不登校の子の通知表がオール1なのを見ると、この先どうなるのか将来が不安になりますよね。でも、その数字は子どもの未来ではなく学校が評価できた「今」の記録です。通知表の見方を変えたことで親子の安心につながった実例をお伝えします。
1.通知表の「オール1」が怖いのは、“未来”に見えてしまうから
通知表を開いた瞬間、
並んでいる「1」に言葉を失ったことはありませんか。
覚悟していたはずなのに、
「この子を全否定されている気がする」
「このままで将来は大丈夫?」
「やっぱり学校へ行かせるべきだったのかな」
と不安が一気に押し寄せてきます。
ですが、その数字は本当にお子さんの未来を表しているのでしょうか。
実は通知表は、『子どもの可能性』を評価したものではありません。
学校という環境で、その時点に見えていた姿を記録した“今の一瞬”に過ぎないのです。

この違いを知るだけで、通知表の見え方は大きく変わります。
多くのお子さんが学校から通知表を受け取った、夏休みに入るこのタイミングで一度立ちどまって考えてみませんか?
この子が動き出したのは
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2.不登校の通知表は未来ではない 学校が評価できた一瞬の記録
通知表は、日本の学校教育の基準に沿って、その期間に学校で確認できた様子を評価しています。
そのため評価の対象になるのは、主に次のような内容です。
・授業への参加状況
・提出物の状況
・学校生活で確認できた行動
不登校の子どもは学校で過ごす時間が少ないため、評価できる材料も限られます。
その結果、オール1という評価になることも珍しくありません。
しかし、それは「できない子」という意味ではありません。
不登校の子の通知表は、学校が評価できた一瞬を記録したもの。
学校で確認できなかっただけで、おうちで成長している力や、その子らしい良さまで否定しているわけではなく、子どもの能力や将来を評価したものではないのです。
通知表は、毎日変化している子どもの姿を止めて記録した一枚です。
ですが本来、子どもは日々変化しています。
できる日もあれば、できない日もある。
調子がいい日もあれば、動けない日もある。

だから、その数字は「今」の記録であって、「未来」を決めるものではありません。
それなのに私たちは、
・このまま遅れてしまうのでは
・もう追いつけないのでは
と、通知表に並んだ数字を“この子の将来”として受け取ってしまいます。
だからこそ、不登校の子の通知表がオール1だと、必要以上に不安になってしまうのです。怖いのは通知表そのものではなく、「止まって見えてしまうこと」なのかもしれません。
この意味を知るだけでも、通知表の見え方は少し変わってくるはずです。
3. 娘の自信のためにした行動が通知表の意味を変えた
NicottoProject講座を受講している、中学3年生で不登校の娘さんを育てる岡さんのお話です。
岡さんも最初は、通知表を見るたびに「娘の未来まで否定されてしまうのではないか」という不安を抱えていました。
娘さんは通知表に興味を示さず、
「見ない」「意味がない」と言っていました。
そんな中で岡さんがしたのは、先生に娘さんの良い面を書いてほしいとお願いすることでした。
目的は、親以外の大人から認めてもらうことで、娘さんの自信につながる経験を届けたかったからです。
また、ちょっとぼんやりした担任の先生のタイプを考えて、書いてほしい内容を具体的に伝えることもしました。
そして受け取った通知表。
3年生の1年間で授業に参加できたのは、修学旅行とその事前授業の数回だけでした。
それでも、そのときの様子から、『思いやり・協力』の欄に「〇」があり、担任所見の欄にも娘さんの良さが書かれていました。
岡さんは通知表を自分でじっくり読み込み、その内容を娘さんに読み上げました。

それは、「ちゃんと見てくれている人がいる」ことを伝えたかったからです。
結果――
娘さんは「へー」と軽い反応。
けれど、そのあと一瞬だけ「ニヤリ」と笑ったそうです。
岡さんは、その小さな笑顔を見逃しませんでした。
そして岡さん自身も、「娘のことをちゃんと見てくれている人がいた」
という感覚が生まれ、娘さんの成長に対して大きな安心につながったと話してくださいました。
娘さんを励ましたいと思って始めた行動でしたが、実際に変わったのは、お母さん自身の通知表の見方だったのです。
通知表の内容が変わったのではありません。
通知表の「意味」が変わったのです。
この子が動き出したのは
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4.通知表を「不安の材料」ではなく「安心の材料」に変える3つのポイント
通知表は、ただ一方的に受け取るだけの評価表ではなく使うものです。
親がどう受け止めるかによって、子どもへのメッセージが変わる一枚でもあります。
そのために大切にしたい視点があります。
① 書かれる内容を“任せない”
学校で先生に子どものどんな姿を見てもらいたいのかを具体的に伝えることで、先生も子どもの良さを見つけやすくなります。
② 数字ではなく“事実”を見る
・授業に参加できたこと
・先生と話せたこと
・クラスメイトと話せたこと
・修学旅行へ行けたこと
評価よりも、その子が参加できたこと・関わったことなど、実際にできたことへ目を向けます。
③ 子どもに“意味づけして届ける”
通知表をそのまま見せるのではなく、
「先生はこんなところを見てくれていたよ。」
「ちゃんと伝わっていたんだね。」
そんな言葉を添えて届けることで、通知表は安心の材料になります。
通知表は、子どもをジャッジするための紙ではありません。
どう見るかを親が選べる材料です。
だからこそ、
・不安を強める一枚にもできるし
・安心を育てる一枚にもできます。
通知表は未来ではありません。
学校が評価できた「今」を記録した一枚です。
だから「どうせオール1だから」と、お子さんの未来まで決めつける必要はありません。
通知表を見る親の見方が変わると、その一枚は不安ではなく、子どもの成長を見つける記録へと変わっていくのです。
みなさんは通知表を、我が子にどんなふうに活用しますか?

よくある質問(Q&A)
Q. 不登校で通知表がオール1だと、将来に影響はありますか?
通知表の評価は学校での授業参加や提出物などをもとに決まるため、不登校の子どもは低い評価になりやすい仕組みです。ただし、その数字がそのまま将来の可能性を決めるわけではありません。通知表はあくまで「学校で評価できた一瞬の記録」であり、子どもの力や成長すべてを表すものではないのです。
Q. 通知表を見せると子どもの自信が下がりませんか?
そのまま数字だけを見せると、自信を失うきっかけになることもあります。しかし、通知表の内容を親が意味づけして伝えることで受け取り方は変わります。実際にできたことや評価されたポイントに焦点を当て、「見てくれている人がいる」というメッセージとして伝えることで、安心感や自己肯定感につながる場合もあります。
Q. 不登校の子の通知表は、親はどう受け止めればいいですか?
通知表は子どもを評価するものではなく、「どう見るかを選べる材料」と捉えることが大切です。数字だけに注目するのではなく、どのような行動や変化があったのかという事実に目を向けてみてください。通知表を不安の材料にするのではなく、子どもの成長を見つけるためのツールとして使うことで、親の安心にもつながります。
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執筆者:すずき真菜
(発達科学コミュニケーションアンバサダー)
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