ワーキングメモリが弱い発達障害の子どもの理解がぐっとすすむ!話し方のコツ

 

子どもと話をしていて理解できていないなと感じることはありませんか?発達障害の子どもは聞いた内容を理解するのに時間がかかることがあるのです。今回はワーキングメモリの弱い発達障害の子どもの理解がすすむ話し方のコツ、お伝えします。
 

【目次】

 

1.分からない、会話が成り立たないのはどうして?

 
 
お子さんと話をしていて、
 
 
・話をちゃんと聞いていない?と感じる
 
・返事がちぐはぐで期待していたような答えが返ってこない
 
・伝えたこともすぐに忘れてしまう
 
 
など、子どもとの会話がうまく成り立たない、話の内容をちゃんと理解できてない…と感じることはありませんか?
 
 
こんな様子が続くとお母さんも、もう~なんで話が通じなの!とイライラしたり、学校でも授業が分かっていないんじゃないかしら?と不安になったりしますよね。
 
 
会話を理解するには、耳で聞いた情報を一時的に保持したり、その情報を処理するワーキングメモリという能力が大切になってきます。
 
 
けれども、発達障害の子どもは脳の成長がゆっくりなことがあり、このワーキングメモリが弱いことで聞いた話をちゃんと理解できていないということが起きてしまうのです。
 
 
 
 
聞いたはずの情報を頭の中にとどめておけないとなると、その情報を使って考えることもできませんし、自分が話したい言葉を組み立てて意見を言うこともできません。
 
 
学校でもお母さんが小学生だった頃と比べて、覚えて知識を増やすことより話を聞いて自分で考える、みんなで話し合って意見をまとめるという力がより多く求められるようになってきています。
 
 
聞いた情報を理解する、処理するということは本当に重要な能力なのです。
 
 
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2.ワーキングメモリが弱いことで発達障害の子どもに起こる困りごと

 
 
実は、わが子もワーキングメモリが弱い傾向があります。
 
 
そのため、
 
 
授業を聞いているのによく分からない
 
どう思いますか?と聞かれても答えられない
 
口数が少なくなり、お友達との会話も弾まない
 
授業が分からないから集中力も続かなくなる
 
 
と、特に小学校入学したばかりの頃は理解力の弱さから学校での困りごとも多くなっていました。
 
 
さらに、できない、分からないことが続くと子ども自身もストレスを感じたり、自己肯定感が下がってしまうことあります。
 
 
授業が分からないでぼーっとして過ごすなんて、つまらなくて退屈になってしまいますよね。
 
 
わが子が以前、学校への行き渋りがあったのも、もしかしたらワーキングメモリが弱いことがきっかけで学校が嫌になっていたのかもしれません。
 
 
 
 
家でも「~ってどう思う?」と聞いているのに返事がないということがあると、私ももう、しっかりしてよ!」イライラしてしまうこともありました。
 
 
さらに、「ちゃんと聞いてる?なんで答えないの?」と責めるような口調で問いただしていたのです。
 
 
すると 「今考えてるのに、そんなにうるさく言うから忘れちゃったじゃん!」と子どもに言いわれ、ハッとすることもありました。
 
 
そうです。子どもなりにゆっくり理解し考えていたのです。
 
 
では、どのように対応したら良いのでしょうか?
 
 
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3.子どもの理解がすすむ!とっておきの話し方ポイント

 
 
ワーキングメモリが弱い子どもへ理解を促すときには、より伝わりやすく、理解しやすい伝え方があるんです! 
 
 

◆注目を向けさせる

 
 
大人でも、気がそぞろになっているところに急に話しかけられると「え?今なんて言った?」と感じることがあると思います。
 
 
理解がゆっくりな発達障害の子どもにとっても、注意が向いていないと話の内容は認識できません。
 
 
まずはちゃんと聞いてもらい、話に注目を向けさせることが大切です。
 
 
話をするときには
「ちょっといいかな?」
「お願いがあるんだけど」
 
 
などと前置きをして、心の準備をさせてから伝えると話に注目しやすくなり、理解がしやすくなります。
 
 

◆穏やかにゆっくりペースで

 
 
言いたいことがあるママは、つい早口になってしまいがちですが、伝わらなければ意味がありませんよね。
 
 
大事な内容こそ、子どもの反応を見ながら穏やかにゆっくりと話をすることが重要です。
 
 
さらに、何か返答を求めるのであれば、イライラしないで考える時間をしっかりと取ってあげてくださいね。
 
 
そうすることで、子どもにも余裕ができて、子どものペースで一生懸命考えてくれるようになります。
 
 
 
 

◆短い文章で情報量は少なく

 
 
たくさんのことを伝えようとすると、話が長くなってしまいますね。
 
 
「帰ったら手を洗って、連絡帳とおたよりファイル見せてね、あ、今日ちゃんと傘持って帰ってきた?」
 
 
と、一度にたくさんの情報を伝えてしまうと、処理しきれない情報がスルスルと頭から抜け落ちてしまいます。
 
 
あれ、最初に何か言ってたな…となったら、ママもガッカリですね。
 
 
ですから、伝える情報は少なく、簡単に!
 
 
帰ったら手を洗ってね。
連絡帳も見せてくれる?
お便りファイルはあるかな?
 
 
などと、1つ済んだら、また1つ伝えるという具合にして行動を促していきましょう。
 
 
さらに、きちんと行動できたら、褒めることもお忘れなく!
 
 
ちゃんと聞いて、実行できたということが当たり前になり、子どもの自信につながります。  
 
 

◆目で見て理解力を補う

 
 
例えば、私たちも道順は口頭で説明されるよりも、手元に地図を持っておいて説明してもらった方が分かりやすいですよね。
 
 
これと同じように、子どもにとって理解がむずかしそうなことは、絵や動画を見せながら説明すると、口頭だけでは分からなかったことが理解しやすくなります。
 
 
子どもが苦手な病院や歯医者など、どんなことをされるのか心配、不安になってしまう場合には、先が読めて何をするか分かると安心の1つになります。
 
 
いかがだったでしょう?
 
 
発達障害の子どもがきちんと聞くことでき、しっかりと情報を取り込むことができればずいぶんと理解はすすみます。
 
 
そして、分からなかったことが分かるようになると、学習に対しても今よりも意欲が湧いてきたり、お友達との会話がスムーズになったりとメリットはたくさん。
 
 
おうちでの会話を工夫して、ぜひ発達障害の子どもの理解力の困りごとを解消していってくださいね。
 
 
 
 
 
ワーキングメモリが弱い子どもへの対応法、まだまだご紹介しています!

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執筆者:井上喜美子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)

 

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