ASDの子どもの「たった1つの得意」が苦手に挑戦するようになる理由とは

ASDの子どもが1つのことを気に入るとエンドレスになってしまって困っていませんか?つい苦手をなんとかしたい、と思いがちですが1つの得意を徹底的に伸ばすことで脳全体が成長していろんなことに挑戦するようになりますよ。
 

【目次】

1.ASDの子どもの苦手をなんとかしていようとしていた過去
2.得意な脳エリアを1つ伸ばすと全体が伸びる仕組み
3.旬を逃さない!ASDの子どもはとことん好きを伸ばす

 

1.ASDの子どもの苦手をなんとかしていようとしていた過去

 
 
我が家の自閉症スペクトラム(ASD)の息子は絵本が大好き。
 
 
毎月毎月新しい絵本を数冊は買って息子の好きを伸ばしているのですが、絵を楽しく眺めておしまい!ということが、日常でした。
 
 
そこで私が息子に「ママが絵本読もうか〜?」と言うと、「いかない!(読まないで!)」と返されてしまうということがお決まりのパターン。
 
 
それがある日を境に息子の方から「これ読んで〜!」と絵本を持ってくるようになりました。
 
 
はじめは珍しさと嬉しさで家事の手を止めて「いいよ〜」と読んでいた私。
 
 
それが次第に挨拶がわりのように目が合うと「これ読んで〜!」と何度も何度も同じ絵本を読んでと言うようになりエスカレート。
 
 
 
 
 
場合によっては「…〜おしまい!」と読み終わったそばから「ママ読んでー!」とエンドレスリピート。
 
 
これがいわゆる世間でよく聞く何度も同じ絵本を読んで欲しがるっていうママの悩みなのね、と実感しつつも当事者になってみると確かに大変。
 
 
さらに、本を読みたがって外で遊ぶことや動くことが苦手な息子。
 
 
それなのに、できることよりもできていないことを見つけては苦手な鉄棒や自転車を特訓させていました。
 
 
わが子となると、どうしてもできないところを伸ばそう伸ばそうと肩肘張って疲れてしまい、息子は好きではないことなので癇癪がひどくなっていきました。
 
 
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2.得意な脳エリアを1つ伸ばすと全体が伸びる仕組み

 
 
私たち親は子どもが大きくなったときを心配して、できないことをできるようにしたいと思ってついつい指摘してしまいます。
 
 
けれど、その指摘、脳科学的にみると「ちょっと待った!」です。
 
 
実は脳は大まかな働きに分けると8つに分けられるのですが、全ての脳のエリアが平均的に育っているよりも、どこか強い脳のエリアがあると、その影響で脳全体が働きやすくなるのです。
 
 
 
 
例えば「絵本を読む」という行為の場合は理解の脳エリアがぐんぐん育つことにつながります。
 
 
強い脳のエリアがあると、そこが中心となってその他の運動・視覚・記憶・聴覚・伝達・思考・感情のエリアも活性化され全体が引き上げられるのです。
 
 
脳がよく育つ旬の時期を活かせば、理解の脳のエリアを、得意な脳のエリアにまで育て上げることもできます。
 
 
脳のエリアはネットワークで網目のように繋がっているため、隣り合っているエリアは特に影響し合っています。
 
得意な脳のエリアと繋がることで、未熟な脳のエリアも活性化しやすくなりますよ。
 
 
 
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3.旬を逃さない!ASDの子どもはとことん好きを伸ばす

 
 
こだわりが強く、1つのことにハマるとそればかりになる自閉っ子ですが、できるだけそのブームを満喫させてあげてください。
 
 
もしもあのまま私が息子の得意ではなく苦手に目を向け続けていたら、脳全体をひっぱっていってくれる起点を未だに1つも作ってあげることができなかったかもしれません。
 
 
発達の旬が訪れると、子どもの遊びや行動のブームとなって現れることが多くあります。
 
 
絵本を何度も読んでもらいたがるのもブームの一つ。
 
 
 
 
可能な限り絵本を何度も読んであげていた結果、自閉っ子の息子は暗唱している絵本が何冊もできましたよ。
 
 
さらに、そこから想像力を広げて遊ぶことが得意で、絵本の絵をとっても綺麗に模写をするようになったり、工作で絵本の世界を立体で表現してくれるようになりました。
 
 
外遊びが苦手だった息子も散歩や公園で体を動かして遊ぶようにもなりましたよ。
 
 
自閉っ子こそ、脳が働く時に中心となる『得意なこと』を伸ばしてあげることをオススメします。
 
 
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執筆者:桜山 尚
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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