帰宅後のギフテッドのヘトヘトの正体!「過剰適応」を和らげるためにお母さんができることは

 

「あんなに楽しそうにしてたのに、どうして急に!?」… 家に帰ったとたん、ドッと疲れが出て何もできなくなるわが子に困惑した経験はありませんか?ギフテッドの疲れに隠された「過剰適応」のサポートの仕方をご紹介します!
 

【目次】

1.学校から帰るとヘトヘト!ギフテッド・発達凸凹の特性
2.ただの疲れ?それともSOS?
3.まわりを気にしすぎず自分らしく生きてほしい…母の切なる願い
4.いつか宝物になる!「過剰適応」を和らげるためのサポート

 
 

1.学校から帰るとヘトヘト!ギフテッド・発達凸凹の特性

 
 
私の息子は、ギフテッドで発達凸凹がある小学6年生です。
 
 
思えば3年生の終わり頃から、学校から帰るとヘトヘトで、玄関に入るなりドタッ!と床に倒れこみ、しばらく動けないようなことが度々ありました。
 
 
「まったくオーバーなんだから…」と、当時はなかばあきれ顔で見守っていたのですが、実は息子にとって、学校で一日過ごすのはそれほど大変なことだったのです
 
 
 
 
当時は私も息子の特性について勉強不足で、それがSOSだとは気づかずにそのまま様子見をしていたところ、4年生の4月下旬からは不登校になってしまいました。
 
 
実はギフテッドの子どもはとても敏感で、まわりの人たちに求められていることを瞬時に感じとり、期待に応えようとする傾向があります。
 
 
自分の気持ちを大切にするよりも、まわりの状況に自分を合わせて動くことを優先して消耗しすぎてしまう…これが「過剰適応」です。
 
 
息子の場合は発達に凸凹があり、まわりのペースに合わせて行動することが得意ではありません。
 
 
しかしギフテッド特有の完璧主義をあわせ持っているため、「できない自分はイヤだ!」とがんばり続けてしまったのだと思います。
 
 
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2.ただの疲れ?それともSOS?

 
 
当時の私は「過剰適応」という言葉の存在を知らなかったこともあり、息子の疲れが実はSOSであるとなかなか気づけませんでした。
 
 
息子自身も、そこまで無理をしているとは自分でも気がつかなかったと思います。
 
 
また、言語理解力が高いとはいえ、年齢的にもまだ自分の中のモヤモヤを言葉で表すのは得意ではありませんでした
 
 
しかし何らかの形で、苦しい心の状態は必ず表に出てきていたはず…。
 
 
 
 
実は、息子の場合、3年生の後半ぐらいから家での激しいかんしゃくが度々見られました
 
 
何か思いどおりにいかないときや行動を急かされたときに、突然金切り声を上げて叫び続けたり、暴れたりしていました。
 
 
言葉を覚えるのが早かったこともあり、幼児のイヤイヤ期もまったくなかった息子。
 
あまりの変わりように動揺しながらも、「今はこういうときなのかな…」と見守るしかありませんでした。
 
 
しかし、そのかんしゃくがまさに深刻なSOSだったのです。
 
 

3.まわりを気にしすぎず自分らしく生きてほしい…母の切なる願い

 
 
無理してがんばり続けて疲れ果て、不登校になって集団生活から離れることになった息子。
 
 
家でリラックスして過ごすうちにだんだん穏やかさを取り戻していきましたが、かんしゃくや消耗した状態は長い間続きました。
 
 
「もっとがんばるべきだった」
 
「でももうできない」
 
「できない自分はダメだ」
 
 
と自分を責め、落ち込んでいく息子。
 
 
自分が「できない」ことや、「まわりと違う」ことにも人一倍敏感であるギフテッドは、ネガティブ思考にもはまりこみやすく、自己否定が激しい傾向があります
 
 
けれど、まわりに合わせることにばかりエネルギーを使い、消耗してしまっては、せっかく持って生まれた才能や長所を伸ばしていく余裕がなくなってしまいますよね
 
 
 
 
生きづらい特性を持っているとはいえ、何とか自分を肯定して生きてほしい。
 
誰かのものさしではなく自分自身のものさしで、伸び伸びと長所を生かして成長していってほしい。
 
 
その切なる願いを叶えるために、親としていったい何ができるのか…。
 
 
私が長い間悩み続けてわかってきたことを、ここからお伝えしていきますね。
 
 
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4.いつか宝物になる!「過剰適応」を和らげるためのサポート

 
 
やはり、一番シンプルで強力なのは、いつもそばにいるお母さんの言葉がけです!
 
 
ありのままの自分を肯定でき、ホッと安らぐような言葉をかけてあげることが、本当に効果的なのです。
 
 
ポイントは、母子ともに落ち着いているとき(寝る前など)に、心をこめてゆっくり伝えること。
 
そしてできれば一度だけではなく、折を見てくり返し伝えること。
 
 
例えばうちの場合は、
 
 
「みんなと同じじゃなくていいんだよ。」
 
「あなただけにできることが、必ずある。」
 
「全部ちゃんとやろうと思わなくてもいいよ。ただそこに『いる』だけで素晴らしいんだよ。」
 
「自分の感じ方を大切にしてね。つらかったら少しペースを落としていこう。」
 
 
などです。
 
 
息子はそういった言葉を聞いて、
 
 
「そっかー。そう言ってもらえると少し気がラクになるかも!
 
「お母さん、この間もそう言ってくれたよね!
 
 
と受け止めてくれています。
 
 
 
 
落ち着くまでにはずいぶんかかりましたが、今ではかんしゃくもなくなり、少しずつ学校にも行けるようになりました。
 
 
緊張して凝り固まっている子どもの思考にふんわりと優しい風を吹き込み、和らげてあげられるのは、お母さんだからこそ。
 
 
今すぐに100%伝わらなくても、信頼できる身近な大人からの心をこめたメッセージは、子どもの心に確実に根を下ろし、つらいときに支えてくれる宝物になっていくはずです。
 
 
肯定的な言葉がけをコツコツ続けて、子どもが少しずつありのままの自分軸を育てていく姿を見守っていきたいものですね。
 
 
 
 
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執筆者 : 片山 さち
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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