支援級・転校のストレスが減る!不安が安心に変わる学校見学のススメ

 

支援級(特別支援学級)の転校は、発達障害のストレスに弱い子にとって大きな負担です。転校手続きや学級運営の違いなど、ママの心配ごとも多いですよね。支援級在籍の子どもと県外に引っ越した際、学校見学で前向きな準備ができた私の経験をお伝えします。
 
 

【目次】

1.特別支援学級在籍の息子は転校がストレス!
2.転校手続きの次に大事⁉学校見学のメリット
3.学校見学の準備と手順
4.学校以外の居場所づくりで不安を和らげる

 
 

1.特別支援学級在籍の息子は転校がストレス!

 
 
発達障害の子どもは、環境の変化やストレスに弱い傾向があります。
 
 
3ヶ月先に引越しが決まった我が家では、息子が転校を嫌がって毎日のように「友達と離れたくない」「まだここにいたいな…」と口に出し、落ち込んでいました。
 
 
 
 
息子は自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠陥多動性障害(ADHD)の傾向があり、公立小学校の特別支援学級(情緒支援級)に在籍しています。
 
 
実は1年生の時に転校・支援級転入を経験したのですが、事前に教室の見学をしたことで息子が安心し、「この学級に行きたい」と言った過去があります。
 
 
そこで今回、県外に転居をするにあたり、引越し先の下見旅行の中で学校見学をすることにしました。
 
 
わが家の体験をもとに、引越し前にできる支援級の転校サポートのポイントをお伝えしたいと思います。
 
 
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2.転校手続きの次に大事⁉学校見学のメリット

 
 
支援級の転校というと、忙しいママは手続きはどうなるのか不安かもしれません。
 
 
行政の手続きに関しては、さほど手間がかかりませんでした。
 
 
今通っている学校に転校する旨を連絡すると、転校する学校に申し送りをしてくれました。
 
 
その後、引越し先の特別支援学級・転校手続き相談窓口から電話があり、webサイトからダウンロードした書類を提出しました。
 
 
自治体によっては事情が異なるかもしれませんので、確認されると良いと思います。
 
 
私が手続きと同じくらい大切だと思うのは、転校にストレスを抱える子どものサポートです。
 
 
なかでも、子どもと一緒に転校先の学校見学をすることは、親にも子どもにもメリットがあります。
 
 

◆子どもが見通しを持てる

 
 
見通しを立てることが苦手な発達障害の子どもは、いつもと同じ状況を好みます。
 
 
未体験のことに強い不安とストレスを感じるため、転校を強く拒む気持ちになりやすいです。
 
 
学校見学で学校のつくりや雰囲気、支援級の様子などを実際に見ると、息子は転校後の生活を想像でき、不安が軽くなりました。
 
 
また、子ども自身が気になっていることを質問して、心の準備をすることができます。
 
 
息子は「給食は学校で作っていますか?」などいくつか知りたいことを尋ねていました。
 
 
本人が聞きたいことを準備しておくと良いですね。
 
 
 
 

◆学校との関係づくり

 
 
親にとっては、子どもの特性を学校に知ってもらい、連携をスタートさせるチャンスです。
 
 
 実際に子どもが馴染めるかどうかは転校してみないと分かりません。
 
 
ですが、事前に顔を合わせて家庭の方針を伝えておくことで、転校後すぐの段階から相談がしやすくなります。
 
 
また、見学時に転校に関する資料を貰えば、その場で不明点を確認したり、早めに必要なものを揃えることができます。
 
 
学用品の買い替えやPTAの登録など、細々した準備ができると安心ですよね。
 
 
学校見学をきっかけに、親子でモノも気持ちも少しずつ準備していきましょう。
 
 
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3.下見旅行の準備と手順

 
 
ここでは、学校見学に至るまでの流れと当日のポイントをお伝えします。
 
 

◆転校先の学校にアポイントを取る

 
 
ほとんどの自治体では、相談すれば学校見学ができます。
 
 
我が家は転校先の小学校が決まっていたので、学校に直接「子どもが見通しを持てるよう見学をしたい。面談もお願いしたい。」と連絡を入れました。
 
 
まずは自治体の窓口に相談されても良いと思います。
 
 
私が後から連絡すると、見学日までに支援計画シートを転校先に情報共有してくれました。
 
 
おかげで面談がスムーズに進みました。
 
 
特別支援学級の運営体制、サポート方針は学校ごとに異なります。
 
 
転校先が決まっていない場合は、何校か見学を検討してみても良いかもしれません。
 
 

◆事前準備

 
 
担任の先生と面談し、事前に確認しておくといいポイントを聞きました。
 
 
「支援級に在籍する同級生の一日の過ごし方はどうなっているか?」
「息子は物の管理が苦手なのでプリントの渡し方の流れを確認しておく」
 
 
など、自分では気づかない具体的なアドバイスを貰うことができてありがたく思いました。
 
 
次に、当日確認したいことをリストアップしました。
 
 
・児童数や建物、設備など学校全体の様子
・支援学級の数、児童数、授業形態
・子どもの学年のクラス、昇降口、職員室、保健室の場所
・登下校の方法と道順
・年間のイベントスケジュール
 
 
などを挙げました。
 
 
また、サポートレターを準備しました。
 
 
 
 
サポートレターで苦手をたくさん挙げると、「こんなに大変な子を支援しなければならないのか…」と学校側は身構えてしまいます。
 
 
得意なところをセットにして、簡潔に伝えるのがお勧めです!
 
 

◆見学当日

 
 
面談で事前に用意していたサポートレターを手渡しました。
 
 
この際、子どもの目の前で読み上げることがないよう配慮が必要です。事前に打ち合わせておくと良いと思います。
 
 
面談後、校内を案内して貰いながら回る際は、息子に、
 
 
「ここが職員室だね」
「この玄関を使うんだって」
「○○君のクラスは2階だから階段少なくていいね!」
 
 
などと、声に出してしっかり注意を引きながら見ることを心がけました。
 
 
息子はおしゃべりで人好きなので、特別支援学級の教室を見学した際に、「〇月から転校してくる〇〇君だよ」と紹介をして貰いました。
 
 
友達ができるかどうかが不安だった息子は、紹介してもらうとパッと笑顔になり、クラスの子と楽しそうに言葉を交わしていました。
 
 
校門を出る時には、息子はとても晴れやかな顔をして、
 
 
「すごく雰囲気良かったよ。これまでの不安から一気に解放された!」
 
 
と、語ってくれました。
 
 
学校見学することで、「ここが自分の居場所になるんだ」と、実感できたのだと思います。
 
 
 
 
「よかったね」「先生も友達も親切で、お母さんも安心したよ」と親子で前向きな会話ができました。
 
 

4. 学校以外の居場所づくりで不安を和らげる

 
 
転校先の学校に馴染めるのがベストですが、うまくいかなかった時のことも想定しておきます。
 
 
好きな習い事や趣味など学校以外の楽しめる居場所は、心のセーフティネットになります。
 
 
息子はミニ四駆が好きなので、下見旅行で改造とレースができる店舗の見学をして引っ越しが待ち遠しくなりました。
 
 
また、オンラインのプログラミング教室は転校しても続けられます。
 
 
家も学校も変わる時に、変わらないものがあることはストレスに弱い発達障害の子どもの安心材料になりますね。
 
 
 
 
いかがでしたか?
 
 
わが家の場合、学校見学と趣味の活動を楽しめたことで、引っ越しや転校の不安がポジティブなイメージに変化しました。
 
 
実際に転校して数か月が経ちましたが、息子は毎日学校に通えており、大きなギャップを感じることなく順調に過ごしています。学校見学や事前準備が効果的だったと感じています。
 
 
転校にストレスを感じる支援級の子には、学校見学をぜひ検討してみてください。
 
 
また、お子さんのタイプや好きなことに合わせて内容をアレンジされると、ベストな事前準備ができると思います。
 
 
支援級っ子の転校ストレスが、少しでも軽くなるお役に立てましたら嬉しいです。
 
 
 
 
 
 
ストレスや不安に弱い支援級っ子の子育てに役立つ情報をお伝えしています。

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執筆者:小川陽子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
 
 
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