子どもが本音言えない理由は?親の先回りを卒業し気持ちを丸ごと受け入れ家庭を安心できる場所にする方法

「子どもが本音を言えない」と悩んでいませんか?親の不安による「先回り」が原因かもしれません。脳科学の視点から本音を隠す理由を解説。気持ちを丸ごと受け入れることで家庭を安心できる場所にする3ステップをご紹介。今からでも親子関係は変えられます。

「わが子の本音がわからない」その孤独と、私が犯した最大の過ち

「今日、学校どうだった?」
「普通。」

「嫌なことなかった?」
「別に。」

そんな素っ気ない返事の裏側にある、お子さんの本当の顔が見えなくて、不安に押しつぶされそうになっていませんか?

私もそうでした。

私には、ADHD(注意欠陥多動性障害)、ASD(自閉症スペクトラム障害)、LD(学習障害)という3つの特性を持つ息子がいます。

小学校6年生になった今でこそ笑い合えますが、かつての私は、息子の成長のチャンスを何度も奪ってきたのかもしれないと思っています。

忘れられないのは、息子が幼稚園の頃のできごとです。

園庭で遊んでいた息子が、仲の良いお友達を「鬼の形相」で追いかけ回していました。

明らかに何かトラブルが起きている。

それを見た瞬間、私の中に沸き起こったのは息子への心配ではなく、「世間体」という名の恐怖でした。

息子に事情は尋ねましたが、説明が上手ではないため、2人の間に何があったのかわかりませんでした。

「友達と喧嘩して孤立したらどうしよう」
「周りから、しつけができていない親だと思われたくない」

そんな不安に支配された私は「何か嫌なことがあったのね。でも、許してあげようよ」と息子の気持ちを抑えこんでしまいました。

当時の息子は、よほどのことでもない限りそこまで怒ることがなかったのです。

そんな息子が友達を許せなくて追いかけ回すほど嫌なことが起きていた。

それなのに、一番の味方であるはずの私が、息子の気持ちに蓋をさせ、正直な気持ちを親にわかってもらえた!という成功体験の機会を奪ってしまったのです。

親である私が本音を言わせない状態にしてしまっていたのだと気づき、「正直な気持ちを言っていいよ?本当はどう思ってるの?」と息子に尋ねても、返ってくるのは「わからない」という空虚な言葉だけ。

親が先回りして波風を立てないように立ち回ることで、その場は収まるかもしれません。

でも、その代償は「親に本音を言っても無駄だ」という、子どもの心に刻まれた深すぎるしこりだったのです。

行き場のない思いを息子は抱えていたのだと思うと、今でも胸が苦しくなります。

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なぜ子どもは親に本音を言わなくなるのか?「心のシャッター」の正体

なぜ、これほどまでに子どもは本音を隠すようになってしまうのでしょうか。

それは決して性格の問題ではありません。

親の「先回り」が奪う自己効力感

親が「世間体」や「子を想うゆえの不安」から、トラブルが起きる前に解決策を提示してしまうことを、私たちは「先回り」と呼びます。

脳は、自分で感じ、自分で対処法を考えることで発達します。

親が先回りして「こうしなさい」「許しなさい」と指示を出すことは、子どもの脳の発達を阻害し、「自分には状況を変える力がない」という無力感を植え付けてしまいます。

二次障害への入り口

親に本音を言えない状態が続くと、自己肯定感はどん底まで下がります。

自分の存在を否定されたと感じた脳は、そのき場のないストレスを暴言や暴力といった攻撃性(二次障害)として爆発させるか、あるいは完全に心を閉ざしてひきこもることで自分を守ろうとします。

本来、安心できる環境の中でこそ、子どもの発達は加速します。

「何を言っても大丈夫だ」という絶対的な安心感(安全基地)が家庭にない限り、子どもの脳は「本音」というリスクを冒すことをやめてしまうのです。

本来、子どもはわがままで、自分の気持ちや欲求に正直に生きているのです。

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今日からできる!子どもの気持ちを丸ごと受け入れ、本音を引き出す2ステップ

「もう手遅れかも…」なんて思わないでください。

私が息子の変化を実感し始めたのは、彼が5年生になってからでした。

気づいたときが、脳を育て直す最高のタイミングです。

家庭を「安心できる場所」に変えるための、具体的なアクションを2つのステップでお伝えします。

親の言葉を「8割」減らし、沈黙を味方にする

まず、アドバイスを言いたくなる気持ちをグッと飲み込みましょう。

子どもが何かを言おうとしている時、親が先回りして「でもね」「だけど」と言葉を被せるのは、脳のシャッターを閉めるスイッチです。

たとえ子どもが黙っていても、急かさず、否定せず、ただ横にいる。

その「待つ」姿勢が、子どもに「ここは安全だ」というメッセージを伝えます。

「気持ちを丸ごと受け入れる」魔法のフレーズ

お子さんがネガティブなことを言ったときこそ、最大のチャンスです。

「あの子、大嫌い!」
「学校なんて行きたくない!」

そう言われた時、つい「そんなこと言わないの」「行けば楽しいよ」と正論で返していませんか?

これは共感ではなく「否定」です。

じゃあどうしたらいいのか?それは…

「あなたはそう思ったんだね」と、ただ事実をオウム返しすること。

ポジティブな感情だけでなく、怒り、悲しみ、嫉妬…。どんなに醜く見える感情であっても、それを一旦そのまま「丸ごと受け入れる」。

これが、脳をリラックスさせ、次の一歩を踏み出すエネルギーになります。

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家庭を「本音のシェルター」に。その先にある、最高の親子関係

私は発達科学コミュニケーションに出会い、これまでの「決めつけ」や「否定」の会話を一切やめました。

息子は幼児でもないし、年齢的にはもう遅いのかもと不安でしたが、根気よく向き合い、私の思いは横に置いた状態で「そうなんだね」と息子の話を受け入れてあげられるようになりました。

今では、学校で嫌なことがあったとき、息子は自分から「ねえ、聞いてよ」と話しに来てくれます。

かつて「わからない」としか言えなかった子が、自分の弱さや怒りを、一番に私にさらけ出してくれる。

これ以上の幸せはありません。

思春期に入れば、会話が減ることもあるでしょう。

だけど、根底に「家族には本当のことを言っても大丈夫」という揺るぎない安心感があれば、子どもは必ず自分の力で成長していけます。

家族には本当のことを言っても大丈夫というゆるぎない安心感を土台にして、日々のやり取りで心を通わせていきたいですね。

執筆者:にしがみあやか
(Nicotto Project 発達科学コミュニケーションアンバサダー)

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