発達障害の幼児期に起こる睡眠問題「夜泣き?」お母さんにして欲しい2つのこと。 

発達障害やグレーゾーンの子どもは、就寝時に驚いたように突然飛び起きて、怖がったり、パニックになる…など、特に幼児期にはこのような状態になることがあります。これは、脳の発達にも関わる睡眠の問題。私が悩まされた息子のエピソードと、その対応をお伝えします。
 

【目次】

 

1.夜驚症?夜の飛び起き問題を解説

 
 
皆さんは、怖い夢を見て飛び起きるという経験ありますか?まさしく今、子どもがその状態です!というお母さんもいらっしゃるかもしれません。
 
 
それがあまりにも長く続いたり、そのことを本人が覚えていないようであれば 「夜驚症(やきょうしょう)」「睡眠時驚愕症(すいみんじきょうがくしょう)」と言われるものかもしれません。
 
 
発達障害・グレーゾーンの幼児期に現れるケースとしては、少なくないようです。
 
 
ただ、睡眠時のパニックは子どもで珍しい現象ではなく、それ自体が病的というわけではなく、いわゆる「夜泣き」も含まれます。「夜泣き」は乳児期、睡眠時に起こるものですが、一過性で成長と共に減ってきます。
 
 
本人やご家族に何らかの支障がある、症状がひどくなっていくなどの場合には1つの病気として対応されることもあります。逆に言うと日常に支障が無ければ、さほど心配のないものと言えるのかもしれません。
 
 
 
 
けれど、子どもが不安そうに飛び起きるのですから…親としては心配になりますよね。突然始まった我が家の息子のケース。治まっていった経緯も含めてご紹介します。
 
 
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2.お泊り保育がきっかけで始まった息子のケース

 
 
我が家の息子は、現在5歳の年長。保育園が大好きな男の子です。3歳のときに、自閉症スペクトラムと診断されました。
 
 
そんな息子が、運動会に続く保育園最後の一大イベント「お泊り保育」をきっかけに、夜に突然飛び起きる現象が始まりました。(厳密に言うと、お泊り保育の1週間前から)
 
 
入眠後、30分~1、2時間後に突然飛び起きて、
 
「怖い!怖い!どうしよう!」
「〇〇先生(担任)、ごめんなさい!」
「あ~っ!こわい」
 
など、おびえたような表情と声で、立ち上がって部屋をウロウロすることもありました。
 
 
汗をびっしょりかいているときもあり、強い自律神経の興奮もみられました。何かに激しく驚いたり、強くおびえたりしたときと同じ状態になっていますが、目覚めているわけではありません。
 
 
最中に声をかけても覚醒はせず、パニックは一時的で30秒~5分程度、長くても10分程度で落ち着き、何事もなかったように再び眠りにつきます。パニック時になだめようと抱きしめたり、話しかけるのですが、あまり効果はありませんでした。
 
 
あれだけ驚かせ、しばらく心配で眠れなかった私の気持ちは露知らず、翌朝その話をしても本人はさっぱり記憶がないのです。お泊り保育自体は本人もとても楽しみにしていたので、私は最初はそのことが原因だとは思っていませんでした。
 
 
お泊り保育から帰ってきた日は土曜日。本人も元気に、そしてたくさんのお話しをしてくれました。
 
 
「お山に登ってみんなでお弁当食べたんだよ!」
「夜はみんなでお鍋を作って、最後にラーメン入れたんだ!」
「夜は先生たちと楽しいゲームをしたんだよ!」
 
 
1年前までは、私と離れて寝るなんて無理だろうと思っていた発達凸凹の息子が、親と離れて眠れたこと、楽しくお話してくれたことに感動していました。
 
 
翌日の日曜日も家族で近くの海にカニ釣りにでかけたり、公園で遊んだりと、予定を入れずゆっくり過ごしました。 そのときも、夜に飛び起きるのは続いていました。
 
 
ところが!週明けの月曜日、目は覚めているのに全く起きて来ません。それどころか「保育園に行きたくない」と涙を浮かべて懇願するように訴えてきます。
 
 
「なぜ?」と理由を聞くと「〇〇(自分)くん、すぐにお友達と喧嘩するから」や「だってすぐ怒っちゃうから」と泣きながら言ってくれました。
 
 
後で先生から聞いたのですが、お泊り保育の2日間は癇癪持ちの息子が1度も怒ることなく、悔しかったり腹が立っても我慢していたそうです。
 
 
そして、怒るかな?と思ったタイミングで「〇〇先生(担任)、大好き!」とその度に叫んでいたそうです。
 
 
まるで自分で呪文をかけるように…。夜も先生に自ら「トントンしてください」と言いに行って、背中をトントンしてもらいながら寝たそうです。
 
 
そうなんです!息子はめちゃくちゃ頑張っていたんです!
 
 
お友達と仲良くしなければいけません、怒ったり、人が嫌がることはしてはいけません!頭では分かっているけれど、本人が持っている特性上、コントロールが及ばないこともあり 日ごろから怒りっぽいことが多いのです。
 
 
それを2日間、彼は全力でコントロールしようと頑張ったのです。今思うと、どれほどのパワーが要っただろう…と切ない気持ちにもなります。
 
 
夜に飛び起きる、夜驚症のような状況になる理由としては、睡眠と覚醒の機能が未熟である、ということがあげられます。
 
 
まだ脳の睡眠機能が不完全で、眠っている状態から上手に覚醒することができず、起こると考えられています。この場合は成長とともに落ち着く一過性のものです。
 
 
 
そして、心身のストレス。 精神的な不安や疲れなど、心身に強いストレスがかかっているときは症状がおこりやすくなります。また、日中に精神を強く興奮させることがあったり、恐怖体験をしたりすると症状がおこりやすいとも言われています。
 
 
息子の場合は、睡眠機能の不完全さに加えて、お泊り保育のストレスがかなりかかっていたのだと思います。
 
 
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3.お母さんにやって欲しい2つのこと

 
 
お泊り保育後に私が意識的に取り組んだこと、それは2つだけです。
 
 
1つ目は、生活リズムを整えこと。
 
 
息子は元々、熟睡できることが少なかったのですが、できるだけ早く寝かせるようにしました。
 
 
どうせ寝ないから、とちょっとした親の油断で寝る時間がバラバラになりがちだったのですが、このことをきっかけに1時間前倒し作戦を決行!多少ずれても、以前よりは早く眠れるように変えました。
 
 
そして2つ目。それは、日中の生活をしっかり整えこと。
 
 
私は、息子と過ごす時間を増やし、意識的に楽しいことを増やし、関わるようにしました。お泊り保育終了後の週明け、登園をしぶったので、休ませて2人でアスレチックや映画におでかけ!そして、ランチも外食にして、息子と1日中遊びました。
 
 
2日目も休みたいと言ったので、休ませて息子のやりたいことを優先して、1日過ごしました。
 
 
3日目には、普通に元気に登園し、その後は登園しぶりはありません。
 
 
 
 
しばらくの間、先生に相談しお迎え時間を早めて、夕方も本人の希望を聞き、がっつり公園で遊んでから帰宅するようにしました。
 
 
睡眠リズムが整わない子に、早寝早起き習慣を身につけさせましょう!と言われても、なかなか難しいですよね。分かります!!
 
 
まずは、その子なりの睡眠リズムができていれば〇!夜に何度も起されるのは、ママも体力的に辛いものがありますが、無理になんとかしないと!と焦らないことが大切です。
 
 
始めは無理せずに、できる範囲で早く寝る工夫をしてください。日中の活動量が増え、脳が発達してくることで睡眠もきちんととれるようになってきます
 
 
2か月近く私を悩ませた息子の睡眠問題ですが、今はほぼ治まっています。今回のできごとは、私にとっては、それだけ息子が毎日頑張っているんだ、ということを改めて認識させてくれました。
 
 
大人も子どもも睡眠が大事なのは同じ。同じようなケースで対応に困られたときには、気負わずに、昼間にいつもより少しだけ楽しいこと優先で過ごしてみてくださいね。
 
 
子どもへの対応に悩まれているママへ! 

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執筆者:瀬名香織
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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