目に見えない「音」に注意を向け、言葉で表現してみましょう。多くの音の中からひとつを選ぶ経験は、発達障害・グレーゾーンの子どもの聴覚を鍛えます。音を言語化し表現力を養い、その正体を探すことで視覚も強化。脳がぐんぐん発達する教材を紹介します。 |
【目次】
1.発達障害・グレーゾーンの子どもは、注意力散漫でソンをしている!
2.子どもの聴覚・視覚を刺激して、脳を育てよう
3.発達障害・グレーゾーンの子どもの言葉と脳を発達させる一石三鳥の練習を紹介します
4.「めをつぶって!よぉ~くきいてみて!どんなおとがするかな?」 の使い方
◆(1)目的
◆(2)使い方
◆(3)お母さんがお子さんをほめるポイント
1.発達障害・グレーゾーンの子どもは、注意力散漫でソンをしている!
発達障害・グレーゾーンの子どもは、注意力が散漫になり、いろいろな場面で損をしています。先生の話を聞きもらして忘れ物をしたり指示に従えなかったりして、叱られることもしばしば。
友だちの話を最後まで聞けないこともあり、話の途中の自分勝手な思い込みで間違った理解をしてしまい、トラブルが起きてしまいます。
また、作文などで文章を書くとき、目に見えていないものを書くのに、とても苦労していますね。
目を閉じて集中したときに 聞こえた「音」について書き出すことで、聴覚・視覚・言葉の表現力を同時に鍛える楽しいトレーニングがあるのです。
2.子どもの聴覚・視覚を刺激して、脳を育てよう
子どもの脳は、「聴覚」と「視覚」から育てると、スムーズに成長していきます。まず、聴覚と視覚から入ってきた情報を材料にしてものごとの理解が進み、また、記憶が作られます。
だから、視覚からのネットワークと聴覚からのネットワークをしっかりと作っておく必要があるのです。
また、脳に取り込まれた情報を言葉にすることにより、より物事の理解が深まり、行動を促すことになります。
だから、聴覚、視覚を刺激すること、脳に送られた情報を言葉にする練習は、子どもの脳をぐんぐん発達させるのです。
3.発達障害・グレーゾーンの子どもの言葉と脳を発達させる一石三鳥の練習を紹介します
この練習は、日ごろ無意識に耳に入ってきている(入ってきてもいない)音に注目し、音を言葉で表現してみること、音の主が何だったかを注意深く見つけだし、言語化するものです。
音を言葉で表すというのは、大人でも難しいものですね。でも、オノマトペ(擬音語・擬態語)を使うと、簡単に楽しく上手に表現できます。
オノマトペとはなにか?たとえば、「雨の音」について、考えてみましょう。
「雨の音がポツポツと聞こえた」というのと、「雨の音がザァザァ聞こえた」というのでは、どのような天気だったかまで、ちがいが簡単にわかりますね。
オノマトペとは、音や声をまねて作ったり、身振りや状態をそれらしく表したりした言葉です。それを、お母さんとお子さんとのおしゃべりで楽しんでください。
オノマトペは、自分に聞こえたようにオリジナルの表現を作れるところも、子どもにとっては楽しめることのひとつです。
また、この練習を公園や森、海などでやってみると、自然を耳からも目からも肌からも感じることができて、お母さんもお子さんもさわやかでやさしい気持ちになれますよ。
4.「めをつぶって!よぉ~くきいてみて!どんなおとがするかな?」 の使い方
◆(1)目的
・目をつぶることで聴覚刺激に注目し、集中力を高めます。
・選び出した音がどのように聞こえるか、言語化します。
・音の発信源を探すことで視覚刺激に注目し、注意力を高めます。
・見えたものを言語化することで、言葉の知識を増やし、言語能力を高めます。
◆(2)使い方
このプリントは、お子さんが一人で取り組むものではありません。お母さんと楽しくコミュニケーションを取りながら進めてくださいね。
お子さんが嫌がるときは、無理にやろうとしないでくださいね。このプリントは、年中さんか小学校高学年のお子さんとお母さんに使っていただきたいです。
①お母さんとお子さんとで、目をつぶって、どんな音が聞こえるか、よく耳をすましてみてください。
お母さんは、「よーく聞いてごらん。どんな音が聞こえる?」と声をかけてあげてくださいね。
②いろいろな音が聞こえますね。その中から、ひとつだけ選んで、①に書き出してみてください。
お子さんの耳に聞こえた通りに書き出してみてくださいね。できれば「カサカサ」など、同じ音を二つ並べる表現、オノマトペ(擬音語)で書いてみてください。
決して無理のないように。枠からはみ出しても構いません。お子さんが書けないようであれば、お母さんが代わりに書いても構いません。
オノマトペ(擬音語)で様子を表現できるようになると、ピッタリな言葉がみつからなくても、音の様子を伝えられます。
ちょうどよくオノマトペにならないときは、「 」の中に、聞こえた通りに書いてみてください。
③目を開けて、その音の正体が何だったのか、見つけてみましょう。
お母さんは、「よーく見てごらん。何が見える?」と声をかけてくださいね。何が見えたか、書き出してみましょう。たったこれだけです。
この練習プリントをすると、聴覚と視覚を使い、それを、言語化することで注意力が高まります。さらに物事の理解が深まります。そして、作文や日記を書くときの表現力を養うことができます。
このプリントを何回もコピーして挑戦してください。ファイルに記録として保管すると、作文や日記を書くときに便利な資料になります。
慣れてきたら、プリントがなくても大丈夫。いつでも、どこでも楽しくできるトレーニングです。
◆(3)お母さんがお子さんをほめるポイント
この練習をするときに、お母さんはお子さんのどんなところをほめてあげたらよいのかを説明しますね。
・お母さんの「やってみよう!」の声かけにお返事をした
↓
「わ~、やる?うれしいなぁ。」
・お母さんの目を見て、なになに?と質問を聞く姿勢になった
↓
「さすが~、こっち向いて聞いてくれるんだね!」
・お母さんが、「何が聞こえる?」と聞いたら、「え~っと」と耳をすました
↓
「おっ、聞いてる、聞いてる!」
・お子さんが「〇□〇□~」と答えた
↓
「ほんとだね~おもしろいね~。」
・お子さんが自分で書いた
↓
「わぁ、書かけたね~書けたね~。きれいな字だね。」
・終わったとき
↓
「いっぱい聞こえちゃったね~」
「がんばって書けちゃったね!」
できたことをほめられると、子どもはとてもうれしくなります。それだけではなくて、びっくりしてあげることも、ほめられたみたいにうれしいものです。
そのファイルは、お子さんが大きくなったとき、懐かしく読み直すことができます。
アルバムのように、お母さんとお子さんが何を見てどんなおしゃべりをしたのかの思い出がギュッとつまった宝物になりますよ。
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執筆者:ここのひなた
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)