
何度叱ってもゲームをやめない子どもに困っています。起きたらすぐにゲーム、ご飯を食べ終わったらゲーム、帰宅したらゲーム。ずっとゲームをしています。一応宿題はやってるのですが、あまりにゲームの時間が多いのでゲーム依存ではないかと不安です。叱ってもやめさせることができないのでイライラしてしまいます。
小1・男の子のママ

空き時間ができると、ここぞとばかりにゲームにハマるお子さんはたくさんいます。特に発達障害のお子さんのなかには、ゲームに弱い脳を持っている場合があります。ゲームの実態を知って、付き合い方を見直していきましょう!
発達科学コミュニケーションリサーチャー 丸山香緒里
【目次】
1.大失敗!ゲームをやめない子どもに爆発寸前
子どもが毎日ゲームにどっぷり浸かっていて、いつまでもやめない…
何度叱ってもゲームをやめさせることができない…
というお悩みをもつママは多いですよね。
私もその一人。息子は発達障害・自閉症スペクトラム。今年4月、小学校に入学しました。
入学を機にきょうだい共用のスマホを持たせたのですが、一気にゲームにはまってしまいました。
最初はルールとして「お父さんと一緒のときだけね」と伝えていました。
ところが、小学校に入学し、慣れない学校生活に疲れてくると、帰宅するなりすぐにスマホに手が伸びるように。

ここで「お父さんと一緒のときだけだよね?」とルールを念押しすればよかったのですが、そうしなかったのが私の失敗!
「学校で疲れてるんだよね…」
「ゲームで元気になるならいいか…」
とスルーしてしまったんです。
結局、ズルズルとゲームの時間は伸び、いつの間にか家にいる時間はずっとゲームをしている状態に…
ごはんの時間、お風呂の時間、宿題の時間はそれぞれきっちりやるのですが、それ以外の時間はずーっとゲームをしているレベルではまってしまいました。
そのうちトイレにも持ち込むようになってしまい、「この子、もしかしてゲーム依存?」という考えが頭によぎるように…
スマホでゲームをやっている息子を見ると、心配とイライラで爆発しそうでした。
2.発達障害の子どもがゲームにドはまりしてしまう理由
ゲームにハマってしまって長時間やりっぱなし!という子どもをゲームから引き離すのは大変です。
実は、私は自分がゲームをした経験がほとんどなかったので、「ゲームなんて時間の無駄!なんでやめられないんだろう?」と不思議で仕方ありませんでした。
特に発達障害の子どもたちは、ゲームにハマりやすいといわれています。
ゲームをやっていると、
・ボスを倒したり
・ポイントやコインをゲットできたり
・強い仲間が得られたり
小さなご褒美のようなものが絶えずセッティングされていますよね。
発達障害、特に注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプの子どもたちは、このご褒美システムにハマりやすいと言われています。
発達障害の子どもは、ゲームにどっぷりはまってしまう脳の仕組みをしていると考えてください。

私はこの事実を知って、「ゲームをやめさせることができなくて当たり前」と思うようになりました。
もともとの脳の仕組みにプラスして、莫大は開発費をかけてプロたちが「ハマる」ゲームを作っているのです。
7歳の子どもが太刀打ちできなくて当たり前、と思うと、気持ちが楽になりました。
3.お母さんも一緒にゲームしてみよう!
息子の場合、宿題やごはんの時間にスマホを触ることはありません。外出の際はスマホを家に置いていくこともできます。
このようにメリハリがつけられるのに、結局家にいるとスマホに手が伸びてしまう…
この状態を見ていて、息子は家の中ではゲーム以上に楽しいものが見つかっていないんだ、と思いました。
一番楽しいからスマホに手が伸びる。考えてみれば自然なことだったんです!
子どもが納得していない状態で無理やりゲームを取り上げると、親子バトルの元。「ゲームやめなさい!」とガミガミ叱り続けると、親子関係が悪化してしまいます。
そうなってしまうと、ゲームをやめさせるどころか、暴言や暴力に発展してしまう可能性があるんです!
親子関係を悪化させず、子どもが納得してゲームをやめられるようになるには、まずお母さんがゲームを知ってください!

お母さんはゲームをやりますか?
お子さんがゲームをやっている様子を見て「何やってるだろう…」「何がそんなに楽しいの?」と思っているのなら、ぜひゲームをやってほしいんです!
お母さんがお子さんと一緒にゲームをやるメリットは3つあります。
◆①ゲームの面白さが分かる
お母さんがゲームの面白さを知るメリットはたくさんあります。
やめられない子どもの気持ちが分かるようになり、頭ごなしに「やめなさい!」と言わなくて済むようになります。
無理にゲームをやめさせるよりも、「面白いのは分かるけど、次は○○する時間だからね」と言われた方が、気持ちよくやめられますよね。
◆②ゲームを辞め時が分かる
ゲームは楽しいので、終わりにするタイミングが難しいですよね。お母さんがゲームを分かっていれば、今はいいところだから無理だな…と分かりますね。
スムーズにやめられるタイミングを見計らって、声をかけられるようになるかもしれません。
また、一緒にゲームをする楽しさを子どもが分かってくれるようになったら、「お母さん、そろそろおしまいにするけど、どうする?」と声をかけることができますよね。
「いい加減にゲームやめなさい!」と叱ってやめさせるよりも、ずっとスムーズだと思いませんか?
◆③子どもとの共通の話題ができ、親子の会話量を増える
親子で一緒にゲームをやれば、ステージをクリアするために、一緒に計画したり協力したりすることを学べます。
「わぁ~!すごいね、どうやったの?」
「クリアしたね、さすが!」
「クリアしたね、さすが!」
と、お母さんが肯定的に声をかければ、子どももお母さんの話に耳を傾けてくれるようになるはずです。
ゲームを通して親子関係を良好にすることもできるんです!
今、子どもがゲームに夢中で、「やめさせたい!」と思っているのなら、叱って無理やりやめさせるよりも「子どもと一緒にゲームをする」という方法を試してみてください。
4.こうすればうまくいった!息子とゲームのお付き合い
夏休み以降、私は息子とゲームのお付き合いの仕方を見直すことにしました。
まず、「ハマるのは仕方ない」と、ゲームを無理に取り上げたり、やめさせるために小言を言ったりするのをやめました。
反対に、息子がごはん・お風呂・宿題と、やることが決まっている時間になると、スムーズにゲームをやめられる点に着目!
ルーティンが得意な息子の特性を生かして、手持ち無沙汰にならないような時間の使い方をしようと決めました。
手持ち無沙汰で暇になると、どうしてもゲームに手が伸びると分かったので、1日全体の時間の使い方を見直して、活動的に過ごそう!と思ったのです。
事前にやりたいことを聞いてピックアップしておき、時間割のように当てはめて過ごすようにしてみました。

それまで週1回だけだった習い事の回数を増やしたり、
息子のリクエストでカフェでおやつを食べたり、
学校で宿題をして帰ったり。
家にいる時間が短くなることで、相対的にゲーム時間が短くなり、毎日を活動的に過ごせるようになりました!
さらに、1人でゲームする時間、私とゲームする時間、主人とゲームする時間、と3種類のゲーム時間を設けたことで、トータルのゲーム時間は少なくなっているのにもかかわらず、息子の満足度はアップしたようです。
「ご飯できたよ」「買い物行くよ」と次の行動を促す声かけをすると、「ゲームやめなさい!」と言わなくてもやめられるようになりました。
相談者さんのお子さんも、ゲームにハマりながらも宿題ができているところを見ると、手持ち無沙汰だったり、他に楽しい活動がなかったりするために、ついついゲームをやっている可能性もあります。
ゲーム、やめなさーい!と叱るのではなく、
・一緒にゲームを楽しむ
・1日の時間の使い方を見直す
・次の行動を促す声かけをする
という3点を試してみてください!
ゲームを悩みではなく”武器”に変える方法が分かります↓↓

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パステルキッズとゲームのお付き合いについて解説しています
執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)