各地でコロナ休校や学級閉鎖が頻発した3学期。まもなく4月のこの時期に、パステル総研では「パステルキッズの進級に関するアンケート」を実施しました。その結果、新しい担任の先生との相性や学習が難しくなることなど、様々なママの不安が判明しました。
【目次】
・調査期間:2022年3月8日~3月13日(6日間)
・回答者 :パステル総研読者/トレーナーのメルマガ読者、発達科学コミュニケーショントレーナー・リサーチャー 184名
・調査方法:インターネット調査
・回答者 :パステル総研読者/トレーナーのメルマガ読者、発達科学コミュニケーショントレーナー・リサーチャー 184名
・調査方法:インターネット調査
1.現在40%の小学生が「登校渋りしている」という現実
3学期は、日本各地でコロナの影響により、休校や学級閉鎖が頻発しましたね。突然学校がお休みになったり、コロナ感染の不安により、大人も子どもも不安な日々を過ごされたことと思います。
皆さんのお子さんはどんな様子でしょうか?
もうすぐ新学期のこの時期は、進級という大きな変化が目の前に迫っているため、特に発達障害・グレーゾーンの子どもたちは、不安になりやすい時期です。
そんな子どもたちを育てているお母さんたちは、子どもたちの進級についてどのように思われているのでしょうか?
今回パステル総研では、発達障害・グレーゾーンの小学生を対象とした、子どもの進級に関するアンケートを実施しました。
◆学年
今回のアンケートにお答えいただいたお母さんのお子さんに関するデータです。
お子さんの学年は小学1年生が31%と一番多く、次いで小学3年生が17%、小学2年生が16%と低学年で6割強を占めています。
◆発達タイプ
アンケート回答者のお子さんの発達タイプの内訳です。
お子さんの発達タイプは混合タイプが31%と一番多く、次いで分からないが22%、自閉症スペクトラムタイプ(ASD)が21%、注意欠陥多動性障害タイプ(ADHD)が20%、学習障害タイプ(LD)が2%、定型発達タイプも4%となっています。
発達障害のタイプについては、こちらをご参照ください。→発達障害について
ここで、進級に関するアンケート結果を見る前に、まずは現在のお子さんの様子についてお聞きした結果を見ていきましょう。
◆今、学校生活でどんな課題がありますか?
発達障害・グレーゾーンのお子さんは、学校で困ることが多くなりがちです。学校生活での困りごとは、友達関係、勉強面、先生との関係などさまざまです。また、そもそも学校が合わない子どもたちもいます。
そこで、現在、学校生活で具体的にどんな課題があるのか、当てはまるものをすべて選んでいただきました。
その結果、第1位は「登校渋りしている」で40%、第2位は「学習についていけない」で28%、第3位は「集団行動ができない」で22%となりました。
「登校渋りしている」に「不登校」を合わせると45%になり、学校が合わない子どもが4割強もいることが分かりました。
また、「友達トラブルが多い」「友達がいない」を合わせると36%となり、「友達関係」としてまとめると「登校渋り」に次ぐ第2位となりました。
これらの結果から、現在のお子さんに関する3大課題は、「登校渋り」「友達関係」「学習」ということが分かりました。
その他の課題も少しご紹介しますと、発達障害の特性に起因すると思われるものが多くありました。
「授業に集中できない」(小1男子他)
「感情のコントロールが苦手」(小1女子他)
「忘れ物が多い」(小3男子他)
「給食が苦手」(小3女子他)
「宿題ができない」(小1男子他)
皆さんのお子さんはいかがでしょうか?
今、このような課題を抱えているお子さんを見ていると、お母さんが進級に関して不安になるのも当然のことかもしれません。
では、進級に関するアンケート結果を見ていきましょう。
2.小1から小5ママの進級に関する不安の第1位は「新しい担任の先生との相性」であると判明!
◆現在、進級に関して心配やお悩みはありますか?
やはり、88%の方が進級に関して心配やお悩みがあると回答されました。
では、具体的にどのような不安があるのか見ていきましょう。
◆今年4月の進級に関して、最も不安なことは何ですか?
現在は「登校渋り」「友達関係」「学習」という課題を主に抱えているお子さんたちについて、お母さんたちは進級に関して何を不安に思われているのでしょうか?
進級するということは、クラスメイトや先生が変わってしまったり、勉強が難しくなったりすることが考えられます。また、学年によって、不安なことも変わってくるかもしれません。
そこで、最も不安なことを1つだけ選んでいただき、それを学年別に解説していきます。
小学1年生では、第1位が「新しい担任の先生との相性」で44%、第2位が「子どもの不安感が強くなること」で17%、第3位が「学習が難しくなること」で11%となりました。
小学2年生では、第1位が「新しい担任の先生との相性」で52%、第2位が「学習が難しくなること」で14%、第3位が「登校しぶりになるおそれ」で10%となりました。
小学3年生では、第1位が「新しい担任の先生との相性」で36%、第2位が「学習が難しくなること」で27%、第3位が「クラス替え(相性の悪い子と離れられるか)」で17%となりました。
小学4年生では、第1位が「新しい担任の先生との相性」で38%、第2位が「子どもの不安感が強くなること」と「クラス替え(仲のいい子と一緒になれるか)」で同率で15%となりました。
小学5年生では、第1位が「新しい担任の先生との相性」と「学習が難しくなること」が同率で32%、第3位が「登校しぶりになるおそれ」で27%となりました。
小学6年生では、第1位が「学習が難しくなること」で37%、第2位が「新しい担任の先生との相性」と「子どもの不安感が強くなること」で同率で21%となりました。
その他の自由回答に寄せられた具体的な不安では、「不登校の長期化」が全体の2%で最も多くなりました。
現在不登校のお子さんをお持ちのお母さんにとって、進級というタイミングで学校に再登校できるかできないかが、大きな不安要素になっていると思われます。
全体を見ると、中学入学で教科担任制になる小学6年生以外は、「新しい担任の先生との相性」が第1位となり、パステルキッズの学校生活における担任の先生の影響の大きさがうかがえる結果となりました。
子どもの特性を担任の先生に理解してもらえるかどうかは、子どもが学校生活にうまく適応できるかどうかに関わりますので、お母さんたちの不安も大きくなりますね。
また、高学年になると、「学習が難しくなること」もお母さんたちの心配ごとになってきています。
では、お母さんたちは、進級に関するこのような不安に対し、どのような準備をされているでしょうか?
3.すでに進級に関して準備をしているママが83%!
◆進級に関して、準備していることをすべて教えてください。
アンケートの結果、第1位は「家庭で肯定的な関わりをしている」62%、第2位は「担任の先生について配慮をお願いした」41%、第3位は「学習のつまずきをフォローしている」38%となっています。
お母さんたちは、お子さんの不安感を解消するために肯定的な対応をしたり、学校に配慮をお願いしたり、ご自分でできることは積極的に準備されている方が多数いらっしゃることが分かりました。
学校との連携については、「担任の先生についての配慮をお願いした」以外に、「クラスメイトについて配慮をお願いした」「サポートブックを作成した」と回答された方も合わせると約7割にもなりました。
この結果から、お母さんたちは進級に備えて、家庭での肯定的な関わりをしつつ、学校には配慮をお願いするという、家庭と学校の両方で準備できることはできるだけするという姿が浮き彫りとなりました。
その他に自由記述で回答いただいた一部をご紹介します。
・放課後デイサービスの先生と担任のミーティングをお願いしている。
・学習や人間関係でかなり自信を無くしてきていたので、支援級のお試しをさせて頂きつつ、家でも何か些細なことでもできたらほめたり、お小遣いに換金できるポイントをつけたりしている。それまでよりも顔が明るくなり、意欲的になった。
・苦手は多いですが、肯定的な関わりを続けることで自分からいろんなことに挑戦してがんばっているなと感じています。
・学校に夫婦で出向いて、サポートブックのようなものを作って持参し、話し合いをした。
・1年生から2年生になる時は、それまでしていただいた学校での配慮を細かく新担任に引き継いでもらった。
・教頭先生に事情を説明し、経験ある先生や配慮をお願いしました。
このように、実際にお母さんが行われているさまざまな準備が、まだ準備をしていない、また学校にどう話していいか分からないという方の参考になるかもしれませんね。
新しい担任の先生は4月に確定しますので、春休み中にサポートブックを作ってお渡しすることもできます。
また、家庭での肯定的な関わりや学習のフォローについては、今すぐにでも始められますね。特にこれから準備される方は、パステル総研にも進級準備に関する記事が多数ありますので、ぜひ参考にしてくださいね!
パステルキッズの学校生活をより良くするためのヒントが多数あります!
執筆者:佐藤とも子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)