とにかく虫が大嫌い!こだわりが強すぎる中学生
程度の差こそあれ、誰にでもこだわりはあるもの。
ですが、こだわりが強すぎる子どもの場合、子育ての大変さがグンと増します。
ましてや、それが発達障害の特性からきているものだとすれば、なおさら根深いものがありますよね。
私の息子は発達障害グレーゾーンの中学生です。
幼少期は生き物が好きで、ダンゴムシやセミをつかまえたり、室内でカブトムシやクワガタを育てたりしていました。
ところが小学校高学年になる頃から、虫に異常なほどの嫌悪感を示し始めたのです。
「気持ち悪い!なんで虫なんかがこの世にいるんだよ!死ね!」 暴言を吐き、家の中に虫が飛んで入ってこようものなら、それはもう大騒ぎ。
誰だって苦手なものはあるのだから、虫が苦手なのも理解はできます。
とはいえ、あまりにこだわりが強すぎることから、室内に入った虫を執拗に排除しようとするので、親として心配になるほどでした。
たった一匹の蚊に対して神経質になり、暴言を吐きながら探し回る様子は耐えがたく、親子喧嘩がたびたび起きました。
発達障害の特性なのだからしかたない、それを理解して耐えなければ。
そう思って我慢したとしても、気持ちを押し殺し続けると、いつか限界が来ますね。
些細なことといってしまえばそれまでですが、こだわりが強すぎることによる困りごとに頭を抱えるお母さんは多いのではないでしょうか。
こだわりが強すぎるのは発達障害の特性の一つ
こだわりが強すぎるのは、脳の特性である発達障害が関係していると考えられます。
こだわりが強すぎる子どもを観察していると、得意や苦手、好きや嫌いに極端な差がみられる傾向があります。
ここでは得意や苦手、好き嫌いに大きく関わる特性についてみていくことにしましょう。
発達障害の特性の一つである自閉症スペクトラム(ASD)の大きな特徴として、感覚過敏があります。
感覚過敏とは五感の感覚の働きが敏感すぎる状態をいい、生活にさまざまな困り感として出てくることがあります。
特定の臭いや温度、肌ざわりなどに苦手なものがあり、本人にとっては耐えられないほどの苦痛となる場合さえあります。
つぶつぶしている模様が苦手など、その見た目だけで極端に嫌がるケースも実際にあります。
逆に、自分が好きで安心感を得られるものに対しては、「これじゃなきゃダメ!」と執着し、同じものにばかりこだわることもあります。
こだわりが強すぎる特性により、単なるわがままと思われてしまうのは、子どもにとってつらいことだと理解しておきましょう。
もう一つの要因、子どもを取り巻く社会的背景
発達障害以外に考えられるのは、社会的な背景です。
現代社会は都市化されたことで、かつての多くの自然が残る中での生活とは大きく変わりました。
近年では、コロナウイルスの流行などにより、菌やウイルスに対して敏感になりました。
大勢の人が集まる場では、マスクの着用や消毒が現在も推奨されていますね。
消臭や殺菌、防虫などは、生活を快適に保つために必要なものではあります。
ですが、そうでないものに対する嫌悪感を増幅させる要因になっているのも事実。
観察学習と呼ばれるものがあります。
親や友人が「嫌いだ」「苦手だ」と言う様子を見ることで、よくないものだと学習し苦手が植えつけられることです。
自然の中では、虫は当然多く存在します。
清潔であることを求めすぎると、自然と切り離された空間に暮らす私たちは、虫を汚れのように認識してしまうのかもしれません。
こだわりが強すぎることで、困り感が出るほどの状態に子どもが陥るのは、こういった理由も大きいのです。
暴言&興奮状態はスルー、落ち着いたらすることとは
こだわりが強すぎることで苦手なものに過剰反応し、暴言を吐くのは決して好ましい行動とはいえないですね。
子どもが好ましい行動をしていないときは、まずこの方法をとってください。
子どもの行動に反応せず、涼しい顔をしてスルーしましょう。
なぜなら、暴言や興奮状態に親が反応することで、子どもの脳は「反応してもらえたから、またやろう」と学習してしまうのです。
ここで大事なのは、お母さんがイライラしたり不安そうな顔をしたりせずに、平然とした態度を貫くことです。
そして、子どもが落ち着いたときに、子どもの気持ちに共感してあげるのがいいですね。
子どもの好き、嫌いという感情を否定せずに受け入れてあげると、子どもは安心できる環境にいると実感できます。
こだわりが強すぎるのを和らげるのはこんなこと
こだわりが強すぎるのを和らげるには、苦手なものについて子どもが「知る」機会を増やしてあげることです。
よく知らないという理由だけで苦手意識が増すことがあるため、「知り」さえすれば、嫌悪感が和らぐこともあるのです。
人間にとって、それだけ未知のものにはどうしても不安がついてくるものなのです。
先に述べた、虫が大嫌いな息子ですが、「知る」ことがこだわりを和らげると確信した出来事がありました。
仲の良い友達の中に昆虫や爬虫類が大好きな子がおり、一緒に生き物紹介のイベントになぜか行くことになったのです。
実際、イベントから帰ってきた息子は、虫への毛嫌い度数は下がっていました。
苦手な虫を好きになることはさすがにありませんが、虫に対して「へぇ、そうなんだ」と新しい発見をする機会になったようです。
苦手や好き嫌いは、脳の特性である発達障害が関係していることを頭に置いておく。
そして荒れる行動にばかり注目するのではなく、根っこにある子どもの気持ちを受け入れてあげる。
穏やかな環境のもとで、こだわりが強すぎる子どもの頑なな心のネジを、少しずつ緩めていってあげられるといいですね。
執筆者:にしがみあやか
(New Mammyアンバサダー★★★)
脳の特性を学ぶことは、子ども本人だけでなくお母さんにもプラスにしかなりません♪
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