自閉症の子が会話のキャッチボールができるようになる!コミュニケーションの秘訣

 

自閉症の子は、会話でのコミュニケーションが苦手なことが多いですよね。会話のキャッチボールができない様子を見て、この先大丈夫なのだろうかと不安に感じられていませんか? お母さんが少しだけ会話量を増やすコミュニケーションを意識した対応を行うだけで、お子さんの会話力はグングン伸びていきますよ!
 

【目次】

1.自閉症傾向の息子は、会話のキャッチボールができない
2.自閉症の子どもが、会話でのコミュニケーションが苦手な理由
①発達凸凹によるコミュニケーションの苦手
②コミュニケーションの必要性を感じていない
3.自閉症の子どもの会話力をあげる対応
①気持ちアゲアゲ作戦
②共感力アップ作戦
③話してくれてありがとう作戦
4.生きていくために、最低限の自己主張はできるようにさせたい

 

1.自閉症傾向の息子は、会話のキャッチボールができない

 
 
・普段から、何か聞いても「うん」「分からない」と答える。  
 
自分からお話をすることもあまりなく、口数が少ない。
 
・会話をしても、口元でもごもごと小さい声で話すため聞き取りにくい。
 
・お友達が遊びに来ても、会話が全く盛り上がらない。
 
 
お子さんに、こんな様子は見られませんか?
 
 
 
 
実は、これは我が家の小学校6年生の自閉傾向の息子の様子です。
 
 
幼い頃から、おしゃべりな方ではなく、どちらかというと工作をしたり、体を動かすことを好むタイプでした。
 
 
男の子だし、今は思春期に入りかけている時期だから、「こんなものか~」と思って、過ごしてきました。
 
 
しかし、先日の授業参観での休み時間の様子を見ていると、一応はお友達の輪の中に入っているものの、自主的にコミュニケーションをとることはせず、常にお友達に付いて回っているのです。
 
 
そんな様子をみて、私はいつか友達関係につまづき、引きこもってしまうのではないかと不安を抱きました。
 
 
周囲の男の子たちは、元気はつらつとして意欲的に行動しており、きちんと受け答えもできます。
 
 
 一人一人違うと分かっていても、意思表示や自分の気持ちを伝えることが苦手であると、学校等の集団生活では疲れてしまいますよね。
 
 
最低限、困らない程度に生きやすくなるように、会話でのコミュニケーション力をつけてあげたいと思ったのです。
 
 
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2.自閉症の子どもが、会話でのコミュニケーションが苦手な理由

 
 

◆①発達凸凹によるコミュニケーションの苦手さ

 
 
発達障害とは、生まれつきの脳機能の発達の偏りによる障害です。
 
 
得意・不得意の凸凹(でこぼこ)と、その人が過ごす環境や周囲の人との関わりのミスマッチから、社会生活に困難が発生します。
 
 
そして、自閉症の子は、社会性と対人関係の障害コミュニケーションや言葉の発達の遅れがあると言われ、以下のような様子が多く見られます。
 
 
・相手の言った言葉をそのまま繰り返す(オウム返し)
 
・会話が一方的 ・内容がかみ合っていない 
 
・比喩・冗談・皮肉などの抽象的な表現が苦手
 
・自分に対して言われている言葉にも関わらず他人事に思ってしまう
または、逆に他人への言葉も、自分に向けられたと勘違いする。
 
 
このように、発達凸凹により、日常会話が苦手になってしまうことがあるのです。
 
 
 
 

◆②コミュニケーションの必要性を感じていない

 
 
自閉傾向の子は、気持ちの起伏が少なく平坦なことが多い傾向があります。
 
 
これは、感情面とも関係するのですが、感情が動くことが少なく、もともと気持ちがあまり盛り上がりにくいという特性を持っていることがあります。
 
 
また、話すことの必要性も感じていないことが多くあります。
 
 
その為、話す機会(会話量)が少なくなり、結果として言語能力も低くなってしまう傾向があります。 語彙力もついていかなくなるのですね。
 
 
<自閉傾向の子>
 
気持ちが盛り上がりにくい 
 
→話さない・会話量少ない 
 
→言語能力が育たない。
 
 
そして、自閉傾向の子は、興味が自分(内面)に向きがちという特性があります。
 
 
その為、周囲でどんなに楽しそうな遊びや会話をしていても、興味を示さないことも多いのです。
 
 
よって、自閉傾向の子には、 何よりも気持ちを盛り上げて、会話量を増やしてあげる!
 
 
そして、親子で楽しく日常会話の中で練習を積んであげることが重要なのです!
 
 
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3.自閉症の子どもの会話力をあげる対応

 
 
会話力をアップさせるためには、まずは親子の関係を良好にして、子どもの気持ちを盛り上げ、話すことって楽しい!という経験を沢山させてあげることが重要です。
 
 
そのために、我が家が行った対応をご紹介しますね。
 
 

◆①気持ちアゲアゲ作戦

 
 
子どもの「好き」「楽しい」活動を一緒に行ったり会話をして、気持ちを盛り上げるようにする。
 
 
疲れている時も、子どもが誘ってきた活動は一緒に付き合うことから始めました。
 
 
夕方に一緒にスポーツをしたり、子どもがYouTubeを見ている時は、そっと横に行き「何見ているの~?」と興味を示し、会話をして、楽しく過ごしたりしました。
 
 
また、子どもの気持ちが盛り上がりそうな活動やイベントのリサーチ!
 
 
地元のお祭りやいちご狩りツアー等を調べて行ってみたり、お友達家族と食事会を企画したりしました。
 
 

◆②共感力アップ作戦

 
 
人と同じものを見て笑ったり会話をすることは嬉しいし、楽しいという経験を積ませて、共感力をつける。
 
 
そうすると、何か楽しいことがあった時に、自分から人に伝えたい!分かってもらいたい!話したい!と思うようになります。
 
 
・家族でテレビを見て、みんなで大笑いする。
 
・犬が可愛い行動をすると、話題に出し笑い合う。
 
・自分の会社での出来事等を、面白く話す。 等
 
 
 
 
 

◆③話してくれてありがとう作戦

 
 
自分が話さないことで、周りが困っていることを分かっていないことが多いので、押しつけがましくなく教えてあげます。
 
 
また、感謝を伝えることで、子どもは自分の発言にも自信を持てるし、話すことが楽しくなります。
 
 
・「あ、それ言ってくれて、ありがとう!」  
 
 ・「〇〇が教えてくれたから、助かったよ~」 等
 
 
このように、日頃から会話量を増やすことを意識した対応を行っていきましょう!
 
 
人と何か共有することって楽しい!自分の発言は必要とされているんだ!と感じると、自然と会話量が増えていきます。
 
 
また、会話経験を積み上げていくことで、ある程度の「会話の型」を習得していくことができます。
 
 
会話が得意でなくても、「こういう時は、こう答えればいいんだ」とスキルを身に着けると、本人の苦痛も軽減されていくことでしょう。
 
 
また、感情は伝染することはご存知ですか?
 
 
ママが、いつも笑顔で明るくいるだけで、子どもの感情も安定し、楽しくなります。
 
 
そして、会話も増えていきます。
 
 
まずは、親子の会話量を増やし、子どもに会話経験を増やしてあげることが大切なのです!
 
 

4.生きていくために、最低限の自己主張はできるようにさせたい。

 
 
家庭で気持ちを盛り上げて会話量を増やすよう意識した対応を行っていくと、息子の会話量がみるみる増えてきて、子どもから意見や提案を出してくれるように変化してきました。
 
 
担任の先生からも、「学級活動で何か話し合いがあった時に、意見を出してくれて助かったんですよ!」と、嬉しいご報告も受けました。
 
 
以前は、クラスに仲良しの特定のお友達がいる様子はなかったのですが、今では毎日一緒に登校してくれるお友達もできました。
 
 
また、家にお友達をよんで遊ぶ時のやりとりを見ていても、会話をするようになり、心を開き親密に関われてきているように感じます。
 
 
 
 
息子は、自閉傾向であり、周りの様子を見すぎて行動することを控えてしまったり、自分の気持ちを抑えすぎてしまうところがあります。
 
 
しかし、それはズカズカいかず、周りに配慮ができるという長所として捉えようと思います。
 
 
そして、焦らず地道に気持ちアゲアゲ活動を行って、会話量を増やしていきながら、意思表示する体験も積ませてあげ習得させてあげたい!
 
 
これからの予測困難な時代、子ども達が生き抜いていくためには、人と共働して意見を出し合い、助け合って様々な課題を解決していかないといけません。
 
 
周りに譲る時は譲り、必要な時はしっかり意志表示できるように強く成長をしていってほしいと思います!
 
 
 
 

小学校高学年のお子さんに、会話でのコミュニケーションとともに、ソーシャルスキルを底上げしたい!という方には、こちらの小冊子がおススメです。

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執筆者:松あき子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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