【夏休み特集】ゲームはできるのに 生活のことは『あとで』…不登校キッズの「やってみようかな」が増えていく関わり方
あき子先生脳科学レッスン昼夜逆転不登校・登校しぶり

不登校で昼夜逆転のゲーム漬け中3男子に最初に必要なのは生活指導ではない?変わり始めたきっかけとは

不登校で昼夜逆転になり、ゲームばかりのわが子を見て「生活を直させなければ」と焦っていませんか?実はその対応が親子のすれ違いを深めてしまうこともあります。ゲーム漬けの中3男子が変わり始めた実例から、最初に見直したい親の関わりをお伝えします。

1.不登校で昼夜逆転の子を見ていると「生活を直さなきゃ」と思いませんか?

不登校になり、昼夜逆転して、ゲームやパソコンばかり。
昼は動けないのに夜になると元気になる。

そんな姿を見ると、
「このままで大丈夫なの?」
「まずは生活リズムを整えないと」
「ゲームばかりやっていて社会に出られるの?」
そんな不安でいっぱいになりますよね。

私もこれまでたくさんのお母さんたちから同じ相談を受けてきました。

ですが、ここでひとつ考えてみてほしいのです。

不登校の子の昼夜逆転は、本当に生活習慣の問題なのでしょうか。

もし生活指導だけで解決するなら、何度も声をかけたり注意したりしたときに変化が起きているはずです。
けれども、変わらないどころか親子関係まで悪化してしまうことがあります。

しかし、「私が言うのをやめたらもっと生活が乱れるかも」これがお母さんの本音だと思います。

声かけや注意で子どもが変わらないのだとしたら、私たちは別のところを見落としているのかもしれません。

今回は、実際にお子さんの昼夜逆転を解消した生徒さんの実例を交えてお伝えします。

2.不登校の昼夜逆転は生活習慣の問題ではなく自分を守ろうとするサイン

不登校の子どもが昼夜逆転する理由は、やる気の問題ではありません。
脳が失敗やストレスから自分を守ろうとしている状態なのです。

お母さんが伝える「あなたの健康のため」という正論が通じにくい理由は前回の記事でお話ししたとおりです。
前回の記事はこちら▼

不登校の子の昼夜逆転を見ると、どうしても生活指導をしたくなります。
ですが、学校に行けなくなるほどエネルギーを消耗した子どもの脳は、「頑張ること」よりも「傷つかないこと」を優先します。

すると、
• 人と会わなくていい
• 評価されない
• 怒られない
• 自分のペースで過ごせる
そんな夜の時間帯が安心できる時間になります。

だから昼間は動けないのに、夜になるとゲームやパソコンに集中できるのです。

つまり昼夜逆転は、生活リズムの乱れというより、安心を失った脳が作り出している状態とも言えます。

だからこそ、生活を整えようとする前に、まず安心を取り戻す関わりが必要になるのです。

3.ゲーム三昧で昼夜逆転だった中3男子とお母さんの葛藤からの変化

今回ご紹介するのは、発達科学コミュニケーション講座を受講されたSさんのお話です。

Sさんのお子さんは、中3の夏休み明けから学校へ行かなくなりました。

進路は決まっている。
けれどもSさんは焦っていました。

卒業や進学に向けて、今のままではいけない。
「社会に出るために必要なことを教えなければ」そう思っていたのです。

Sさんのお子さんはパソコンやゲームが大好きで、好きなことなら徹底的に追求するタイプ。
けれども、やりたくないことは一切やらない。

だからこそ、生活リズムを整えさせたい。
時間管理ができるようになってほしい。
社会と折り合いをつける力を身につけてほしい。

そんな思いを抱えていました。
しかし現実は…

夜中に起きてパソコンをパチパチ。
お風呂に入るのは深夜3時ごろで「その時間はやめてほしい」と伝えても反抗的な態度のまま。

食事を家族と一緒にとることもなくなり、好きな時間に少しだけ食べる。
体も痩せてきて、体調も心配になっていました。

卒業文集も書かない
高校進学に向けて申し込んだ復習講座もやらない

どうしたらいいかわからない。
そんな状態だったそうです。

どうでしょうか。
もし自分の子どもが目の前でこんな毎日を送っていたら。
「褒めるところなんてない」
そう思ってしまうのも無理はありません。

実際にSさんからも、こんな相談が届いていました。

「ただ部屋に引きこもっているだけで何にもやらないのに、褒めるどころではありません」
「できないことを片っ端から指摘して、大げんかしてしまいました」

お子さんの未来を諦めたくない。
だからこそ言ってしまう。
だからこそ衝突してしまう。
そんな苦しさが伝わってきました。

Sさんは、お子さんを変えたいと思っていました。

そこで私からお願いしたのは、たったひとつ!
すると少しずつ変化が現れました。

食事の時間に呼んでも部屋から出てこなかった子が、家族に時間を合わせて食事をとるようになりました。
すぐに部屋へこもってしまっていた子が、リビングで過ごす時間が増えました
家族との会話も増えていきました

少しずつ行動範囲も広がっていき…
大嫌いだった歯医者へ行く。
親戚の集まりに参加する。
卒業文集をお母さんと一緒に仕上げる。

そんな変化が起きました。

そして高校へ進学した後の一学期7月。
Sさんから届いたメールには、
「学校、皆勤賞で通っています」
と書かれていました。

4.必要なのは生活を変える前に“まず安心を育てる”こと

私がたった一つお願いしたのは『言い過ぎ、ガミガミ封印作戦』です。

褒めなくていい。
無理に肯定しなくてもいい。
だけど、脳の成長を妨げる否定的な注目だけは減らしてみる。
まずはそこから始めてもらいました。

本当に必要だったのは、生活を整えることではなく、安心を取り戻すことだったのです。

ここで大事なのは、昼夜逆転が先に改善したわけではないということです。
先に起きたのは、人とのつながりの回復でした。

安心できる場所が増えた。
安心できる会話が増えた。

こんな変化が出てくれば
次の声かけのステージにあがっていくことができるのです。

実際に実践してくださった生徒さんとお子さんが、どう変わっていったのかちょっと先の「未来像」を今回ご紹介させていただきました。

安心が育つと、会話が増える。
人とのつながりが戻る。
行動範囲が広がる。
そして結果として、生活リズムも整い始めます。

もし今、会話が成立しなくなって困っているのだとしたら?
否定を減らすことでこんな変化が起きる可能性があるなら?
やってみないのはもったいないですよね?

「褒めるところなんてない」そう感じているなら…

まずは肯定しようと無理して頑張る前に、『言い過ぎ、ガミガミ封印作戦』で脳にうっかり届けてしまう「よくない声かけ」を限りなくゼロにして、否定的な注目を減らすことから始めてみてくださいね。

私が、自信をもってこのステップを踏んでほしい…と言えるのは身をもってたくさんのNG対応をしてきたからです。

次回は夜寝ずにスマホにどはまりしていく息子に私がやってしまったNG対応で家が壊れるほどの大事件に発展したお話をしたいと思います▼

ガミガミをやめた体験談がこちらにもあります!▼

▼動画で解説!不登校の子どもが動き出すためのチカラってどうやって育てるの?

執筆者:清水畑 亜希子
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)

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