説明が苦手、作文を書くのが苦手な発達凸凹キッズは、ワーキングメモリーを伸ばすことで「できない」を「できる」にしてあげることができます。得意な○○をすることで言語力がUPし、作文や手紙が書ける様になる方法をご紹介します。
【目次】
1.説明が苦手だったり作文が苦手な発達凸凹キッズに手を焼いていませんか?
2.作文とワーキングメモリーの関係とは
3.好きなことで作文が苦手を克服!
1.説明が苦手、作文が苦手な発達凸凹キッズに手を焼いていませんか?
説明することが苦手だったり、先生の指示を理解し難い特性がある発達凸凹キッズ。
・ドリルをやらせようとしても嫌がる
・問題の意図が理解できない
また、物の名前を教えてもなかなか覚えられず、語彙が増えないといった悩みはありませんか?
発達凸凹の子の場合、やらせようやらせようとするともっとやりたがらなくなる、かえって逆効果になってしまう場合があります。
せっかく子どもが何かに興味を持ったとしても、強制されることで嫌いになってしまっては、脳を発達させてあげることができません。
どんなやり方をしたら抵抗感を減らし、子どものやる気を伸ばしてあげることができるのでしょうか。
2.作文とワーキングメモリーの関係とは
「作文が苦手な子は歌をたくさん歌わせると良い」
発達科学コミュニケーション創始者の吉野加容子さんは言っています。
歌なら喜んで歌う!というお子さんはたくさんいるのではないでしょうか?
では、作文が書けるようになることと、歌を歌うことはどのように関係しているのか。
歌を歌う時、ダンスをする時に、特に使う脳の部分が前頭葉です。
そこを発達させてあげることで、一緒に発達するのが、ワーキングメモリー。
ワーキングメモリーとは、入ってきた情報を頭の中で保持して、どの情報を覚えておけばいいのか、どの情報は削除していいのかを整理する能力の事です。
ワーキングメモリーが弱いと記憶が苦手や、2つの指示を実行できない、順序の整理ができない、模倣できない、またパニックになりやすい、という困りごとが起こります。
ワーキングメモリーは、4つの要素で構成されています。
1)耳から入った情報を覚える
2)目から入った情報を覚える
3)イメージを頭の中で動画のように覚える
4)記憶する部分を使いながら処理をする
これらの動きのほとんどを使う、歌うことやダンスは正に、ワーキングメモリーを伸ばすのにピッタリなわけです。
また「会話」も、相手の話を一時的に覚え、同時に話の内容や相手の表情から、相手の意図を汲み取りながら、更に自分の意見も交えて進めていきます。
つまり、上記の(1)〜(4)の動きを繰り返します。
ですから、会話は歌と同様に、ワーキングメモリーの要素のほとんどを使い、鍛えていることになります。
お母さんとたくさん会話する=ワーキングメモリーが鍛えられる=作文や長い文章が書ける様になるという訳です。
ドリルを強要せずに、大好きな歌やダンスをしながら、会話を楽しんで、脳が発達してくれるなんて、素敵な流れじゃないですか?
3.好きなことで作文が苦手を克服!
歌が好きな発達凸凹キッズの言語力を伸ばすためのオススメの遊びをご紹介します。
◆①歌をたくさん聴く、そして真似して歌う。
歌を真似するのでも、お子さんの好きなミュージシャンや、憧れの人の音声や映像は、更に効果UPが期待できます。
「好き」な気持ちはただただ聴いている、観ている時よりも脳に大きく影響し、発達を促すからです。
さらに、お母さんや周りの人が、その様子を見て褒めてくれたり、一緒に楽しく歌ったり、手を叩いてくれることでお子さんの自信が増えていきます。
この自信が大切。
自信が付くと子どもはもっと発達を加速させていくのです。
さらに、真似して歌うことが、英語の発音や単語やフレーズも無理強いすることなく覚えることにも繋がります。
聴いた声をそのままリピート、シャドーイング=後から追いかけて同じ内容を口にすることで、日本人英語の発音ではなく、ネイティブの発音に近い発音もできるようになりますよ。
このリピートやシャドーイングがまた、ワーキングメモリーを鍛えるのに良いのです。
前項でご紹介したワーキングメモリーの4つの要素の、1)、4)をしています。
◆②リトミック的な動きをする。
「あーたま、かた、ひざ、ぽん!」みなさんも聞いたことがありますよね!
この歌は、体の動かし方を見て、記憶しながら再現、さらに発語することをしていて、歌いながらワーキングメモリーを鍛えています。
また、ドレミの音に合わせて、音の高さを発音と手で表現する動きをすると、低いドと、高いドの音の違いを体感しながら覚えられます。
体感しながら覚えたことは、身に付きやすく、しっかり頭と体に定着します。
さらに、リトミックでよくするのが、音を聴いて止まるとか、早く動く、静かに動くなどの、聴いたことに反応して、体の動きを連動させるレッスン。
前項でご紹介したワーキングメモリーの4つの要素の全てをしていることになります。
こうして遊んでいるうちに、会話が繋がる様になる、教科書の内容が理解できることに繋がっていく、さらには作文が書けるようになる、ダンドリ力も付く、など良いこと満載とのこと。
好きなことで得意をどんどん伸ばしていって、作文もすらすら書けちゃう様になったら、お子さんもお母さんも楽しみながら成長できちゃいますね。
歌やダンスが好きな子には絶対におすすめです。
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執筆者:五上亮子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)