【教材付】発達障害の息子がぬりえを嫌うワケ VS ぬりえをやってほしい母のワケ~ぬりえ教材つき~

発達障害の息子がぬりえが嫌いだと分かったのは療育でのあるできごとでした。たかがぬりえ、されどぬりえ。ぬりえは発達を加速させるのに役立つツールです。苦手な子にぴったりのぬりえ教材を無料プレゼントします!
 

【目次】

 

1.療育で事件勃発!息子のぬりえを見た母、絶句!!

 
 
発達科学コミュニケーション・リサーチャーの丸山香緒里です。私の息子は6歳の年長さん。発達障害・自閉症スペクトラムです。診断がおりてからさまざまな療育を受けてきました。
 
 
そのなかでも一番長く通っているのが作業療法(OT)です。息子が通っている病院では、体幹トレーニングと手先のトレーニングが半分ずつの割合で行われており、不器用な息子でも楽しく通えていました。
 
 
OTに通いだして2年ほどたったころ、ある事件が起きました。
 
 
ちょうどその日は手先のトレーニングの日でした。30分の療育を終え、いつも通り先生にその日の様子を聞きに行くと、いつもニコニコの先生が苦笑い。
 
 
「ママ、今日はぬりえをしたんだけど…これ見てもらえる?」
 
 
そういって渡されたぬりえを見て、私は絶句しました。
 
 
 
 
息子のぬりえはイラストのど真ん中をちょっと塗っただけ。A4の用紙のほんの真ん中にちょこっと色づいているだけ。ほぼ白紙の状態でした。
 
 
先生にお話を聞くと、息子なりに先生の指示を聞いて一生懸命ぬっていたそうです。でもすぐに疲れてしまい、休憩をはさみながら再開して…というのを繰り返して30分経過したそうです。
 
 
それにしても、30分かけてほとんど塗れていないことに衝撃を受けたのです。
 
 
発達障害の子どもがぬりえを好まないのには実は理由があります。この記事ではぬりえを好まない理由を検証しながら、ぬりえが持つ発達の効果を解説します。
 
 
今回は息子のようにぬりえが苦手な子どもでもトライしやすい、入門編のぬりえを添付しました。無料でダウンロードしていただけますよ!
 
 
 
 

2.発達障害の息子がぬりえを嫌う理由、徹底検証

 
 
幼稚園で頑張っている分、家では自由にゆったり好きなことをして過ごしてほしい。
 
 
こういう思いがあったので、おうちでは遊びに関して口を挟まずに過ごしてきました。息子は大好きな乗り物のおもちゃばかりで遊んでいたので、おえかきしたりぬりえをしたりすることは全くありませんでした。
 
 
経験がないからできなかったのかな?とも思ったのですが、さすがに経験だけでは語れないほどの真っ白さ。そこで息子本人に聞いてみることにしました。
 
 
私:「ぬりえ、どうだった?」
息子:「ぬりえ、疲れる。やりたくない」
 
 
まさかの一刀両断!実は息子にとって「疲れる」は最大の拒絶ワードなんです。
 
 
 
 
そこまでやりたくなりのか…とさらに絶句する私。息子からは聞き出せそうにありませんでしたので、自分なりに検証することにしました。
 
 
そもそもぬりえにはたくさんの種類があります。イラストの線がたくさんあって細かくぬるものから、小さい子用のぬるスペースが広いものもあります。
 
 
息子がOTで使っていたぬりえはA4全体にイラストが描かれていたため、線が多めのもの。でもA4なのでぬるスペースそこそこ広いものでした。
 
 
そして、息子は広いスペースのど真ん中に、字を書くような筆圧でぐりぐりぬった形跡がありました。
 
 
おそらく、ぬりえがほぼ初心者だった息子は、真っ白な紙を渡されてどこからどうぬればいいのか困ったのでしょう。
 
 
もちろんぬりえにどこからぬるというルールなんてありません。でも、初めてのものに不安があり、ルールを守りたい息子は「自由にぬっていいよ」という指示にどう対応したらいいのか分からなかったのだと思います。
 
 
ぬりえを塗っていくときは、どこから何色で塗っていくか自分で決めます。自分で考えて決めなければいけない、自由に決めていい。
 
 
創造力の高い人にとっては腕の見せ所ですが、息子は正解がないことに対して不安を抱くタイプです。
 
 
また、「ぬる」という作業を知らない息子は、字を書くときと同じような力の入れ方で塗ろうとしたのです。
 
 
通常、字を書くときの方が強い力を使います。しかも、たくさん線があって、どこからどこまでが範囲なのか捉えるのも大変だったでしょう。
 
 
息子にとって、初めてのぬりえは、
 
・どう塗ったらいいのか分からない
・ルールがないから不安
・線がたくさんあって混乱する
・力を入れすぎて疲れる
 
というネガティブなものになってしまいました。
 
 
 
 

3.ぬりえが持つ発達の効果とは~だから母はやってほしいんです!

 
 
一方で、ぬりえが発達を加速させるために効果的であることは、OTで使われていたことからも明らかです。
 
 
自分の好きな色を自由に使ってぬることで創造力を高めることができます。またぬりえをしているときは一心不乱に集中できます。字を書くときとは違ったえんぴつの力の入れ方もマスターできます。
 
 
いろいろな効果がありますが、一番は目と手の協応のトレーニングになる、ということでしょう。目と手の協応とは、文字通り目で見て手を動かす力のことです。
 
 
目で見て情報を収集する視覚機能と、手を動かすなどの運動機能は連携して動く場面がたくさんあります。
 
 
・跳んでくるボールを目で見て、手でキャッチする。
・閉まりかけたエレベーターの扉を見て、手でボタンを押す。
 
など、日常生活でもスポーツでも目と手が連携して動く場面は数えきれないほどあります。それだけ目と手の協応は重要な力だと言えます。
 
 
ぬりえは、この目と手の協応にとても効果的なトレーニングになります。目で線を確認し、線からはみ出さないようにコントロールしながらぬる力が必要になるからです。
 
 
不器用な息子にはぬりえはぴったりのトレーニング!でも、線からはみださないどころか、線に到達してすらいない息子のぬりえ。何とかやらせたいと思いましたが、うまくいきません。
 
 
どうやら「ぬりえ=疲れるもの」というイメージがついてしまい、大好きな乗り物のぬりえでもなかなか進みませんでした。
 
 
たかがぬりえ。ぬりえができなくても生きていけます。でもこんなに身近に息子の発達を手助けしてくれるツールがあるのに、使わないなんてもったいない!
 
 
ということで、息子がご機嫌なときにご褒美のチョコレートで誘いながら、大好きな新幹線の一部だけぬる。少しでも塗れたら大いに褒める、ということを続けて少しずつ進めて行きました。
 
 
 
 

4.苦手な子のために作りました!無料でぬりえをプレゼント

 
 
息子の様子を見ていると、ぬりえのどこでつまづくのか、少しずつ把握できてきました。
 
 
・何色でぬったらいいのか分からない
 
・どこをぬればいいのか分からない
 
・ぬる範囲が狭すぎると、まだまだコントロールがうまくいかずにはみ出て自信がなくなる
 
・かといってぬる範囲が広すぎると初めからやる気がなくなる
 
・いつも1箇所だけぬるのが精いっぱい!
 
 
つまり、
 
・何色でどこをぬればいいのか一目でわかり、
・ぬる範囲は広すぎず狭すぎず
・ぬる箇所が少なく、すぐ完成して達成感が味わえる
 
 
そんなぬりえがあったら、息子のようにぬりえが苦手な子どもでもチャレンジできるのではないかと考え、パステル総研で作成しました。
 
 
ぬりえは大人用から子ども用までさまざまな種類のものが販売されています。でも、私の希望を満たすぬりえには出会えませんでした。
 
 
幼児用のぬりえはページを開けた瞬間、真っ白です。ぬる箇所が多すぎて最初からひるんでしまいます。
 
 
何色でぬればいいのか決められずに不安になってしまいます。だからといって、対象年齢の低いぬりえを選べばよいというわけではありません。
 
 
初めてぬりえをする小さい子を対象としたワークは、ぬる範囲が広すぎて、中心部分にちょこっとぬっておしまいになってしまいます。
 
 
これでは線からはみ出さずによく見てぬる、という目的は達成できません。
 
 
どちらにしても、「全部できた!」という達成感は味わえません。
 
 
今回作成したぬりえは、ぬりえが苦手なお子さん用。入門編という位置づけです。ほとんど完成しているぬりえの、最後の数か所をぬれば完成!ぬりえにトライする際のハードルを最大限低くしました。
 
 
加えて、何色でぬればいいのか一目で判断できるようなイラストを準備しました。
 
 
ここでのぬりえの目的は、線をはみ出さずに気を付けてぬること。何色でぬる?など、子どもが別のことに気をとられることなく、集中できるように工夫しています。
 
 
もちろん、違う色でぬったとしても否定せずに認めてあげてください!
 
 
「その色、いいね!」
「センスいいね~!」
 
と声をかけてあげれば、きっとぬりえが楽しく感じられるはずです。
 
 
もしお母さんが「え~!?ここにこの色ぬるの!?」と思ったときは、「〇色でぬるんだね」という一言だけでもOKです。
 
 
まずこちらを入門編として使っていただき、ぬりえの楽しさを感じられるようにしてください。もっとやりたい!という気持ちが出てきたら、市販のぬりえをご利用いただいたらいいと考えています。
 
 
少しでもぬれたらほめてあげて、ぬりえに対する抵抗感をなくしていきましょう!
 
 
はみ出しても、白い部分がたくさん残っても、色のチョイスが今一つでも、「ぬりえをした」ということをほめてあげてください。
 
 
教材の最後に、「がんばったね!カード」があります。ぬりえが1枚完成するごとに、マスにシールを貼ったりぬったりしてください。頑張った跡が残せますよ!
 
 
ぬりえが苦手なお子さんのための教材ですので、まずは無理させずシールを貼るのがオススメです。もし「がんばったね!カード」のマスもぬれたら、さらにほめてあげてください。
 
 
そして、ぬりえが終わったら、イラストについてたくさんお話してください。ぬりえはあくまでも会話のきっかけ。
 
 
「しっかり塗らせる」ということを目的にしないようにしてください。遊びの中で楽しくトレーニングができるのが一番です!
 
 
発達障害・グレーゾーンのお子さんと教材を使ったトレーニングをする前に、こちらの記事を読んで、トレーニングのやり方をチェックしてくださいね!
 
 
 
子どもの苦手なものをやらせるのはテクニックが必要です。うまくいかない方は無理をせず、別の教材を使ってみましょう!
 
 
 
 
 
 
また、子どもの誘い方は発達科学コミュニケーション講座で具体的に学ぶことができますので、お困りの方はご相談くださいね!
 
 
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くわしいぬりえのやり方は動画にまとめてあります。動画をチェックしてからトライしてくださいね!
 
 
目と手の協応トレーニングについて学べます!

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執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
 
教材作成者:いせてる
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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