「今じゃないと嫌!」発達障害の子どものこだわりを「楽にする」お母さんとのコミュニケーションのコツ

「今やる!」「今欲しい!」特定の何かにこだわるわけではないけれど、今、この瞬間へのこだわりが強いお子さん。どうコミュニケーションを取れば良いのか?悩んでいる方も多いのではないでしょうか。その理由と対応についてご紹介します。
 

【目次】

 

1.発達障害の子どもの「今!の要求へのこだわり」が強い理由

 
 
「これがやりたい!」
「これが欲しい!」
 
 
そんなの後でもいいじゃない?と思うようなささいなことにもこだわる子どもに手を焼いていませんか?要求に応えないと、癇癪起こして泣き喚く…ということもありますよね。
 
 
実は、このこだわりの強さは発達障害・グレーゾーンの子どもにはよく見られる傾向の一つなんです。
 
 
 
 
あるお子さんの事例をご紹介します。ある日、幼稚園から帰って、おやつを食べてゆっくり過ごしていました。その子は、急に何かを思い出したように通園バッグを嬉しそうに開けました。
 
 
その途端、怒って泣き喚き、大騒ぎになったそうです。なだめても、おやつのお替りをあげようとしてもパニックはひどくなる一方。お母さんは理由もわからずオロオロしていました。
 
 
時間をかけ少し落ち着いてきたところで、嗚咽から漏れる本人の言葉をつなげ合わせると…幼稚園で作った作品がバッグに入っていなかった、ということを怒っているようでした。
 
 
本人の好きなTVやおやつで気を紛らわそうとしましたが、子どもさんは譲りません。それどころかまた癇癪がひどくなってしまったそうです。
 
 
困り果てたお母さんは作品を取り行かせてもらえるよう園の先生に電話をし、お子さんと一緒に取りに行きました。そうすると、そのお子さんは人が変わったように落ち着いて、帰宅後もニコニコとご機嫌。
 
 
しかも、あれほどこだわっていた作品なのに、バッグから出すとそのまま放置。あれだけ怒ってこだわったのだから、よほど思い入れがあり、大切なものなのだろうと思っていたママは茫然。
 
 
なぜこんな些細なこと、大事でもない物にこだわるのでしょうか?
 
 
そのこだわりの強さは、発達障害・グレーゾーンの子ども達によくみられる特徴の一つなんです。
 
 
実は、そのお母さんもあとで知ったのですが、 「幼稚園で作った作品を持って帰って、お家の人に見せましょう」と先生からお話があったそうです。
 
 
この子は、忠実に先生のお話を守ろうとしたのです。まず、作品を持って帰る、そしてそれをお母さんに見せる。ところが、バッグに入っているはずの作品が入っていないではないですか!それはもう本人にとっては大事件
 
 
発達障害・グレーゾーンの子どもの多くは、予測することや、急な変更に対応することが苦手です。私たちであれば、持って帰るのを忘れたので明日持って帰ろう。明日、ママに見せよう、と思えます。
 
 
ところが、発達障害・グレーゾーンの子どもは応用が利きません。ママに今日見せるためには、今手元に作品がないとゴールに辿り着けないのです。
 
 
作品がない、ママに見せられないから明日からもう幼稚園に行けない!
 
 
もしかしたら、そんな風に考えているかもしれません。私たちにとって些細なことでも、本人にとっては大事件であるということを理解してあげることが大切です。
 
 
「今この瞬間の要望を叶える」ということは、本人たちにとっては次のステップに進むための儀式であり、次の扉を開けるための鍵なのです。
 
 
その儀式や鍵を奪われた状態では、何を言われても前に進むことはできない。これが彼らのこだわりとなって表れます。
 
 
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2.ママができるコミュニケーション、簡単な対応法をご紹介

 
 
先ほどご紹介したお母さんの対応は、大正解。本人が次に進むための鍵(作品)を手渡すことができれば平和に解決できます。
 
 
しかしながら、状況や時間も違いますから、毎回鍵を手渡せるとは限りませんよね。そんなときはどうすれば良いでしょうか。
 
 
それは、代替案を出して選択させる、ということです。
 
 
先ほどのケースで言うと
 
a.一緒に探してみましょう。無ければ園にあるか確認の電話します。
b.ママがこの部屋を探します。無ければ他の遊びをします。
c.10分探します。無ければ同じものを作ります
 
など、どれになってもママが困らない解答を用意します。そして、本人に選択をさせてください。
 
 
本人はこの作品がないと幼稚園に行けないと思っている。それが無い状態で、先に進むにはどうすれば良いのか分からない、という状況です。
 
 
そんな辛い状況でも、他の選択肢を具体的に示してあげることで、本人が安心して前進できることもあります。
 
 

 
 
また、本人が自主的に選んだ解答というのは、自分で自分の気持ちに折り合いをつけていますから、納得感も得られるのです。他人からの指示、命令に従うのではなく、自主的に選択したということは本人にとっても大きな意味を持っているのです。
 
 
時間や気持ちに余裕がある、もしくは物理的にも可能なのであれば本人の要求にある程度応えてあげれば良いと思います。
 
 
また、少しの工夫とママとの楽しいコミュニケーションを積み重ねることで、「まぁ、こっちでもいいか。」と妥協できるようにもなってきます。
 
 
「妥協できるようになる」ということは、そうじゃなくても大丈夫、と思えること。そして、他の選択肢もあって、自分はそれで前進できるのだ、と安心できるということです。
 
 
そうなるまでには、時間はかかるかもしれません。しかしながら、何かを進めるためにはその度に鍵が必要で、苦しい思いをしているのは子ども自身なのです。
 
 
その思いや苦しさに寄り添って、対応してあげることができると良いですね。その為にも、ママの余裕は大事です!余裕があれば誰もが良いママなんです。
 
 
お子さんの要求に疲労しているママさん。まずは自分のリフレッシュを優先する日を作ってみてくださいね。そうすれば子どものこだわりがあっても、その都度対応していけるようになりますよ!
 
 
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執筆者:瀬名香織
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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