「落ち着きがない」「ソワソワしている」など発達障害・ADHDの小学生の子どもに手を焼いているママ。お願いだから、落ち着いてよ!と思いますよね。でもし、実は親が子どもの身の回りの環境を少し工夫するだけで、子どもはぐっと落ち着きます!
【目次】
1.オンライン授業中の小学生の息子の落ち着きのない行動にひやひや…
2.なぜ発達障害・ADHD傾向の子どもは落ち着きのない行動してしまうの?
3.目につくものは置かない!まずは親が子どもの身の回りの環境を調整してみよう!
4.ちょっと工夫の積み重ねが、私と息子のイライラを楽にしてくれました!
1.オンライン授業中の小学生の息子の落ち着きのない行動にひやひや…
落ち着いてほしい状況でも、ソワソワしている…。
落ち着きがない…そんな子どもの行動がつい気になってしまうママいませんか?
少し前まで、私は落ち着きがない息子の行動が気になってしまって、思わず注意したり、小言を言うママでした。
私は、診断はついておりませんが、注意欠陥性多動障害(ADHD)と自閉症スペクトラム障害(ASD)の特徴を合わせ持った発達障害グレーゾーン傾向の小学生2年生の息子と保育園に通う3歳の娘がいる会社員ママです。
新型コロナウィルス感染症の対応に伴って、息子が通う小学校でもこれまで何度か学級閉鎖になり、オンライン授業に切り替わる日が何度かありました。
息子はリビングのテーブルでオンライン授業を受ける。
当初、私は、できるだけ距離を離そうと、同じリビングの隅っこに別のテーブルを設けて、出社から在宅勤務に変更し、仕事をすることにしました。
私自身も、息子の通うクラスの朝の会の開始とともに、仕事を開始する日々。
出社から在宅勤務に切り替えたからといって、仕事量は減らないので、集中して業務をこなさなければなりません。
しかし、普段息子の授業を見ていない分、当初どうしても息子の様子が気になってしまいました。
なぜなら、息子は、
●先生が話している最中に、「筆箱ない!消しゴムない!」と気づいて、その度にドタバタ取りに行く…。
●授業中、「この問題分からない!ママ手伝って~!」と、私が仕事上の電話をしている最中なのにバタバタ駆け寄ってくる。
今まで息子の授業の様子は、オンラインでの授業参観等を通じて、何回か見てきました。
しかし、教室内を動き回ったり等の様子や、先生からの報告はこれまでにはありませんでした。
だからこそ、授業中、こんなにも落ち着きないの!と正直ビックリしてしまいました。
その結果、息子に対して「準備しなくていいの?」「今先生言っていたよね」などと立て続けに口を出してしまう結果に…。
私も仕事に集中できないうえに、息子も私も、だんだんとイライラが募ってしまい、ささいなことでケンカする始末。
この先も小学校のオンライン授業は度々あるだろうし、どうしたものかと頭悩ませていました。
しかし、私自身、発コミュを通じて、子どもの特性や脳の仕組みを学ぶにつれて、落ち着きがない息子に注意するのではなく、別の対応に置き換えていきました。
そうすると、オンライン授業中の落ち着きがない行動やソワソワした行動は、だいぶ軽減されたのです。
2.なぜ発達障害・ADHD傾向の子どもは落ち着きのない行動してしまうの?
親としては、子どもの落ち着きがない様子を見ると「少しは落ち着いて」「今は話を聞く状況なのに」と思ってしまいますよね。
でも、ママが子どもに「落ち着くんだよ!」「じっと話を聞くのよ」と言ってきかせても、すぐには改善しませんよね。
そもそも落ち着きのない行動をする子どもの理由ってなんなのでしょうか?
さまざまな理由がありますが、実は、理由の1つとして、発達障害・ADHD傾向の子どもの脳の特性があげられます。
ADHD傾向の子どもは脳の特性として、「不注意」「多動性」があげられます。
不注意というと、忘れ物しやすい・うっかりしているというイメージがあるかもしれません。
しかし、忘れ物しやすいだけではありません。
授業中、気が散りやすかったり、話を聞いていなかったりするというのも、不注意の特徴の1つです。
また、静かにするべき場所でも落ち着きがなかったり、ソワソワしてしまうのも多動性の特徴の1つでもあるのです。
これらは子どもの脳の特性であり、子どもの我慢や忍耐で改善するものではありません。
親のしつけでなくなるものでもありません。
子ども自身でどうにもなるものではないのです。
もちろん、これから成長していくにあたって、脳も発達していくので、今後、多動性も不注意も収まってくることもあります。
しかし、今落ち着きがない子どもの行動が気になっているようだったら、ママが少し工夫してあげることが大切です。
その結果、子どもの脳の発達をぐっと伸ばすことができ、落ち着きがない行動が改善する場合があるのです!
3.目につくものは置かない!まずは親が子どもの身の回りの環境を調整してみよう!
ママが少し工夫するだけで、子どもの脳の発達をぐっと伸ばすことができるといわれても、どうすればいいか分からないですよね。
もちろんママやパパとのコミュニケーションも大切なのですが、まずは試してみてほしいのは、子どもの身の回りの環境を調整してあげることです!
環境を調整してあげるといっても、何か新しい道具などを買い足すわけではありません。
ADHD傾向の子どもは脳の特性により、定型発達の子どもよりも気が散りやすかったり、落ち着きがなかったりしますよね。
気が散りやすかったり、落ち着きがなかったりするのであれば、その原因を減らすことができる環境を作ってあげるのです!
例えば、
●子どもがあちこち動き回って落ち着かないのであれば…
⇒子どもの視覚に、子どもが気になりそうなおもちゃや道具を置かない
⇒今必要な道具だけを子どもの目の前に用意してあげる
●子どもがソワソワして集中できていなそうであれば…
⇒子どもの耳に雑音が入らないように工夫して集中できる環境を作る
などちょっとした工夫次第で、子どもの環境を調整してあげることができます。
調整してあげることにより、子ども自身も今何の行動をするべきなのかが、把握できるようになります。
明確に把握できるようになると、子ども自身、今やるべきことに行動がうつせるようになります。
4.ちょっと工夫の積み重ねが、私と息子のイライラを楽にしてくれました!
我が家の場合、オンライン授業中の息子の気になる行動は、息子が授業受けている部屋とは別室で私が仮設のテーブルを作り、そこで仕事を行うことにしました。
同じリビングにいないことで、息子の視界から完全に私がいない状況を作りました。
また別室にすることで私の気配や声などの音が聞こえないようにし、息子ができるだけ集中できる状況を作りました。
授業開始前には、筆箱や教科書一式入ったランドセルのみテーブル横に用意しました。
テーブルに乗っていた荷物は、別の場所に移動させ、無駄なものは見せないようにしました。
ちょっとした工夫ですが、それだけで今まで授業中ドタバタしていた行動がだいぶ落ち着きました。
私自身も、仕事に集中できる割合がだいぶ増え、お互いイライラすることもなく、それぞれの仕事や授業に集中できました。
もしかしたら、子どもの環境を整えてあげるって大変そう…と思っているママもいるかもしれません。
でも1つ1つは小さな工夫でいいんです!
ママもいろいろ試しているうちに、その子にあった環境が何かが分かってくるようになります。
そして、子どもが落ち着いた行動をしていると、何よりママ自身の気持ちに余裕ができ、ぐっと楽になりますよ。
ADHD傾向の子どもの子育てテクニックを他にも数多くご紹介しています!
執筆者:なつき みき
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)