この春スマホデビューしたお子さんと作りたい!わが子専用のスマホルール

この春スマホデビューしたお子さん、さっそく長時間使用が気になっている、ルールを全然守ってくれない…と悩んでいませんか?発達障害の子どもたちがスマホをうまく利用していくためのルール作りについてお伝えします。
 
 

【目次】

 

1.スマホのルール作りについてまるっと解説します!

 
 
今は小学生もスマホを持っている時代。この春、お子さんがスマホデビューしたという方も多いのではないでしょうか?
 
 
こんなに小さいうちからスマホを持たせていいのだろうか?本当はまだスマホデビューさせたくない!という想いを抱きつつ、スマホを買い与えてしまったという方も少なくないはず。
 
 
どんな風にスマホを使うか、しっかり約束して買い与えたはずなのに、さっそくスマホをいじってばかりで、宿題をやる時間がどんどん遅くなってる…
 
 
お母さんの悩みはつきませんよね。
 
 
子どもがスマホを持つことが普通の時代。だからこそ、子どもがスマホとうまく付き合っていけるように導きたいですよね。
 
 
 
 
子どもにスマホを渡す際に考えたいのが、「ルール作り」。
 
 
ルールを作ったけれど結局守れてない…というケース、実はとても多いですよね。
 
 
 
 
ルールを作ったのに即日破られてしまった…
 
お母さん自身も、もうルールを曖昧にしか覚えていない…
 
結局守れないんだったら、ルールなんて作る意味ないんじゃない?
 
 
という方のために、この記事では、お子さんのスマホのルール作りについて詳しく解説していきます。
 
 
 
 
どんな項目についてルールを決めたらいいのか?
 
せっかく決めたルールを守るためにはどうしたらいいのか
 
 
悩んでいるお母さん、ぜひ続きをお読みください。
 
 
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2.知ってる?ルールを決めているご家庭は●%!

 
 
スマホのルールをどう決めていくか?を考える前に、お母さんにぜひ知っておいていただきたいデータをご紹介します。
 
 
日本の子どもたちのインターネットやスマホ・タブレット事情を知りたいとき、ぜひ見ていただきたいのが、毎年内閣府が行っている「青少年のインターネット利用状況実態調査」のデータです。
 
 
注目していただきたい項目はこちら!インターネットの利用についてルールを定めているか?という質問に対する回答です。
 
 
 
 
このデータで注目してほしい点が2つあります。
 
 
ひとつは、ルールなしで使用しているご家庭が少なくないこと。
 
もうひとつは、保護者と子どもの間でルールに対する認識が異なることです。
 
 

◆①ルールなしでスマホを使用しているケースが少なくない!

 
 
まず注目したいのが、「ルールなしで使用している」と回答したケースが少なくなかったこと。
 
 
保護者と子どもの間でポイントに差はありますが、小学生・中学生ともに少なくとも10%以上の家庭でルールなしで使用しているということが分かりました。
 
 
みなさん、この数字を見てどう感じましたか?
 
 
ルールを決めないなんてあり得ない!
絶対に長時間使用して、中毒になっちゃう!
 
 
こんな風に思いませんでしたか?
 
 
まずみなさんに考えていただきたいのは、ルールの有無の是非ではなく、インターネットを楽しんだり、スマホを使用したりする目的です。
 
 
インターネットやスマホを使って、子どもにどんな力をつけてほしいのか?
 
そのためにはどんな使い方をしたらいいのか?
 
 
ルールを作るということは、使用に制限を設けるということです。
 
 
まずは制限を取っ払って、子どもにスマホでどんな力をつけてほしいのかを考えてほしいんです!
 
 

◆②親子間でルールに対する認識が異なる!

 
 
ルールを決めたとしても、守られなければ意味がないですよね。
 
 
このデータでもうひとつ着目したいのが、親子間で「ルールがあるかどうか」のポイントに差があること。
 
 
これはつまり、
 
親:「ルールを設けている」
子ども:「ルールはない」
 
ルールの存在そのものの認識が異なっているケースがあるということ。
 
 
親と子どもで認識が異なると、親子関係が悪化する原因になりかねません。
 
 
親はルールを守らせようと子どもへの指導が厳しくなりがち。一方で子どもはルールはないと思っているので、親の指導が納得できません。
 
 
 
 
特に中学生では、親子間での認識のギャップが20%ととても高くなっています。
 
 
思春期真っただ中の中学生、ただでさえ親子の会話が減るタイミングで、インターネットの使用に関して親子バトルになりやすい、ということが分かります。
 
 
スマホのルールを作るなら、親子間でルールの認識を統一しておくことは絶対に必要です!
 
 
次に、具体的なルール作りについて考えていきましょう!
 
 
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3.子ども向けスマホのルール作りで大事な4つのポイント

 
 
ルールを作る際に大切なのは、親子で認識を統一しておくこと。そのためには親子でしっかり話し合って、双方が納得してルールを決めることです。
 
 
親が一方的なルールを作って押し付けるのはもちろんNGですが、子どもの意見をすべて受け入れるのも違います。
 
 
双方が理由をしっかり話し合って、納得したうえでルールを決める。そうしないと、せっかくルールを決めたのに結局守られず、親子バトルのきっかけになってしまいます。
 
 
これを踏まえて、スマホのルールを作る際にどんな順番で進めていけばいいのか、まとめました。
 
 

◆①親子関係を良好にする

 
 
スマホのルール作りとは一見関係なく感じますが、一番大事なのは親子関係をスムーズにしておくこと
 
 
親子でしっかり話し合いができる関係にしておかないと、お互いに納得するルールを作ることはできません。
 
 
特に、子どもが自分専用のスマホを持ち始めるのは11歳~12歳。思春期に入っている子どもとルールについて話し合うのは、想像以上に難しいことではないでしょうか。
 
 
会話量が減るのは仕方ないとしても、必要な時はしっかり話し合いができる親子関係を作っておきましょう!
 
 

◆②子ども自身に使用目的を考えてもらう

 
 
「お母さん、スマホ買って!」と言われたら、まず聞いてほしいのが、何をしたくてスマホを欲しがっているかということ。
 
 
スマホはあくまでも道具ですから、使う本人に目的を考えてもらいましょう!
 
 
大事なのは使用目的ですから、お友達が持っているから自分も欲しい、というのはもちろんNG。「何に使いたいの?」と考えるチャンスをあげてください。
 
 
・友達と連絡が取りたい
・ゲームがしたい
・YouTubeが見たい
 
 
など、目的はさまざま。スマホは多機能ですから、使いたい目的は複数あって当たり前です。
 
 
ここで大事なことは、目的外のことには使用しない!というルールを作るのではなく、スマホでできることを親子で学ぶこと。
 
 
インターネットを正しく使いこなすために必要な「インターネットリテラシー」を学ぶチャンスになります。
 
 
フィルタリングや個人情報の管理・公開については、この段階で話し合うのがおすすめです!
 
 
 
 

◆③毎日の生活リズムを見直す

 
 
スマホのルールを作るにあたって、考えるべきと言われているのが次の項目です。
 
 
・使用時間
(1日●時間以内、夜△時まで など)
 
・使用する場所
(リビングだけで使用する、子ども部屋やお風呂・トイレには持ち込まない など)
 
・使用するアプリ
(親が許可したものだけ使用する、有料アプリやアプリ内の課金はNG など)
 
 
この3つです。
 
 
これらを決めていくにあたって、まず見直したいのが毎日の生活リズム。
 
 
実際に子どもがスマホを使用できる時間がどれぐらいあるのか?
 
平日と休日で異なるのか?
 
家族の生活リズムはどうか?
 
 
をチェックしていきましょう!
 
 
現代っ子は、習い事に、塾に、部活に、毎日とても忙しいですよね。
 
 
実際にスマホを扱える時間がすごく短い場合は、そもそも時間のルールを設ける意味はないかもしれません。
 
 
反対に、おうちにいる時間が長いお子さんに対して、長時間使用してほしくないからと言って短い時間をルールにしてしまうと、すぐに破られてしまいます。
 
 
おうちのなかでスマホ以上に楽しめるものが見つからないと、スマホに手が伸びるのは当然のこと。長時間使用してほしくないなら、ライフスタイルから見直す必要があります。
 
 
「リビングで使用する」というルールを作っても、お父さん・お母さんの生活リズムと合わなければ、子ども部屋でやっているのと同じですし、リビングで遊んだり宿題をしたりする下のきょうだいのことも考えたいですよね。
 
 
大事なことは、生活リズムを崩さないことを前提に、おうちの状況に併せて子どもの希望を叶えていくこと。
 
 
使用する前から、あれはダメ、これはダメ、と制限をつけるネガティブなルールを作るのではなく、子どもが何に使いたいか?そのためにどれぐらいの時間がほしいのか?の希望を叶えていく、というスタンスだと子どもがルールに納得しやすくなります。
 
 

◆④ルールを守れなかったときの対応

 
 
生活リズムの中で、お子さんの希望を叶える形でルールを決めた段階で、毎日のようにルールが破られてしまう、ということはなくなるはず。
 
 
加えて、お子さんがルールを守れるようにお母さんがマネジメントしていくと完璧です!
 
 
けれど、もしルールが守れなかったら…?
 
 
一番避けてほしいのは、本人が納得していないペナルティです。
 
 
ルールが守れなかったとき、一定期間スマホを取り上げたり、翌日以降のルールを厳格にしたりなどの罰を与えることをされる方がいらっしゃいますが、私は反対です!
 
 
その理由はたったひとつ、親子の信頼関係にひびが入るからです。
 
 
特に、親子関係が不安定な状態で、子どもが納得していないペナルティを与えると、子どもの態度は一気に悪化してしまいます。
 
 
ですから、
 
 
・親子関係を良くしておく
 
・ルールを守れるように、家族でフォローする 
 
・ルールが守れなかったらどうするか、子ども自身に考えさせる
 
 
という3点を忘れないでください!
 
 
親子関係が良好にならない状態でスマホを渡してしまった場合や、スマホを渡した後で、親子関係が不安定になってしまった場合、最優先で対応するべきなのは、親子関係の修復です。
 
 
スマホのルール作りや、ルールを守らせることはお休みで構いません。子どもが自分でやめるのを待って、やめられたら声をかけてあげてください。
 
 
 
 

4.パステルキッズだからこそ考えたい!「ルールなし」という選択

 
 
スマホのルール作りのポイントを解説してきました。
 
 
スマホのルールは、あくまでも使用する子ども本人のためのもの。
 
 
子ども本人のためであるなら、あえてルールを設けないというのも選択のひとつだと考えています。
 
 
そもそも、親がスマホのルールを設けたい理由はただひとつ!
 
 
子どもたちに、スマホで無駄な時間を費やしてほしくないからです。
 
 
けれど、スマホは今後も私たちの生活に欠かせない存在であり続けるでしょうし、毎年のように新しい機種が誕生します。それだけ、IT機器の発展は目覚ましいんです。
 
 
このIT機器の発展は、間違いなく発達障害・グレーゾーンの子どもたちを助けてくれます。
 
 
物の管理やスケジュール管理など、パステルキッズたちが苦手とする分野こそ、IT機器が威力を発揮します。
 
 
こういう状況で、厳格な制限を設けることが果たして子どもたちのためになるのか?と疑問を持ち続けることが大切だと思います。
 
 
スマホは多機能で、便利で、楽しいアプリが無数にあります。スマホで勉強するのも、習い事のレッスンを受けるのも当たり前の時代。
 
 
ゲーム中毒の心配はありますが、宿題・食事・入浴・睡眠などの基本的な生活習慣が問題なくこなせているのであればまずは問題ないと考えていいかもしれません。
 
 
心配なのであれば、ゲーム以外のもっと楽しいスマホ使い方を発見して、スマホの使いこなす方法を一緒に見つけていくのも親の役割だと思います。
 
 
 
 
良好な親子関係を保っていれば、あえてルールを設けなくても、
 
 
「そろそろおしまいにしたら?」という一言でスマホを置けるようになりますし、「こんなのおもしろそうじゃない?」という一言に興味を持ってくれるはず。
 
 
ということは、ルールに頼らなくても、スマホで無駄な時間を費やすような使い方は避けられるはずです!
 
 
これから長いお付き合いになるスマホ。ルール作りについて改めて考えるきっかけにしていただけたら嬉しいです。
 
 
 
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執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
 
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