友達トラブルが多い。
同級生とうまく話せない。
趣味が合わず、学校で浮いているように見える。
集団の中に入ると、うまく振る舞えない。
そんなお子さんを見ていると、
「もっと友達と関わらせた方がいいのでは」
「集団の中で慣れさせた方がいいのでは」
「社会性を外で鍛えた方がいいのでは」
と思うお母さんは多いです。
特に思春期以降になると、
友達関係の悩みは一気に深くなります。
小学生の頃は
なんとなく過ごせていたのに、
中学生になると
会話の内容、人との距離感、
空気を読む力、相手に合わせる力が
求められるようになります。
すると、
子ども本人も苦しくなります。
お母さんも焦ります。
けれど、ここで一度
立ち止まってほしいのです。
1対1でうまくいかないものが、
1対2、1対3、それ以上の集団の中で、
急にうまくいくわけではありません。
友達トラブルが多い子に必要なのは、
いきなり集団で鍛えることではなく、
まず家庭の中で安心して
話す・聞く・伝える力を育て直すことです。
社会性は、思春期からでも育て直せます。
その入口は、友達の中ではなく、
お母さんとの1対1の会話の中にあります。
友達トラブルが多い子を、いきなり集団で鍛えようとしていませんか?
友達とうまくいかない子を見ると、
親はつい
「もっと外に出した方がいい」と
考えます。
もちろん、
友達との関わりや集団経験が
必要ないという意味ではありません。
けれど、子どもの脳が
まだその準備ができていない状態で、
集団の中に入れても、
うまくいくとは限りません。
相手の表情を見る。
相手の反応に気づく。
自分の言いたいことを整理する。
相手が知らない前提で説明する。
話しすぎたことに気づく。
今は聞くタイミングだと分かる。
自分の気持ちを言葉にする。
相手の言葉を受け取る。
こうした力は、いきなり
集団の中で育つものではありません。
まずは、安心できる
大人との1対1の会話の中で
育て直していく力です。
友達トラブルが多い子は、
性格が悪いわけでも、
わがままなだけでもありません。
案外、そこで使われる脳の回路が、
まだ育ちきっていないことが
多いのです。
同級生と趣味が合わない子に必要なのは「普通に合わせること」ではありません
私の元には、
同級生と趣味嗜好が合わないことや
年齢にあっていないのでは?と
悩むご相談がよく届きます。
仮面ライダーが好き。
カードゲームが好き。
ゲーム実況が好き。
アニメやキャラクターの世界が好き。
電車、昆虫、歴史、ブロック、政治、
ぬいぐるみ、ごっこ遊びが好き。
お母さんから見ると、
「いつまでそんなものが好きなの?」
「友達と話が合わないんじゃない?」
「もっと年齢相応のものに興味を持ってほしい」
と思ってしまうことがあります。
特にASD傾向のあるお子さんは、
こだわりが強く見えることがあります。
また、ADHD傾向のあるお子さんでも、
興味の向き方やこだわりの強さが
見られることがあります。
特性は、きれいに
境界線で分かれるものではありません。
だからこそ、
診断名だけで見るのではなく、
この子は、
どんな世界に夢中になるのか。
どんな時に言葉が増えるのか。
何を語る時に目が輝くのか。
そこを見ることが大事です。
同級生に通じない趣味だから、
その好きがダメなわけではありません。
友達と趣味が合わない子に必要なのは、
趣味を変えることではなく、
自分の好きな世界を持ったまま、
相手に伝わる言葉に変換する練習です。
お母さんが分からないから、子どもの説明する力が育ちます
子どもの好きな世界を、
お母さんが
全部理解する必要はありません。
むしろ、お母さんが
分からないからこそ、
子どもの説明する力は育ちます。
私自身も子どもとの会話は
スケボーやカードゲームの話が
中心です。
正直にいうと、私は今でも、
スケボーやカードゲームのことを
よくわかっていません。
奥が深すぎて、ついていけないと
苦笑してしまうくらい、
わからないことだらけです。
けれど、これでいいのです。
なぜなら、親が詳しすぎると、
ついアドバイスしたくなるからです。
「それならこうしたら?」
「こっちの方がいいんじゃない?」
「そのやり方は違うんじゃない?」
けれど、
社会性を育てたい時に大事なのは、
親が正解を教えることではありません。
子ども自身が、
自分の好きな世界を、
相手にわかるように説明することです。
お母さんがわからないから、
「それってどういうこと?」
「どんなところが面白いの?」
「初めて聞く人にも分かるように教えて」
「前と何が違うの?」
「一番こだわったところはどこ?」
「どうしてそれが好きなの?」
と聞くことができます。
すると子どもは、
自分の頭の中にある世界を、
相手に伝わる言葉に変えようとします。
これは、ただの雑談ではありません。
語彙力を育てる時間です。
順序立てて話す力を育てる時間です。
相手に合わせて
説明する力を育てる時間です。
自分の好きなことを、
相手に分かるように伝える練習です。
つまり、会話力を育てる時間です。
会話力は、社会性の土台です。
私の大学生の息子も、
今でも仮面ライダーが好きです。
大人になっても
仮面ライダーが好きな人は
たくさんいます。
子どもが卒業しても、
お父さんが見続けている家庭もあります。
人の趣味嗜好は、みんな違います。
好きな世界があることは、
その子の中に「楽しい」と感じる力が
残っているということです。
ロマンがあっていいじゃないですか。
お母さんが分からないからこそ、
子どもは説明する。
説明するから、
語彙力、伝える力、相手目線が育つ。
ここを家庭の中で
育てていくことができます。
人の話を聞かない子は、聞いてもらった体験が足りないのかもしれません
友達トラブルが多い子の中には、
「人の話を聞かない」と
言われる子もいます。
自分の話ばかりする。
相手の話をさえぎる。
興味のあることだけ話し続ける。
注意されると怒る。
そんな姿を見ると、お母さんはつい、
「ちゃんと聞きなさい」
「人の話を最後まで聞きなさい」
「自分の話ばかりしないの」
と言いたくなります。
けれど、
我が子を見ていて私が感じたのは、
人の話を聞かない子は、
聞いてもらった体験の量が
圧倒的に足りないのかもしれない、
ということです。
これは、
甘やかすという意味ではありません。
子どもは、
自分の話を最後まで聞いてもらう経験を通して、
「話すってこういうことなんだ」
「聞いてもらうって安心するんだ」
「相手にもこの時間が必要なんだ」
と、少しずつ体で覚えていきます。
私も、最初から
息子がこちらの話を
聞いてくれたわけではありません。
むしろ以前は、
こちらが何か言っても届かない。
話の途中で反発する。
自分の言いたいことばかり言う。
そんなことに悩んでいました。
けれど、
私が息子の話を聞く量を増やしていくと、
不思議なくらい、
息子もこちらの話を聞いてくれるように
なっていきました。
これは本当に驚きでした。
聞かせようとした時は
聞かなかったのに、
聞いてあげたら、
聞けるようになっていったのです。
だから、子どもに
「聞く力」を育てたいなら、
まずお母さんが聴く体験を
増やしてあげることです。
子どもの好きな話。
よく分からない話。
同じように聞こえる話。
お母さんには興味が持ちにくい話。
そこに少しだけ耳を傾ける。
「そうなんだ」
「それでどうなったの?」
「どこが面白いの?」
「もう少し教えて」
と興味を持って聴いてみる。
ここで大事なのは、
ただ音として聞くことではありません。
聞きながら次に
何を言おうか考えるのではなく、
子どもが今、
何を伝えようとしているのかに
意識を向けて聴くことです。
「聞く」は、耳に入れること。
「聴く」は、心を向けて受け取ること。
この違いを少し意識してみると、
子どもの受け取り方が変わってきます。
この積み重ねが、子どもの中に
「聞いてもらえた」という安心を作ります。
そして、
その安心がたまってくると、
少しずつ相手の話を受け取る
余裕が育っていきます。
人の話を聞く力は、「聞きなさい」と
言われて育つのではありません。
まず、
自分が聞いてもらった経験の中で育ちます。
中学生のぬいぐるみ遊び・ごっこ遊びは、幼さではなく感情表現の入口かもしれません
実は、もう一つ多いご相談があります。
それは、
「中学生にもなって、まだぬいぐるみで遊びたがります」
「お母さんとごっこ遊びをしたがります」
「もう正直、付き合うのがしんどいです」
というご相談です。
お母さんの気持ちもよく分かります。
中学生にもなって、まだこれをやるの?
いつまで付き合えばいいの?
このままで大丈夫なの?
そう思うのは自然なことです。
けれど、ここでも
少し見方を変えてほしいのです。
ぬいぐるみ遊びやごっこ遊びは、
ただ幼いからやっているとは限りません。
言葉にできない気持ちを、
遊びの形で出していることがあります。
特に、
キレる子に多いと感じています。
暴言がある。
物に当たる。
すぐ怒る。
注意すると反発する。
そんな姿を見ると、
お母さんはどうしても
「乱暴な子」
「反抗的な子」
「わがままな子」
と見てしまいやすくなります。
けれど、キレる子ほど、本当は
自分の気持ちをうまく言葉にできていない
ことがあります。
寂しい。
不安。
悔しい。
分かってほしい。
本当は甘えたい。
でも、そんなふうには言えない。
だから、
怒る。
暴言になる。
物に当たる。
けれど一方で、
ぬいぐるみやごっこ遊びを通すと、
少しだけ自分を出せることがあります。
直接、
「本当は寂しい」
「お母さんに分かってほしい」
「学校がしんどい」
とは言えない。
けれど、
ぬいぐるみの言葉なら言える。
キャラクターの気持ちとしてなら話せる。
ごっこ遊びの中なら、少しだけ甘えられる。
これは、幼いから
やっているだけではありません。
感情を言葉にする前の、
大事な入口になっていることがあります。
無理に付き合い続けなくていい。大事なのは「また明日」がある終わり方
ただし、ここで大事なのは、
お母さんが無理に
付き合い続ける必要はない、
ということです。
ぬいぐるみ遊びやごっこ遊びが、
子どもの安心や感情表現の
入口になることはあります。
けれど、お母さんが本当は嫌なのに、
無理をして付き合い続けると、
それは子どもの脳に
安心として届きにくくなります。
なぜなら子どもの脳は、
言葉だけを受け取っているわけではない
からです。
お母さんの表情。
声色。
語調。
体の向き。
空気感。
そうした言葉以外の情報を、
子どもは先に受け取っています。
だから口では、
「いいよ、遊ぼう」
と言っていても、
表情がこわばっている、
声が冷たい、ため息が混じる、
早く終わってほしい雰囲気が出ている。
そんな状態だと、
子どもはどこかで感じ取ります。
「本当は嫌なんだ」
「やっぱり自分は面倒なんだ」
「受け入れてもらえていないんだ」
と受け取ってしまうこともあります。
だからこそ、お母さんが無理をして
付き合い続けるより、
最初に時間の境界線を作って大丈夫です。
たとえば、
「今日は5分だけね」
「ご飯の前までならできるよ」
「今日は聞く係だけでもいい?」
「今は少し疲れているから、明日またやろう」
こんなふうに、
できる範囲を先に伝えておきます。
そして終わる時には、
「楽しかったね」
「また明日やろうね」
「また明日、続き聞かせてね」
と、次があることを伝えて終わります。
今日で終わりではない。
また聞いてもらえる。
また話していい。
そう思えることが、子どもの安心になります。
子どもにとって安心なのは、
お母さんが無理をして全部
付き合ってくれることではありません。
お母さんができる範囲で、
気持ちよく関わってくれること。
そして、今日終わっても、
また明日があると分かることです。
この「また明日」があるから、
子どもは安心して終われます。
社会性は、思春期からでも家庭の1対1の会話で育て直せます
脳は、筋肉のように
鍛えることができます。
もちろん、
脳そのものが筋肉という意味では
ありません。
けれど、
使った回路は育ち、
使わない回路は育ちにくい。
これは、
子どもの会話力や社会性にも
同じことが言えます。
話す。
聞く。
考える。
説明する。
相手に分かるように言葉を選ぶ。
自分の気持ちを言葉にする。
こうした力は、いきなり
集団の中で発揮できるものでは
ありません。
まずは、お家の中で、
安心できるお母さんとの1対1の会話の中で
少しずつ使っていくことで育っていきます。
だから、
子どもの好きな話を聞くことは、
ただの雑談ではありません。
ぬいぐるみ遊びやごっこ遊びに
少し付き合うことも、
ただの遊びではありません。
子どもの脳を育てる筋トレです^^
ただし、筋トレと同じで、
一日中やり続ける必要はありません。
大事なのは、短くても、くり返すことです。
今日は5分。
今日は1回。
今日はご飯の前まで。
そんなふうに区切って大丈夫です。
長く付き合うことより、
短くても気持ちよく関わること。
そして、最後に
「また明日」を残して終えること。
この小さな積み重ねが、
子どもの会話力を育て、
社会性の土台を育てていきます。
集団で鍛える前に、
家庭で育て直せる力があります。
思春期になっても、
諦めなくて大丈夫です。
お母さんだからこそできる、
社会性の育て方があります。
それが
発達科学コミュニケーションの
関わりです。

