「暴言暴力のある家庭の共通点は何ですか?」と聞かれたら、私は迷わずこう答えます。
それは、「子どもが自分で決める前に、親が動いてしまっている」ことです。
息子に言われた、忘れられない一言
私はかつて、息子の暴言と暴力に毎日怯えていました。
怒鳴られるたびに、なんとかしなければと必死でした。
息子を変えることだけを考えて、毎日を過ごしていました。
そんなある日、息子からこんな言葉が飛んできました。
「お前って、生きている価値あんの?」
その瞬間、私の頭の中で何かがひっくり返りました。
それまでずっと「息子をなんとかしなければ」と考えていた私が、初めて「私?私の生きている価値?」と、自分自身に目が向いた瞬間でした。
正直、すぐに変わったわけではありません。
その言葉の意味を理解し、答えに辿り着くまでに、ものすごく時間がかかりました。
けれどこの一言が、息子の言葉の奥にある思いに耳を傾けるきっかけになったのです。
「過干渉」と気づいたとき、見えてきたこと
立ち止まって考えて、ようやく気づきました。
・私はずっと、まだ起きてもいないことに対して不安や心配の言葉をかけ続けていた。
・息子が助けを求める前に、先回りして動いていた。
子どもが自分で考える前に、答えを出してしまっていたのです。
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発達科学コミュニケーションの視点 脳は、安心できる関係の中でこそ、子どもは自分で考え、調整し、行動する力を発揮しやすくなります。 親が先回りするほど、子どもは「自分ごと」として捉えられなくなり、何かうまくいかないとき、必ず誰かのせいにします。 暴言・暴力・不登校に悩む子どもたちに、この傾向が強く出るのはそのためです。 |
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私自身の体験 時間になっても息子が起きてこない朝、私はそれまで必ず起こしに行っていました。 でも「起こして」と言われない限り、起こしにいくのをやめました。 不親切に見えるかもしれません。でも私がしたかったのは、すべての行動の起点を息子自身にすることでした。 |
それでも「放っておく」のが怖いあなたへ
「待つ」と言葉では言えても、実際に子どもが動かない姿を見ると、心配で声をかけてしまう。
その気持ちは痛いほどわかります。私もそうでした。
そんなときに使ってほしい声かけがあります。
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「困ったときはいつでも言ってね」 この一言が、子どもの自己決定を守る |
この声かけのポイントは、子どもが自分から助けを求めてきたときに初めて動くという関わり方です。
先回りして声をかけるのではなく、「いつでも待っている」という安心感を渡す。
それだけで、親子の関係性は少しずつ変わります。
もし子どもが「助けて」と言ってきたら、そのときは迷わず、愛情を持って全力で手を貸してください。
過保護と過干渉は違います。求められたときに応えることは、子どもの自立を妨げません。
むしろ、十分に助けてもらった経験が、子どもを自立へと向かわせます。
「関わらない」ではなく、「線を引く」
私がもう一つ意識を変えたのは、曖昧な態度をやめることでした。
できることは喜んでする。
無理なことは、嫌々するのではなく、きちんと「できない」と伝える。
この線引きがなかったために、息子から不信感を買っていたと気づきました。
- 子どもが「助けて」と言うまで待つ
- 求められたら全力で応える
- できないことは正直に伝える
この3つを繰り返すことで、子どもの中に「この人は信頼できる」という感覚が少しずつ育まれていきます。
声かけを変えると、家庭の空気が変わります。
親が落ち着くと、子どもも落ち着く。小さな変化が、確実に積み重なっていきます。
過干渉をやめることは、あきらめることじゃない
放っておくことと、愛情を持って待つことは、まったく違います。
「困ったときはいつでも言ってね」という声かけを日頃から伝えられる親子関係を作っておくこと。
それが、暴言・暴力・ゲーム依存・昼夜逆転……あらゆる問題行動に対して、親にできる最も根本的な関わり方です。
私はまだ成長の途中です。息子も同じです。
それでも、あの一言をきっかけに、日常の声かけと関わり方を整えることで、確実に何かが変わりました。
あなたにも、きっとそのきっかけがあります。
子どもの暴言・暴力に悩むママへ
脳と関係性に届く声かけを、一緒に学びませんか。
▼過干渉ってどうやって手放す?
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発達科学コミュニケーショントレーナー 宮田かなこ
暴言・暴力・無気力に悩む子育てに向き合う家庭に向けて、日常の声かけや関わり方を整える支援を行っています。発達科学コミュニケーションを土台に、Nicotto Projectの学びの枠組みの中で活動しています。実践の記録はパステル総研を通じて整理・共有されています。



