気持ちの切り替えができなくて、発達障害の子どもがお風呂になかなか入ってくれないということはありませんか?声掛けの方法を変えるだけで、子どもの行動が早くなり、お風呂タイムをリラックスした時間にできますよ。
【目次】
1.気持ちの切り替えができない息子にイライラの私
気持ちの切り替えができなくてなかなかお風呂に入ってくれない…
入っても遊びに夢中で頭やからだを洗うことをしてくれない、ということはないでしょうか?
・何度も声を掛けている
・お風呂の時間を決めても、ゲームがやめられない
・毎日バトルすることが多い
・ようやくお風呂に入っても遊びすぎて止まらない
毎日のお風呂タイム、子どもが動いてくれなくてイライラしたり、慌ただしい時間になってママはぐったり疲れてしまう…
本当は、ゆっくりとお風呂タイムを楽しみたいけど、一緒に入るのがイヤだな、私はそんな風に思っていました。
私には、自閉スペクトラム症(ASD )と注意欠陥多動性障害(ADHD)、知的障害の診断がある5歳の息子がいます。
「7時になったらお風呂だよ」
「早くお風呂に入るよ!」
お風呂時間を決めて、何度も声掛けをしてもゲームやYouTubeをやめられず、スッと入ってくれることはありません。
ようやく入ってくれたと思っても、入った途端に遊び始めて止まりません。
「先にからだを洗うんだよ!」
「早くやらないと、ママ先に上がるからね!」
子どもを急かすように「早く!早く!」と声を掛けがヒートアップしてしまう…
息子は遊ぶことから気持ちを切り替えることができず、嫌々からだを洗ったり、私の手助けなしでは何もしない状態でした。
いつしかお風呂タイムはピリピリした空気の、楽しくない時間になってしまっていました。
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2.発達障害の子どもが気持ちの切り替えができないワケ
発達障害の子どもが気持ちの切り替えができないのには脳のさまざまな特性が関係しています。
・エンジンがかかりにくい
脳は車のエンジンと同じで動き出す時に一番エネルギーを使います。
嫌なこと、やりたくないことをするときには、大きなエネルギーが必要でなかなかエンジンがかかりにくいのです。
・見通しを持つことが苦手
次の行動を予測したり、想像することが難しく、どうしたらよいかわからないという状態から見通しが立てられない事が起こりがちです。
・こだわりが強い
今やりたいというこだわりがあって、すぐに次の行動に移ることが難しいことがあります。
このように、子どもが気持ちを切り替えるための力をコントロールするのが難しいのです。
そのため、ママの「早くして!」の声掛けではすぐに行動ができないのです。
私は、息子が気持ちを切り替えられるように、楽しいことを想像できる声掛けをして行動を促していきました。
次でお伝えしていきますね。
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3.お風呂タイムがスムーズになるママの対応とは?
発達障害の子どもは、「早く!」の一言ではスムーズに行動することができません。
脳の性質を利用して、子どものエンジンをかける対応をしていきましょう。
脳は、最初に入ってきた情報によってその後の働きが左右されるという性質があります。
そのため子どもが今やっていることを肯定する会話からスタートすることが大切です。
◆サンドイッチの声掛け
子どもが遊びに夢中になっているときは、ママの声が届きにくいことがあります。
子どもにボディタッチでこちらに注目させてから、今やっていることに興味を示す声掛けをしていきましょう。
<肯定の声掛け>
「ゲームしてるんだね」
「もうすぐ、このステージクリアできそうだね!」
「この動画、おもしろいね」
そして、子どもがお風呂に入りたくなるように提案していきます。
<やってほしいこと>
「この動画終わったら、お風呂でシャボン玉しようか?」
「今のゲームのステージクリアしたら、お風呂で色んな髪型作ろうか!」
行動をはじめたら
<肯定の声掛け>
「ゲームやめれたね」
「お風呂場に来れたね」
肯定とやってほしいことをサンドイッチする声掛けをしていくと子どもがスッと動いてくれるようになりますよ。
私は「ママ、先にお風呂に入って待ってるね!」と言って、子どもが切り替える時間を自分のお風呂タイムにすることができるようになりました。
◆行動のパターン化
お風呂の中で遊びすぎて切り替えができない時は、行動をサンドイッチして声掛けをしていきます。
頭を洗って、からだを洗う行動パターンの場合は、
シャンプーを泡立てる
↓
髪の毛にたくさんつけて、もっと泡を作ろう!
↓
今日はどんな髪型にする?アフロ?リーゼント?(鏡でチェック)
↓
全部の髪に泡がついたね!
↓
じゃぁ、シャワーでリセットしよう!
↓
全部泡がなくなったかな?(鏡でチェック)
↓
今度は、からだ用に特大の泡を作りま〜す!
↓
からだに泡をつけて洗おう!
というように、子どもが楽しみながらできる声掛けをしていきます。
行動を同じ順番でパターン化しておくことで、お風呂でやることが定着しやすくなりますよ。
なかなかお風呂に入ろうとしなかった息子は、1回の声掛けでスッとお風呂に入るようになりました。
またお風呂の中では、先に自分から頭やからだを洗うことをして遊ぶということをできるようにもなりました。
そのため私は、湯船の中で子どもの様子を見るだけのゆっくりとお風呂タイムを楽しむことができるようになりましたよ。
ぜひ、お風呂タイムの慌ただしさを手放すサンドイッチの声掛けを試してみてくださいね!
気持ちや行動の切り替えが苦手な子の対応の秘訣をお伝えしています!
執筆者:かねた 愛
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)