不登校中の子どもの姿を見守る親の気持ちは不安でいっぱい。その不安がたくさんの言葉になって口うるさい親になっていませんか?声掛けを変えるとお互いの気持ちを大切に過ごせるようになりますよ。
【目次】
1.口うるさい親だと感じていた不登校の息子
我が家には自閉傾向のあるYouTubeが大好きな不登校、小学1年生の男の子がいます。
YouTubeを見始めると集中して見入ってしまって「ご飯できたよ」「お風呂の時間だよ」の声が全く聞こえません。
聞こえないというより、聞こえているけど「脳に届かない」という方がしっくりくる感じです。
ご飯に関しては
・〇時にご飯だよ
・もうすぐご飯できるよ
・ご飯の準備出来たよ
・ご飯食べよう
・いつでも食べられるよ
一回のご飯の度に私は子どもにこれ以上の言葉を掛けていました。
それでも動かない息子にイライラ、何とか子どもを動かそうと声掛けが止まらない口うるさい親でした。
そんなある日、子どもに「分かってる!何度も言わないで」と言われてしまいました。
やっぱり聞こえているんだ、聞こえているのに何度も言われたら動きたく無くなるよねと反省をしました。
声掛けをしないと動かないし、どんな声掛けをすれば子どもは動けるようになるのだろう?と考えるようになりました。
2.声掛けの数は不安の数、親の不安な気持ちがお互いを苦しめる
大人でも見始めたら止まらなくなるYouTubeを見ている最中に「ご飯だよ」と言われても子どもが途中で止めてご飯に来れるわけがありません。
私が声掛けの回数が多くて口うるさい理由、それは不登校の子どもを心配する不安から来ていました。
・聞こえているか不安
・YouTubeを辞められないのが不安
・ご飯を食べてくれないのが不安
・いつになったら食べ始めるのか不安
子どもが「ご飯」という一つの行動を起こすのにいくつもの不安が膨れ上がって押さえきれず、子どもへの指示出し・口出しの多さへ繋がっていました。
当時、息子が不登校となったため仕事を辞めて息子と1日家で過ごすという日を送っていた私は子どもの行動全てが不安でした。
そしてこの不安は過干渉となって子どもをコントロールしようとしていたのです。
「トイレ」「着替え」「歯磨き」など、一日の基本的な生活行動をさせようと必死で次から次へと声掛けをし続けていました。
そうすることで子どもは自分で考えて行動することがなく1日の行動全てが子どもには他人事だったのです。
また、私にはYouTubeが辞められないというのが一番の不安の種で、不安のあまり子どもの事が自分事となり子どもを1日中監視している状態でした。
時間はたっぷりあるけど不安のあまり自分がやる事、やりたい事も忘れて何も手につかない状態でした。
このままでは子ども自分も苦しくなるだけだと気づきました。
3.不登校の子どもと親の気持ちを大切にする過干渉を手放す声掛け
そこで、口うるさい親を辞めて子どものYouTubeを見たい気持ちと、私も自分のことに集中できる、お互いの気持ちを大切にした声掛けを思いつきました。
それは、「ご飯の準備できてるよ。ママは〇〇してるからご飯するときに呼んでね。」です。
ご飯の時間の予告をしておいて、準備ができたらこの声掛けをしてママは好きな事をして待つだけです。
ママは家事をしてもいいし読書、手芸など好きな事をして待ちます。
そうすることで子どもは私に見られているという緊張感から解放されてYouTubeを見る事ができます。
私も自分が好きなことに集中をしている間は、子どもがYouTubeを辞められないという不安から解放されます。
子どもは自分でご飯を食べるタイミングを決めるので、「ご飯」が自分事となりその行動を意識しながらYouTubeを見る事ができます。
私は別室で長年習っているフラダンスの練習をしながら待つことにしました。
すると、子どもが自分でYouTubeに区切りを付けて「ママ、ご飯食べるよー。」と呼んでくれるようになったのです。
お互い緊張感から解放されること、行動を自分事にして子どもに意識させることがポイントとなりました。
「ご飯の準備できてるよ。ママは〇〇してるからご飯するときに呼んでね。」
私はこの一言で口うるさい親を卒業し、子どもにばかり気を取られず自分の時間を楽しめるようになりました。
子どもの事が心配でがんじがらめになっていませんか?
不登校の子どもを見守る親の不安な気持ちが過干渉となり子どももママも苦しくなってしまいます。
ママも自分の事を大事にする時間を持って不安を忘れる時間を取ってくださいね。
子どももママも幸せになる方法を毎日お届けしています。
執筆者:福原かおり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)