勝ちにこだわるあまり「ゲームに参加しない」「勝ちたいと怒る」「ルールを変えてしまう」ことってないですか?楽しく遊びたいのにもったいないですよね。今回は子どもが勝ち負けを気にせず遊べるトランプのルールをご紹介します。
【目次】
1.勝ちにこだわるからゲームで怒る!ルールは俺流
2.子どもが勝ち負けにこだわる理由
3.勝ちにこだわる子どもとゲームを楽しむ秘訣
①子どものルールは受け入れる
②子どもを飽きるまで勝たせる
③怒るときは慌てず肯定
4.勝ちにこだわる子どもが勝ち続けるトランプのルール2選
①ババ抜き編~ババなしババ抜き
②スピード編~ハンデ付きスピード
1.勝ちにこだわるからゲームで怒る!ルールは俺流
我が家には自閉傾向のYouTubeとゲームが大好きな小学1年生の男の子がいます。
じゃんけん、トランプ、すごろくなど家族や友達と気軽に楽しめるゲームですが、我が家では楽しく遊べる事がありませんでした。
勝ちにこだわる息子が勝手にゲームのルールを変えてしまうのです。
・俺以外は目をつぶってじゃんけん
・俺は絶対ババは持たない
・さいころの目は俺が決める
子どものルールで遊んでも勝ちにこだわるあまり負けそうになると、またルールを変える、ゲームを放棄、負けると怒るので一緒に遊んでいても楽しくありません。
自分が勝ちたいからという身勝手な理由でゲームのルールを変えたり、怒るのでは家族同士なら許されてもお友達と遊ぶときには通用しません。
ゲームのルールは守る事を教えなくてはと思っていました。
こちらが正そうと指摘をすると不貞腐れてしまうか、怒るか。
勝ち負けにこだわる子どもとのゲームの時間はとても気を遣う恐怖の時間でした。
そんな事を繰り返すうちに、ゲームに誘っても参加することを嫌がるようになっていきました。
2.子どもが勝ち負けにこだわる理由
発達障害・グレーゾーンの子どもたちはどうしてこんなにも勝ち負けにこだわるのでしょうか?
それには発達障害・グレーゾーンの子どもたちが持つ脳の特性が関わっています。
1つ目にネガティブな記憶を貯めやすいという脳の特性があります。
そのため負けは「ダメな事」「かっこ悪い事」など負けた時の経験から「負け」に対するネガティブな記憶が強く残っていて負けを受け入れられません。
2つ目に予想を立てるのが苦手という特性があります。
負けへのネガティブな記憶から勝つことを目指しているので勝てなかった時の自分が受け入れられません。
脳の特性なのでゲームのルールは守るものと分かっていても、自分でコントロールができないのです。
ではどのように対応すればいいのでしょうか?
3.勝ちにこだわる子どもとゲームを楽しむ秘訣
◆①子どものルールは受け入れる
子どもが抵抗なく楽しく遊べるルール、すなわち子どもが決めたルールを全て受け入れる事にしました。
ゲームの途中でルールを変えてしまう事でその場の雰囲気が悪くなってしまいます。
ゲームを始める前に子どもとルールの確認をするとお互いストレスなく遊べます。
◆②子どもを飽きるまで勝たせる
本人が勝ちに満足し、勝ち飽きるまで勝たせます。
ゲームのルールにもよりますが、子どもが絶対に勝つように順番を工夫したり、ハンデを設けることをこちらから提案します。
パパやママが勝てなくて、「悔しい!でも次、頑張ろう」「負けちゃった。まいっか、次は勝てるかも」と勝てなかった時の姿を見せます。
そうすることで勝てなかった時、悔しくても良いんだ。そっか、次は勝てるかもしれない、と勝てなかった時の気持を受け入れて次にどうするかを学びます。
そうしていくうちにパパやママにも勝たせてあげても良いかもと思えるようになってきます。
◆③怒るときは慌てず肯定
それでも子どもが勝てなくてパニックになって怒ってしまったら、子どもの感情に巻き込まれてはいけません。
まずは勝てなくて悔しい気持ちに共感します。
そして「ルール守ってできたね」「最後までやったね」「順番守ったね」そのゲームの中でできたことだけを伝えて肯定をします。
4.勝ちにこだわる子どもが勝ち続けるトランプのルール2選
◆①ババ抜き編~ババなしババ抜き
ババ抜きはババを最後まで持っていた人が負けのトランプゲームです。
勝ちにこだわるあまりこのババを持つことが怖いという理由でババが回って来ただけでゲーム終了となっていた息子。
ババを無くしてみました。
ババがない、ババが回って来ないという安心感から抵抗なくゲームに参加してくれるようになりました。
始めは2人でするのがおススメです。
その理由は、子どもからカードをひくと必ず子どもが勝つからです。
必ず勝つことでババ抜きが楽しくなり、3人でもババなしババ抜きが楽しめるようになりました。
3人でも勝ち続けると自分からババを入れてやる!と言い、従来のババ抜きのルールでも楽しめるようになりました。
◆②スピード編~ハンデ付きスピード
スピードは台札につながる数字を出していき手札がなくなるスピードを競うトランプゲームです。
夫と私がやっているとやりたいと寄ってくるのですが、息子は小学1年生、大人と普通に遊んだのでは勝ち目はありません。
そこで場札の枚数を変えてハンデを付けようとこちらから提案しました。
子どもが勝つためのハンデの提案なので勝ちにこだわる息子は喜んで提案にのってきます。
ここでポイント、ハンデの枚数は子どもに決めさせる事です。
理由は、自分で決めたルールなので勝てなかったときに怒ることの予防に繋がります。
子ども5枚に対して夫2枚と子どもが提示してきました。もちろんOKです。
子どもは圧勝、少し難しいトランプゲームで勝てたのが嬉しくて何度も挑戦してきました。
勝ち続けて気分がよくなってくると自分の場札を減らしたり、負けると場札を増やしたり調節しながら楽しんでいます。
子どもが勝ち負けを意識せずに楽しめるトランプのルール、いかがでしたか?
大人も子どもも対等に勝ち負けを気にせず思いっきり楽しんで遊んでみてください。
ママの声掛けを変えるだけで子どもがグングン成長するコミュニケーションの詳細はこちら
執筆者:福原かおり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)