますよね。一緒に頑張りましょう!応援しています!
 
 
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執筆者:秋村若菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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